
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
大久保 和敬 / Kazutaka Okubo
株式会社マケレボ
第7営業部 ディレクター
マケレボのテレマーケティング事業部内でステップアップする場合、通常、コールセンターオペレーター→スーパーバイザー(SV)→サブマネージャー→マネージャーと進む。サブマネージャーまではプロジェクトの管理を行い、マネージャーになると予算管理も担う。
そしてマネージャーのさらに上には、事業部全体を統括する「ディレクター」ポジションがある。オペレーターとしてアルバイト入社から8年目、28歳にしてディレクターまでスピード昇格を果たしたのが大久保和敬だ。
大久保は過去、他社のコールセンターでオペレーターのアルバイトをしていた。「人と話すことは嫌いではないが、相手の目を見て話すのは苦手」という理由から選んだ仕事だった。
通信サービスの電話営業で高い業績を挙げ、チームリーダーに昇格。ところがオペレーターとしては優秀だったものの、リーダーとしては力を発揮できなかったという。
「特に意識して努力や工夫をすることなく業績を挙げていたので、うまくできない人の気持ちが分からなかったんです。自分の優秀さを鼻にかけ、『なんで契約とれないの?』と見下していたので、メンバーから大不評。評価もされず、逃げるように転職しました」
コールセンターの仕事には向いていると考えていたため、自宅から通いやすかったマケレボにアルバイト入社。ここでもオペレーターとして成果を出した大久保は、3カ月後に正社員登用され、SVに昇格した。
ところが、再び前職と同じ失敗を繰り返す。部下は「ついていけない」と、2カ月で半数が辞めていった。
すると、見かねた上司が毎晩、「今日は何がいけなかったか」「この場面ではどうすればよかったか」と振り返りに付き合ってくれた。「あの時上司が歩み寄ってくれていなかったら、前職と同じように辞めていたかもしれない」と言う。
「相手と目を合わせて話す」「部下それぞれの理解度に合わせ、繰り返し伝える」「できて当たり前と思わない」――それを意識して実践するようになって半年、離職者はゼロに。
チーム全員で他チームの優れた部分を積極的に取り入れるようにした結果、業績も向上し、大久保はサブマネージャーに昇格した。
SVとして殻を破った大久保だが、サブマネージャー時代は再び停滞。頑張っているつもりでも成果につながらず、上司に「やはり僕は向いていない」と弱音を吐いたことも数度あった。
そんな状況を打開したのが「プロセスの見直し」。日々の行動でどこにムダがあるのかを検証し、会社の研修プログラムで学んだ効率化の手法を実践した。
「この頃、複数プロジェクトを同時進行するようになり、横のつながりを構築して協力し合うことを覚えました。それまでは、『自分が一番』であることにこだわり、天狗になりがちでした。けれど自分の力だけでは、できないことがたくさんあると実感し、謙虚になれたんだと思います」
サブマネージャー就任から3年後、マネージャーに昇格。これまでと同様、部下の理解度を常に確認しながら人材育成に取り組んだ。仮に自分が突然いなくなったとしても業務を回していける組織体制の構築にも注力した。
そして入社8年目の今年、ディレクターへの昇格を果たした。仕事のレベルがさらに上がる中、自身の意識が大きく変わったと言う。
「ディレクターになって気付いたんです。『思っていたより、人が優しい』と。プロジェクト要員が足りない、新たな施策の実行に必要な知識がまったくない……といったとき、周りのディレクターたちが快く助けてくれる。上長であるマネージングディレクターも、僕より絶対忙しいはずなのに丁寧なアドバイスをくれる。みんなが全力で支援してくれるんです。僕も自分にできることがあるなら周囲の人を助けなくては、と意識するようになりました」
マケレボで活躍・昇格できる人物に欠かせない要素として、大久保は「負けず嫌い」「向上心」「優しさ」を挙げる。
「向上心がないと仕事は楽しくないと思う。だからメンバーのみんなにも、今のポジションで満足しないでほしいです。そして、行き詰まったり悩んだりしたら、遠慮なくどんどん上長に相談すればいい。みんなが思っているよりも、マケレボの上長たちは、メンバーを助けたがっているし、部下の育成にやりがいを感じていますから」
公開日:2022年12月5日
インタビュー・執筆:青木典子/編集:寺澤順子
カメラマン:石本文子
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