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ストーリー代表・CEO

収益用不動産プロデュース事業「SCENE+」でクライアントの幸せを妥協なく追求する

最新ストーリー代表_株式会社Blanciel

利益志向ではなく顧客志向へ。テクノロジーを駆使し、不動産業界に風穴を開ける

中出 一誠 / Kazumasa Nakaide
株式会社Blanciel
代表取締役

自らの利益ではなく、お客様の幸せが第一

収益用不動産を主な商材として取り扱う株式会社Blanciel(ブランシエル)は、物件の仲介をはじめ、資産形成のための戦略立案、融資付け、不動産のバリューアップや売買などをワンストップで提供している。クライアントは企業経営者や医師、弁護士などの富裕層が中心だ。

同社はこれまで、基本的には新規営業を行うことなく、既存クライアントからのリピートと紹介で業績を上げ続けてきた。競合他社がひしめき合い、厳しい競争を繰り広げる富裕層向けの不動産ビジネスでBlancielがクライアントから信頼を得ることができた理由を、代表取締役の中出はこう話す。

「初めてお会いしたお客様から『他社との違いは何ですか?』と聞かれることがよくあります。保有するデータ量や提携パートナーの数など定量的な強みもお伝えしますが、一番の違いはお客様の幸せに貢献するため本気でサポートしていることだとお答えしています」

時代は第一次ITブームの真っただ中、中出は大学卒業とともに友人の誘いを受けITベンチャーの創業に携わる。小さなビルの一室で寝食を忘れて最先端のビジネスに没頭するが、父が病に倒れ、長男である中出は財産相続と向き合う必要に迫られた。仕事のかたわら独学で学んでいくうちに、次第に不動産への興味が高まり、転職を決意。経験を積んだ後、2008年に独立した。

中出が不動産業界で感じた最も大きなカルチャーショックは、顧客志向の希薄さだったという。「家は一生に一度の買い物」と言われるように、多くの人にとって不動産は未知の世界。プロである不動産会社との間には、持っているデータやノウハウに大きな差がある。その情報の非対称性を利用し、顧客にとって本当に良い物件ではないことを知りながら販売する、利己的な営業担当者を中出は何度も目にしてきた。

「私は第一に顧客志向でありたいと考えました。だからこそ、その想いと自らの強みであるIT分野の知識や経験を掛け合わせ『不動産×テクノロジーで、人々の幸せに貢献する』という企業理念を打ち立てたのです」

豊かな暮らしをプロデュースする新規事業「SCENE+(シーン・プラス)」

創業以来、数多くのクライアントの資産形成を支援し、信頼と業績を積み重ねてきた。そして2021年、中出は新たな事業へのチャレンジを決意する。

これまで主力だった既存の物件紹介という枠を超え、自ら開発した新築物件を提供する不動産プロデュース事業だ。

「当社の基準を満たす優良な物件は決して多くはありません。だったら自分たちのネットワークやデータベースを活かして、ゼロから物件をプロデュースすればいい。それが出発点でした」

プロデュース対象は主に単身者向けの物件だ。リーズナブルな反面、面積が狭く、日常生活に必要な要素は備えていても「豊かな暮らし」を提案する物件が少ない点に着目し、チャンスを見いだした。

「都心部の高級マンションのようにエントランスが広々としていて開放感があったり、趣味のために使えるスペースが設けられていたり、単身者向けの住まいでも暮らしが豊かになるエッセンスがもっとあっていいと思うんです。ただし家賃が高すぎると稼働しないので、収益用不動産としてポテンシャルの高い土地をいかに安価で仕入れるか。丁寧なリサーチが欠かせません」

暮らしが豊かになるエッセンス――その一例として、中出は「中間領域」を挙げる。中間領域とは玄関やテラスなど、家の中と外をつなぐ空間のこと。中間領域をデザインすることは、魅力的な物件をつくり出すうえでのキーポイントになるという。

「玄関のドアを開けた先に土間のような広めのスペース(インナーガレージ)を取ることで、開放感のある広い空間が生まれる。例えば自転車を持っている人であれば、その空間でメンテナンスやカスタムができる小さなガレージとして使うこともできます。また、外にテラスをつくることで、コーヒーを飲みながら読書をしたりバーベキューを楽しんだり、入居者が工夫次第でいろいろな使い方ができる。そんな可能性が中間領域にはあるんです」

もちろん中間領域だけが豊かさを生むわけではない。クローゼットを排除し、リビングの天井に設置したハンガーパイプに洋服を並べることで、見せる収納と居住スペースが一体になった空間づくりや、料理好きのためにキッチン設備に徹底してこだわった物件、バイク用にガレージを備えた物件など、提案のバリエーションは実に豊かだ。

少子高齢化で借り手が減少する昨今、画一的な物件では新築でも稼働が上がりづらいとされている。そんな中で同社は「こんな部屋が欲しかった」という声に応える、エッジの効いたプロデュースを次々と実現しオーナーからも好評を得ている。

人の暮らしの中にある食事や休息、趣味などのさまざまなシーン。「一人ひとりの大切なシーンづくりをお手伝いしたい」という想いから、中出は本事業を「SCENE+(シーン・プラス)」と名付けた。

「SCENE+でプロデュースを務めるスタッフは、プロの設計士ではありません。既存の常識にとらわれず、顧客視点を徹底し、自由かつ新鮮な発想で物件をデザインしてほしいからです」

