
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社シーエスコミュニケーション
経営企画室 人事戦略グループ
兵永 和寛 / Kazuhiro Hyonaga
2018年、シーエスコミュニケーションに新設された人事部。その統括を担当しているのが兵永和寛だ。10歳以上も年の離れた新卒社員や若手社員から慕われて、悩み相談を受けている兵永の姿を見た同社代表取締役の牧草亮輔が、人事担当に適任と判断。経験はなかったが、今ではこの仕事にやりがいを感じている。
「会社説明会では社風や社長・社員の人柄について話したり、逆に相手の希望や将来の展望を聞いたり、時間をかけてお互いを知っていけるよう努めています。その中で会社の良さを適切に伝えられ、『面白そうな会社だ』と興味を持った方が、実際に入社して頑張っている姿を見ると、とても嬉しいです。20代で仕事について真剣に考えている学生を応援したいし、働くことでしか得られない楽しさや喜びを一緒に味わっていきたいですね」
シーエスコミュニケーション最大の魅力を、兵永は「社長」と答える。幼い頃に転校を繰り返していた牧草は、人とのかかわりを人一倍大切にし、全エネルギーを社員に注ぐような人間だ。そんな牧草から日々多くのことを学んでいるが、彼に言われて特に意識しているのが、「よく考える」ことだ。ゴールへ猪突猛進するのではなく、自分の言葉や行動が周りに与える影響を想像するよう心がけるようになった。
「牧草と専務の鈴木から教わったことは大きいです。厳しいことも言われましたが、期待をかけて育ててくれようとしているのがひしひしと感じられました。社員の成長をしっかり評価してくれるのも頑張れる要因のひとつ。実力主義でやりがいの大きい会社です」
飲食店でアルバイトをしながら、バンド活動に捧げていた20代。事務所に所属し、本気で音楽に取り組んでいた時期もあったが、次第に仲間とたしなむ趣味の域に落ち着いていった。「十分楽しんだし、次のステップに進もう」と決断したのが30歳目前のことだった。
漠然とIT業界への就職を目指し、パソコンスクールでフォトショップやイラストレーターの勉強を開始。縁あってシーエスコミュニケーションに入社したものの、企業概要も仕事内容も理解していなかった。社会人経験ゼロの焦りもあり、がむしゃらで目の前の業務に臨んだ。上司たちに怒られて嫌気がさすこともあったが、それでも兵永が逃げなかったのは、彼らが自分を見捨てることは絶対にないと思えたからだ。
「憎くて怒っているわけではなく、会社の方針や顧客の意向に背く行為を正そうとしてるんだと理解できるようになりました。もちろん足りない部分だけでなく、自分では気が付かない長所にも目を向けてくれます。飲みに行くと、『文章うまいよな』とか『人を惹きつける力がある』と直接伝えてくれるので、自分に適した業務ややりたい仕事を見つけて、チャレンジする意欲が湧いてくるんですよね」
現在の使命は「シーエスコミュニケーションが好きな人を一人でも多く増やすこと」と話す兵永。福利厚生や社内イベントといった人事的アプローチを通じて、社内にも社外にもファンをつくるために活動している。社員からこぼれる不満を汲み取り、社長に改善の提案をするなど、橋渡しの役目も担っている。
「うちはIT企業ですが、サービス業のつもりで日々業務に励んでいます。社長がよく口にする『目配り、気配り、心配り』という言葉通り、お客様に対して思いやりやホスピタリティのある会社を一緒につくってくれる人と働きたいですね。顧客第一に考えることが、会社の成長にもつながっていくと思います」
インタビュー・編集:角田尭史、堤真友子/撮影:正畑綾子
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