
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社イクリエ
代表取締役
濵島 広平 / Kohei Hamajima
人気ゲームなどのコンテンツプロモーションを手がける株式会社イクリエ。代表取締役の濵島広平は、2020年6月、企業ロゴを刷新した。
9年ほど前に制定したこれまでのロゴは、オレンジ色をベースにCreationの「C」をあしらったシンプルなもの。当時は創業数年目だったこともあり、簡単なオーダーのもと、デザイナーが提案してきたロゴを感覚で選んで決めたという。
しかし、昨年企業理念とミッションを確固たるものにした濵島は、「次のフェーズに向けて歩み出した、現在のイクリエにふさわしいロゴを」と考え、思い切って一新を決めた。
再構築にあたり、濵島は、企業ロゴを専門に手がけるデザイナーとミーティングを重ね、イクリエらしさを表現するロゴを追求。「(社員の)誰もが1ネタ語れる」をコンセプトに、社名の由来である「いいクリエーション=イクリエ」を具現化し、企業理念やミッションをも包括できるデザインを意識した。
最終的にモチーフとして決定したのは、「ルビンの壺」(デンマークの心理学者、エドガー・ルビンが考案した多義図形。向き合った2人の顔にも大型の壺にも見えるのが特徴の図)。その背景には、コミュニケーションを大切にする濵島の想いがあった。
「ベースとなった『ルビンの壺』には、向き合う2人の横顔が描かれています。この左側が私たち、右側がクライアント、中央をユーザーや作品のファンととらえました。まず、クリエイターである私たちがユーザーを見据えていないと、彼らを魅了するいいクリエーションはできません。そして、クライアントとも真摯に向き合わなければ、人に喜んでもらえる成果は出せない。社内においても、クライアントに対してもコミュニケーションを大切にしてほしいですね」
「人と向き合い、対話することで『想造力』(創造力と想像力を組み合わせた濵島の造語)が高まる」と話す濵島は、名刺にも新ロゴを取り入れ、リニューアル。ロゴと同じく、「1ネタ語れる」を盛り込んだ、遊び心あふれるデザインに変更した。ロゴをかたどった形状の名刺の裏には、個々のプロフィールとメッセージを掲載。名刺交換の際に会話のフックとすることで、社員一人ひとりのパーソナルな面を相手に知ってもらいたいという狙いがある。
この新たなロゴと名刺は、社員からの評判もよく、濵島は社内で浸透しつつあることに喜びを感じているという。
「新たな理念とミッションが誕生したからこそ、想いを込めた意味のあるロゴを作ることができました。このロゴは、会社と社員の相互理解を深め、共通の目的意識を高めてくれると確信しています。新人もベテランも軸を持って仕事をするため、そして個人で働く意義を考えてもらう上でも、一助になると思います」
対話を重視したコミュニケーションで、理念とミッションを達成する――。この新ロゴには、濵島の決意が込められている。
公開日:2021/06/24
インタビュー:垣畑光哉/執筆:高橋奈巳/編集:ひらばやしふさこ
撮影:後藤敦司
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