
真面目におもしろいことをしよう!企業のビジネスが輝くような“世界観(ストーリー)”を世に展開し、顧客とのコミュニケーションを力強く後押しする
企業とユーザーの「心」をつなぐ。
デジタルコミュニケーション戦略
デジタルでお客様や社会を
より豊かにしていく
トライベック・ストラテジー株式会社
代表取締役社長
後藤 洋 / Hiroshi Goto
2000年代初頭、企業のデジタルマーケティングといえば、自社HPをつくる程度だった。それが10数年で、オウンドメディア、EC、SNS、スマホ最適化、アプリ…と爆発的な広がりを見せている。変化が早く、「何が最善なのか判断がつかない」とデジタル疲れを感じている企業も少なくない。そんな企業の課題解決を得意としているのが、トライベック・ストラテジー株式会社だ。代表取締役社長の後藤洋は、自社の特徴をこう語る。
「私たちは、クライアントのデジタル課題の解決につながるコンサルティングを提供する『デジタルマーケティング支援事業』と、ビッグデータを解析し、次の一手を導き出すための『マーケティングプラットフォーム事業』の2事業をバランス良く成長させ、どちらも強みとしているのが特徴です。インターネット黎明期である2001年に創業して以来、デジタルの進化の変遷とともに成長してきましたので、さまざまな分野に知見があり、トータルに企業を支援することが可能。今やデジタル化は、経営課題に直結するほどに大きな影響を与えるものなので、私たちは広い視野でお客様のビジネスを明るい未来へ導くイノベーションパートナーになるべく活動しています」
後藤は、デジタルで起こりやすい問題として“個々の戦略が分断されがち”なことを挙げる。例えば、セールスとブランディングで個々にデジタル戦略を実行しようとするが故に、ユーザーとのコミュニケーションに一貫性がなくなる。オウンドメディアを充実させたはいいが、ブランド戦略に乏しく、好感度が上がらない。そうしたことが起きるのは、俯瞰した目でデジタルによるトータルマネジメントの視点が欠けているからなのだと言う。企業内でデジタルに対する意識が低いと部分最適に陥りやすい。また、支援する側であるデジタルマーケティングのプレイヤーも特定の分野に特化した専門家が多いため、全体最適を考慮した提案にはなりにくい。だからこそ、トライベック・ストラテジーのように企業と一緒になって経営戦略から俯瞰して課題をとらえ、デジタルの力でコミュニケーションをより良くしていくスタイルが支持されているのだ。
「私たちが掲げる理念は、『ひとにやさしく、つなぐデジタルを』。顧客企業のメッセージが生活者(ユーザー)に対して『やさしく』『伝わる』ことはもちろん、直接の顧客である企業に対してもわかりやすく、デジタルへの意識を高めていただけるような価値を大切にしています。デジタル分野は瞬く間に新しいものが登場するので、キャッチアップが難しく、取り組みが敬遠されがち。しかし、協働しながらプロジェクトを進めることで、徐々にお客様の内部にデジタルの知見が蓄積され、会社全体のデジタルリテラシー向上につなげることも、私たちが意識していることです。私たちは一過性のトレンドやテクノロジーに振り回されることなく、長期間に渡ってお客様に寄り添い、結果が出せるパートナーを目指しています」
こうした姿勢が評価され、同社はこれまでにKDDI、アメリカン・エキスプレス、楽天、三菱商事など、各業界を代表する大手企業を支援してきた。また、官公庁、自治体のプロジェクトにも数多く参画しており、デジタルマーケティングを牽引する企業として、後藤自身の講演などでも最新プロジェクトとして紹介されている。
後藤が現在の立場を務めるようになったのは2014年のこと。社長就任までの道のりには、現在のトライベック・ストラテジーの理念にも通じるような経験の積み重ねがある。
大学在学時にはマーケティングやコミュニケーションに興味を持ち、マスコミを志望。就職活動では早々に大手広告代理店や民放テレビ局から内定を得て、希望通りの人生を歩むかと思いきや、まったく異なる道を選んだのが社会人としての出発点だ。
