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「人」「食」「社会貢献」を起点にビジネス総合力を身に付け、即戦力として活躍
リスナーズ株式会社
執行役員 カスタマーサクセスG リーダー
邑井 一郎 / Ichiro Murai
「目的を見据え、志を一つにする。これまでの20年こだわってきたことです。その経験を、リスナーズで活かしていきます」
邑井一郎は「お客様をもっとも理解し、寄り添う」をミッションとし、2021年にリスナーズに入社。カスタマーサクセスグループ リーダーを務める。
これまでリスナーズは、人と企業の想いやビジョンのストーリーを伝えることで、「共感」「つながり」を生み出すメディアサービス『LISTEN』を提供してきた。また、社員への理念浸透とエンゲージメント向上を目的とするビジョンブック、経営者の著書などの制作も手がけてきた。
そして時代がウィズコロナとなった今、「つながり」を生む役割をさらに“深化”させようとしている。
お客様が自分たちのストーリーを発信するとき、仲間を増やしたい、ファンをつくりたい、チームを一つにしたいといった「目的」が必ずある。その達成のためには、単発のストーリーだけでは本来不十分だ。理念やビジョンを点から線、さらに面で伝え、共感の輪を拡げていく必要がある。
リスナーズでは、お客様のニーズをくみ取り、その実現までを見据えた「伴走型」のサービス体制の構築に動き出している。それが「カスタマーサクセス」―― 邑井のミッションだ。
「お客様に伴走し続ける――これは以前から私が生涯かけてやりたいと思っていた活動です。経営者の皆さんは常に思考を巡らせていて、いつも未来を見据えている。社会課題を解決して、よりよい世界を創ろうとしている皆さんにとって、『仲間を集める』ことは重要な課題です。そのツールとして『LISTEN』が役に立つと確信したから、リスナーズへの参加を決めました」
邑井はこれまで20年以上にわたり、ソフトバンクグループのSB C&Sで働いてきた。同社はIT関連製品の製造・流通・販売、IT関連サービスの提供をおこなう企業だ。
セールス、マーケティングを経て、HRテック(人事×テクノロジー)のプロダクト立ち上げなどに参画。コロナ禍以前より、自らテレワークを実践しながら中小企業のテレワーク活用について研究し、直近3年ほどは「一般社団法人日本テレワーク協会」にも所属。中小企業市場テレワーク部会のコアメンバーとして活動していた。
本業では全国300名の代理店営業を通じて、およそ1万社の販売パートナーへSaaSを提案する活動に伴走した。
「テレワークは、うまく活用すれば生産性アップにつながります。しかし企業からは、『導入したものの、社員が幸せになったわけではない』という声もありました。多くの事例を知る中で、テレワークは手段の一つであり、目的の本質を見失ってはいけないと感じていました」
そんなときに出会ったのが、リスナーズ代表の垣畑だった。IT業界の知人から「面白いサービスを提供している会社がある」と紹介されたのがきっかけだ。
「LISTEN」というサービスが想いやビジョンによって、企業と人、人と人をつないでいることを知り、必要なのはこれかもしれないと直感した。
邑井はまず、自社の人事部に「LISTEN」を紹介した。
テレワークやHRテックの研究を進める中で、人事部のメンバーと対話する機会があったことから、彼らがどんな課題を持っているかを理解していたのだ。
その課題解決策として「LISTEN」が有効なのではないか……と話を持ちかけたところ、賛同を得て採用が決まった。
ソフトバンクグループが掲げるバリューは「○○って、楽しい」。○○には、「努力」「No.1」「挑戦」など複数のワードが入り、社員間でも日常的に語られるほど浸透している。
採用活動でもこのバリューを伝えてはいるが、現場でどのように体現されているのかまでをしっかりと伝えたいと、その方法を模索していた。また「No.1とはどんな状態か」「挑戦とはどんな行動か」など、人によってとらえ方が異なるため、実際に働く人たちの声を届けたいと考えていたのだ。こうして、本部長クラスから入社2年目までのメンバー4人のインタビュー記事を制作。就活生の反応は上々で、入社前後のギャップ解消に寄与した。
