
一人ではできないことを、チームで実現させるスイミー経営
株式会社イクリエ
代表取締役
濵島 広平 / Kohei Hamajima
株式会社イクリエでは、第11期のスタートとなる2020年12月より新たな人事考課制度をスタートさせた。この新制度は、代表取締役の濵島広平が約1年を費やし、独自に考案したものだ。人気ゲームなどのコンテンツプロモーションを主事業とするイクリエらしく、ゲーミフィケーション(ゲームの要素や原則をほかの物事に応用すること)を組み込んだ、ユニークな制度となっている。
人事考課制度「新・スキル評価制度」は、業務を遂行する上で必要なスキルや仕事への姿勢、成果などについて、社員がロールプレイングゲームのような感覚で「レベルアップ」を目指せる仕組み。評価する上では、会社や上司から与えられた目標の達成率だけでなく、社員が自分自身で目標を定め、成果をアピールすることが重要視されている。ゲーミフィケーションを取り入れた理由について濵島は、「人事考課の持つ堅いイメージを払拭し、社員がゲーム感覚で、楽しみながら成長できる制度にしたかった」と語る。
「この制度には『新人』から最高レベルの『トップコンテンツアンバサダー』まで7つのレベルがあり、それぞれにスキルレンジ(スキルの幅)の数値が設定されています。『新人』が業務経験を積み、ポイントを獲得してそのスキルレンジをクリアすると、次のレベルである『クリエイター』に上がることができます。レベルが上がると、標準となるスキルの難易度もアップ。社員それぞれが自分自身で目標を設定し、適宜変更しながら自律的にレベルアップしていくことを狙っています。個々の実力を適切なポジション・報酬に反映させるため、評価の対象項目はストイックに設定。報酬は、社歴や年齢に関係なく、これらのスキル評価軸と連動させています」
それぞれのレベルにおいて、評価の対象となる項目は全部で18。ビジネススキル/コラボスキル/クリエイティブスキルの3カテゴリー、各6項目の課題の達成状況に応じて、評価が決められる。この3つのカテゴリーは、社員が、クリエイティブ能力を向上させるだけでなく、ビジネスパーソンとしても成長できるよう、濵島がこだわって作成した。
ビジネススキルは、ビジネスパーソンとしてのロードマップを可視化したもの。例えば、クライアントとの折衝で適切な提案をしたり、相手と信頼関係を構築したりするスキルを指す。ほかにもチーム内でコミュニケーションを取る際の姿勢や、会社の理念やミッション、行動指針を理解することなども含まれる。
コラボスキルは、映像、イラスト、フィギュア原型制作などの各チームが、互いに連携するために必要なスキルを明確にしている。自分が所属するチーム以外とも協力し合うことで、相乗効果を生み出し、よりよい成果を上げることを狙いとしている。
クリエイティブスキルは、制作する力。企画提案や新しいツール・技術の習得、ディレクションスキルなどが含まれる。制作過程におけるワークフローの効率化などもスキルの1つとみなしている。
「新しい人事考課制度を作るにあたり、私はイクリエで働くクリエイターのあるべき人物像を熟考しました。その上で、各項目の定義と評価軸をできるだけ数値化できるよう、必要なスキルを設定しています。これらは、クライアントやユーザーのニーズに応えるためであると同時に、社員が互いに思いやりを持ち、イクリエ全体を成長させていくために大切なスキルであると考えています。今は私が人事考課を担当していますが、ゆくゆくはこの制度をベースとして、社員がお互いを評価する体制にしていきたい。チームメンバー同士のほうが、普段の働きぶりを理解していますから」
「社員にはクリエイティブスキルとビジネススキルを兼ね備えたクリエイターになってほしい」と語る濵島。その想いの先には、「自分たちで行動目標を立て、自走できるチーム」の実現がある。
公開日:2021/07/19
インタビュー:垣畑光哉/執筆:高橋奈巳/編集:勝木友紀子
撮影:後藤敦司
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