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ストーリー代表・CEO

「EQ(感情知性)」を活用し、 人材育成・組織作りの課題を解決。 「心豊かに働く」を実現したい

最新ストーリー代表_アイズプラス

ダイバーシティ&インクルージョン、
組織風土変革のプログラムで効果を発揮

ワクワクできる職場・チームの実現を目指す。
「エンプロイアビリティ」向上にも活用

株式会社アイズプラス
代表取締役
池照 佳代 / Kayo Iketeru

ビジネス環境の変化が激しい今だからこそ、「EQ」が活きる

「巻き込み力を持つ人材が必要だ」――近年、そんな声が多く聴こえてくる。

今、企業の事業環境に大きな変化が起きている。労働人口減少により人材確保が困難となる中、育児・介護を担う人が働きやすい環境の整備、外国人人材の受け入れなどが課題となり、「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進。一方、国内マーケットが縮小していくのを背景に、新たな収益柱となる事業創出のため、異業種へ進出する動きも活発だ。さらには、テクノロジーの進化を受け、あらゆる業種の企業が既存の事業や業務にITを導入する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を画策している。

これらの取り組みに共通するキーワードが「越境」。バックグラウンドや価値観が異なる人々が共創、協業する場面が増えているため、働く人々は自分の専門領域・価値観だけにとどまってはいられない。こうした背景から、さまざまな立場や考え方の人たちの視点やスキルを結集させ、一つの目標に向かわせる「巻き込み力」を持つリーダーが求められているというわけだ。

では「巻き込み力」とはどういうものなのか。人材・組織開発コンサルタントとして活動する株式会社アイズプラス代表・池照佳代は、「周囲を巻き込む」行動ステップを次のように定義する。

●関係をつくる…信頼関係を構築する/相手との(心の)距離を縮める

●説明する…ロジカルにわかりやすく話す/相手がメンバーになることのメリット、必要性を伝える

●共感をつくる…相手の立場、状況や感情を理解して寄り添う/話をしっかりと聴く

●人を動かす…相手を「その気」にさせる/情熱を示す

「これらを無意識にやってのける人たちもいます。例えば、会社を大きく発展させた起業家などには、天性の巻き込み力を発揮している人が多い。この能力は、一握りの人が持つ特殊な能力だと考えられがちです。しかし、実は誰もが生まれながらに持っている能力であり、読み書きを覚えるのと同様、トレーニングによって磨くことができるんです」

池照がリーダーシップ研修、マネジメント研修などに取り入れているのが「EQ」だ。
EQ (Emotional Intelligence Quotient)とは「感情知性」のこと。「IQ(知能指数)」に対し、「心の知能指数」とも呼ばれる。「自他の感情を識別する」「思考を促進するために感情を用いる」「感情的な言葉について、その由来や行く末を理解する」「目的を果たすために感情を調整する」――こうした能力を高めることで仕事や生活を成功に導けるとする理論だ。教育や医療など幅広い分野で活用されているが、池照はEQを「チームビルディング」「プロジェクトマネジメント」「キャリア開発」などの円滑化に活かしている。

 

ほぼ同じ工程のプロジェクト。なぜ会社によって成果に差が出る?

池照が初めてEQの存在を知ったのは、独立前、大手外資系企業で人事を務めていた頃だ。
※池照社長の起業ストーリーはこちら

米国でEQに関する研究論文が発表されたのは1990年。1995年には、ダニエル・ゴールマンの著書『EQ』が世界的ベストセラーとなった。池照もこの本を買って目を通してみたが、当時は「こういうものもあるのね」という程度の認識だったという。

EQとの再会は2007年。書店で偶然、EQをテーマとする高山直氏の著書を見つけた。「そういえば、昔、流行ったな」。その場でパラパラとめくって読んでみて、「今の私の課題を解決してくれるものかもしれない」と直感した。

当時の池照は人材・組織開発コンサルタントとして独立し、複数の大手企業をクライアントとして、ダイバーシティ推進や組織風土改革などのプロジェクトマネジメントを手がけていた。その中で、ある悩みを抱えるようになったという。

「クライアント企業の人事、経営企画、事業統括などのメンバーと一緒に進めていたんですが、皆さん、とても頭がいい。どの会社のプロジェクトメンバーも、IQ・学歴・言語力など『優秀さ』においては同等レベルでした。ところが、プロジェクトがうまく運ぶ会社とそうでない会社がある。一体感を持って取り組めるチームもあれば、まとまらないチームもある。『なぜ?』と不思議でした。私がプロジェクトリーダーとして、同じような道筋を立てて、工程を作成して、同じように連携をしているのに、どうして成果に差がつくんだろう、一体何が違うんだろう、と」

高山氏の著書を読み終えた池照は、「これかもしれない」と興味を深め、翌日には高山氏の事務所に電話。氏が主宰するEQセミナーで学ぶと、疑問への答えが見つかった。

「EQを自然に発揮できるリーダー、あるいはこれを知っていて意図的に発揮しているリーダーのもとでは、プロジェクトのメンバー同士の一体感が高い」。

池照は、EQトレーナーの資格を取得。しかし、受講内容はアカデミック色が強く、「現場」には受け入れられにくいだろうと思った。「いいものだとわかっていても、クライアントに当てはめて具体的なプログラムを作る自信がなかった」と、当時を振り返る。