「私が『LISTEN』に強い魅力を感じているのは、経営者の想いを発信することはもちろん、口数少なく黙々と仕事をしている、けれど情熱を持って仕事に向き合っている人たちの想いを見える化できるところ。そんな人たちにもスポットライトを当てて発信できるサービスは、ほかにはないと思っています」
「LISTEN」の効果に確信を持った邑井は、以来、出会った人たちに紹介するようになった。副業でもなく、見返りを期待したわけでもなく、良いサービスを知ってほしい一心からの行動だった。
「これを知って活用すれば、その人や企業が目標に近づける。その人と、その周りの人々の人生をきっと豊かにする。そんな価値を感じていたから、自然に突き動かされました」
もっとこの商材にかかわりたい――リスナーズとの出会いからおよそ1年半を経て、邑井はリスナーズへの転職を決意した。
大手企業グループを辞めて、社員数名規模のベンチャー企業に飛び込むことに、ためらいがなかったわけではない。これまでは、転職をするにしても、強固な基盤や安定感がある企業でのキャリアアップこそが正義だと考えていた。子どもは中学生と小学生、まだまだ教育費もかかる。数ヵ月の間、悩みに悩んだ。
しかし、コロナ禍が邑井の発想を変えた。
誰も想像しなかったことが起こり、世界は変わった。この先も、いつ何が起こるかわからない。自ら熱い想いを持って何かを動かしていくことが、例えば10年先にできるだろうか……と考えたとき、「今しかない」と思った。今動かなければ後悔する、と。
そのとき、垣畑はこう告げたという。
「僕はあなたを『雇う』つもりはありません。邑井さんが本気でやりたいと思うなら、同志として歓迎します」
欲しいのは一緒に自走する仲間であり、大企業感覚で寄りかかる人は不要……という、忖度のない言葉だった。
「これまでの観念が取り払われた一言でした。自分の目的はリスナーズに雇われて給料をもらうことではない。本当にやりたいことにチャレンジするために行動を起こす。未来への情熱がブレることなく、やりたいことをどんどんアップデートしていく垣畑さんの姿を1年半見てきたので、この土壌でなら思う存分チャレンジができると、腹が決まりました」
執行役員として迎えられた邑井は、リスナーズのビジョンを実現する仲間を増やすとともに、カスタマーサクセスグループ リーダーとして共感でつながる顧客を増やす活動に取り組んでいく。前職での「アライアンス」や「パートナーシップ」構築の経験は、垣畑も大いに期待を寄せるところだ。
「仲間を増やし、同じ想い・スキルを共有して目標へ向かうプロセスの構築は、ソフトバンクから学んだ『共創』そのものです。志を一つにすること。『何のためにやるか』をブレさせないこと。『もっといいもの』を貪欲に求めること――、このスタンスにこだわって20年走ってきました。それはこれからも変わらず、お客様に価値として提供していきます」
リスナーズの取り組みに触れる過程で、ふと思い起こした原体験がある。
邑井の母は身体に障がいがある。2~3歳頃から小児麻痺を患い、成人になる頃に名医に出会ってようやく自分の足で立てるようになったが、走ることはできない。子どもだった邑井の目にも、育児に苦労している様子がわかり、よく泣いていた姿が記憶に残る。
そんな母は、日記を書くことが好きだった。邑井が中学生の頃、母は自分の半生を綴ったエッセイをコンクールに出品し、大賞を受賞した。そのときの母は「人生で一番楽しそうだった」と振り返る。
自分の想いを表現し、それが人に届くことは大きな喜びなのだと、「人のストーリー」を扱う仕事に就いた今、実感している。
「母は身体が不自由で動けなかった分、書くだけでなく、よく話しもした。子どもの話もよく聴いてくれた。聴くことで、相手の本心をくみ取ろうとしていたのだと思います。そんな母の影響を受けた私が『リスナー(聴く人)』を仕事にする道を選んだのは、運命ともいえるかもしれません。人の話を聴き、その想いに寄り添う姿勢を大切にしながら、かかわる人々のビジョンの実現へ伴走していきたいと思います」
インタビュー:垣畑光哉/執筆:青木典子/編集:佐々木久枝
撮影:新見和美、只石布久美
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