「中出商店」から脱却し、基準の高い組織づくりへ

SCENE+を軌道に乗せるために中出が考える課題の一つは、ポテンシャルの高い土地の安定調達だ。

他社の基準では「買い」でも、Blancielの基準を満たさないために仕入れを見送ることも少なくない。その基準の高さゆえ、売上が伸び悩んだことも幾度となくあったという。だが、中出に迷いはない。

「お客様は我々を信頼してくれているからこそ、不動産を買ってくださる。だから絶対に裏切りたくないんです。確かに、不動産投資は自己責任という声もあります。その側面を否定はしませんが、だとしたら私たちでなくAIで十分です。私たちの存在意義は『信頼できる誰かに任せたい』という、お客様の想いがあるからだということを忘れてはいけない。だから仕入れ基準には、決して妥協してはならないんです」

質の低い土地に付加価値を付けるには、コストをかけざるを得ない。結果的にそれは販売価格としてオーナーへと転嫁される。SCENE+は、高い基準を満たした土地を調達できるからこそ、個性豊かな物件をリーズナブルに提供できる。

そして、その調達の安定化には組織力が欠かせない。これが中出の挙げる、もう一つの課題だ。

これまで数多くのクライアントの案件を手がけることができたのは、中出自身がフロントに立ち続けてきたことが大きな要因としてあった。

「長らく『中出商店』を続けてきましたが、私一人ではできることに限りがあります。お客様のことを心から考えて動くことのできる仲間も増え、ようやく準備が整ってきました。これからは社員たちにも権限を委譲し、彼らの成長を通してより多くのお客様にサービスを提供できる体制をつくります」

物件情報から適正な土地相場や賃料、期待利回りがはじき出される独自のデータベースの構築、土地の仕入れや設計など各工程における詳細なチェックリスト作成、営業システムの開発など、経験や能力に左右されず、誰もが一定水準以上のアウトプットを出せるような標準化とシステム化を中出自身が旗を振って推し進めた。

「SCENE+はクリエイティブな要素もあり属人性を完全には排除できませんが、土地仕入れや基本設計を標準化し、コンセプトの引き出しを蓄積することで、誰でも一定の提案ができるようになります。そのための準備を、私自身が相当なパワーを注ぎ込んで行ってきました」

ファンを増やし、次のゼロイチへ向けて邁進する

中出は今後のBlancielの成長を二つの軸で考えている。

一方の軸は、自分たちでできる領域を広げていくこと。コロナ禍で建材の価格が高騰した際、これまで工務店に任せていた建材の調達を自社で行ったことでコスト削減を実現できた。

「業界構造をイチから勉強して商社と直接契約し、販売価格を上げずにお客様にご提供することができました。この経験は、自分たちの可能性を広げた点で非常に大きかった。今後は設計や施工も自社で行えるようにするため、設計士を雇用するなど具体的に進めています」

そしてもう一つが、自分たちの理念を全うしながら顧客の裾野を広げ「行列のできる不動産屋」としてファンの基盤をつくっていくこと。

単に事業規模を拡大するのではなく、クオリティを維持してファンであるクライアントたちの高い期待に応え続けていく。

かつて、千葉にあるクライアントの物件で一度に20部屋ほどの空室が出たことがあった。その情報を知るやいなや、同社はスタッフ総出で県内の不動産仲介業者を一軒一軒訪問し、空室状況を伝えた。スピーディな対応の甲斐あって空室をすぐに埋めることができ、クライアントからは深く感謝され、その後も同社のファンとして強い信頼関係を構築することができたという。

「我々は、特別なことは何もやっていません。原理原則に基づいたことを、誰よりも愚直にやっているだけ。起業する時、不動産業界で一生仕事をすると決めました。決めた以上はこの業界全体を良くしていきたい。だから私は不動産業界の常識や慣習にとらわれず、利己的な態度と決別して、お客様のためになることだけを徹底して行います」

理念のさらなる追求のため、SCENE+に続く新規事業の構想が動き出した。不動産と消費者をダイレクトにつなぐプラットフォームサービスをつくるため、新たに不動産テック企業を設立し、上場も視野に入れているという。

「テクノロジーを駆使することでエンドユーザーとの情報格差を是正し、誰もが自由かつ平等に情報にアクセスし、豊かな暮らしを実現できる世界をつくりたいのです」

中出の眼差しの向かう先には、次のゼロイチがもう見えている。

公開日:2022年9月8日

Profile

神奈川県茅ヶ崎市出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。友人らと共にIT系スタートアップ企業を創業し、2002年に株式会社オープンハウス入社。主に都心・城南エリアの住宅の仕入・企画・開発などに従事。2005年、株式会社セントグランデに入社。主に都心一等地の事業用不動産の仕入・開発・販売などに従事。(年間取引額120億円以上)

2008年、株式会社Blancielを設立。外資系投資ファンドなどの不良債権処理から個人富裕層の不動産コンサルティングまで、オフィスビル、商業ビル、ホテル、レジデンス、事業用地など、創業以来さまざまな不動産取引に従事。不動産・年間取引額は400億円以上に上る。

Contact
東京都港区芝浦3-13-16 シーダ芝浦 3F

Staff

インタビュー・執筆:安部亮多/編集:小田恵
撮影:田中振一

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