EQを実践する機会が訪れたのは、それからおよそ5年後のこと。あるクライアントの課題に対し、「EQがマッチするのではないか」と考え、提案した。クライアントの事業部長は興味を持ち、「やってみよう」と賛同。EQの要素を取り入れた人材育成プログラムを導入したところ、翌年には目に見えて成果が表れた。

そのクライアントは製薬会社のコールセンター。課題は「No.1になる」というものだった。さまざまな業種のコールセンターが競う電話応対コンテストで、その会社はいつも2位止まり。「知識も電話応対も、できるかぎりの研修をしている。けれど1番になれない。悔しい。どうしてもNo.1になる目標を達成したい」と、事業部長の想いを聴いた。

施策のヒントを探した池照は、「お客様の声」のアンケートに目を留めた。その中に「電話に出る方々は回答が的確で丁寧なんだけど、人間味に欠ける」というコメントを発見。「EQが役立つかもしれない」と考え、コールセンター研修プログラムに取り入れたのだ。その結果、翌年・翌々年のコンテストで1位を獲得し、目標を達成した。



生涯かけて学び続けることができ、自分を変えていける

EQの効果を確信した池照は、研修会社などの協力を得て、EQを活用した人材育成プログラムを積極的に提供するようになっていった。クライアント企業側は、従来の人材育成プログラムを一から刷新する必要はない。これまでのプログラムに「EQの要素を取り入れる」というスタンスであるため、受け入れられやすいという。

「個人の能力を開発し、組織を変えていくプロセスでは、その会社ならではの『コンピテンシー』を整理・言語化します。すると、EQに当てはまるものが必ずあるんです。また、厚生労働省では長く働き続ける能力として『ポータブルスキル(=業種・職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力)』を提唱していますが、ポータブルスキルとして挙げられる項目の約8割はEQと共通している。EQを学ぶことは、ポータブルスキルを磨くことにもつながっているということです」

池照がEQに魅力を感じるのは、「生涯かけて学び続けることができ、何歳になっても自分を変えられるもの」である点だという。

「人事の世界では『タイプ別診断』というものもあります。『あなたはライオンタイプだから、ウサギタイプの部下に接するときはこんなことに気を付けなさい』なんてアドバイスを受けます。私は会社員時代にそれを受けて、『わかっていてもできない』と思っていました。でも、EQは『ライオンがウサギになり、ウサギとしてウサギに接する方法』を教えてくれるものなんです。私自身、会社でマネジャーを務めていた頃の自分を振り返ると、いかに間違った対応で部下を傷付けていたか、EQを学んでわかりました。あの頃の自分がEQを知っていたらなぁ、とつくづく思います。だから、マネジメント現場で悩むリーダーたちに、この手法をお伝えしたいんです」

現在は、企業への人事制度設計、人材育成・組織開発プログラムの提供、日経ビジネススクールなどでのセミナー開催、オウンドメディア『EQ+LAB』の運営と、さまざまな場でEQの活用法を発信している。

最近では、企業からミドル・シニア社員向けのEQプログラムを依頼されるケースも増えてきた。近年、注目されているのが「エンプロイアビリティ」。これは「雇用され得る能力」=「転職できる能力」を意味する。終身雇用を約束できない今、社員がいずれ会社を離れてセカンドキャリアへ踏み出す場合に備え、「エンプロイアビリティ」を磨く研修を導入する企業が増えている。その一環として、EQプログラムに期待が寄せられているのだ。

ある日系メーカーのマネジメント層向けにプログラムを実施した際には、終了後、部長クラスの受講者からこんな言葉が寄せられた。――『自分で自分の感情に蓋をしていた会社員人生だったことに気付いた。残り数年だけど、役割じゃなくて人と人としての一体感がつくれるか挑戦したい』。

「私、そして私の仲間たちが目指すのは、『心豊かに働く』をデザインすること。EQをツールとして活用することで、働く人たちの心を喜ばせる、ワクワクさせるような人事制度作り、組織作りに取り組んでいきます」

 


リスナーの目線

EQに対し、今でも「スピリチュアルなもの?」「『いい人』になるやつだよね?」という反応が返ってくることがあるのだとか。「非常にもったいない!」と思います。私自身、「人材」「キャリア」をテーマとするライターとして、経営トップ、人事、新入社員からマネジャーまで数千人を取材してきましたが、大きな成果を挙げている人は確かにEQが高い人たちだったと気付きました。今の時代、人事が抱える課題の多くを解決できるツールだと実感しています。

インタビュー・編集/青木典子 撮影/森モーリー鷹博

Profile

高校卒業後、米国カリフォルニア大学にてTESLプログラムを修了。帰国後に英会話学校での講師・学校運営を1年経験。その後、1992年から2005年まで、マスターフーズリミテッド、フォードジャパン、アディダスジャパンにて一貫して人事職を担当。出産をきっかけに退職後、ファイザーに再就職し、ダイバーシティや評価・報酬業務等の人事プロジェクトに従事。その後、日本ポールにて人事職を経験後に一旦退職し、2006年法政大学経営大学院に入学。大学院にてMBAを取得 し、在学中に有限会社アイズプラス(現・株式会社アイズプラス)を設立。2主に企業向けにEQ(感情知性)を中心に、一人ひとりが「心豊かに働く」を目指した人事制度設計、人材・組織開発コンサルティングやプログラム提供、コーチング等を提供している。自社組織の経営の他、認定NPO法人キーパーソン21、NPO法人IC(インディペンデントコントラクター)協会理事に就任し、教育、及び働き方の社会変革に携わっている。

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