「きっかけは、『孫正義大いに語る!!~ネット革命・新世紀への挑戦』(PHP研究所)を読んだこと。『これからはインターネットの時代だ』というメッセージに衝撃を受けたんです。当時はまだ通信回線も発達しておらず、スマホもなければパソコンの性能もかなり低かった。インターネットが今のような状況になるとはまったく想像もできない時代だったのに、未来を自信満々に語る孫社長の言葉が私の胸に突き刺さったんです」
「絶対にこの人と仕事がしたい」。そう思った後藤は、誰もがうらやむような企業からの内定をすべて辞退し、両親の大反対を押し切ってソフトバンクに入社した。同社では営業やマーケティング、新規事業開発など、さまざまな業務を経験。中でも新規事業として立ち上げたコミュニケーション事業が成功を収め、手応えも感じていたという。
しかし、そんな環境を入社2年で飛び出し、創業期のトライベック・ストラテジーに参画した後藤。その理由は、やはり孫社長の言葉だった。
「当時のソフトバンクはすでに大企業。確かに大きな規模でしかできない仕事もありますが、私は孫社長の『インターネットは世界を変える』という言葉のとおり、デジタルでコミュニケーションを変える取り組みにチャレンジしたかった。そこで、『コミュニケーションの新しい波をつくる』というコンセプトで誕生したばかりのトライベック・ストラテジーで、社会を変革する仕事をしようと決意したんです。当社の創業メンバーは、大手広告代理店や外資系コンサルティング会社出身のメンバーなど、さまざまな分野のプロフェッショナルがそれぞれ強みを持って集まった環境にも、私自身が成長できるチャンスを感じました」
それからの後藤は、コンサルティング、マーケティング、メディア、テクノロジーなどについて、あらゆるプロフェッショナルから日々学ぶことで、コンサルタントとして力を付けていく。若くして、プロフェッショナルとして確立した後藤は、向かうところ敵なしといったところで、多くのプロジェクトを牽引した。後藤が提案すれば、ほぼ確実に顧客が期待した成果が出る、それが当たり前だった。しかし、そんな後藤にあるお客様が意外な一言を投げかける。
「『あなたの提案通り期待以上の成果が出たが、あなたとはもう一緒に仕事をしたくない』。そう言われ、雷に打たれたようでした。あの当時、私は自分が手にした専門性を発揮するのが楽しいあまりに、『私の言う通りにすれば大丈夫です』と自分のやり方を押し通すようになっていたと思います。お客様の役に立ち、世の中の役に立ちたいという志でデジタルの世界に飛び込んだのに、いつのまにか『自分が良い仕事をしたい』という欲求が前に出ていた。そのスタンスにお客様は納得できなかったんだと思います」
この出来事を機に、後藤は自分が何のために働くのかを再度考え直した。そのときに肝に銘じたキーワードこそ「ひとにやさしく」。デジタルを専門家の特権のように振りかざすのではなく、お客様に寄り添い真摯に取り組む姿勢を持つ。そしてユーザーがデジタルに感じている不便を解消することで、誰に対しても「やさしい」社会を創る。この言葉は、のちに後藤が社長として、メンバーに繰り返し語りかけてきたことでもある。
2021年には創業20周年を迎える。大きな節目が間近に迫りながらも、同社が見すえているのは100年先の未来だ。この20年、目覚ましい変化を肌で感じてきた。この先ますます変化が激しくなることは目に見えている。いわば「予測不可能な未来」を歩んでいくからこそ、5年後や10年後ではなく、100年先も必要とされる存在として、自分たち自身が進化し続けることを掲げているのだ。
「変化といえば、今まさに世の中は『働き方』が大きく変わろうとしていますよね。人が場所や時間の制約から解放され、もっと自由に働くようになったとき、最適なコミュニケーションは今の常識とは全く違うものかもしれません。私たちが本質的に目指しているのは、そうした世の中の変化を見すえ、デジタルで企業と人のコミュニケーションをより良くすること。逆にもし企業がデジタルの進化から取り残されていると、ユーザーである人にとって、いつまでも不便な状態が続いてしまいます。私たちがお客様企業のコミュニケーションの進化を支援することは、社会を良くすることに通じている。この気持ちを常に持ちながら、未来を見すえて変化できるチームでありたいですね」
後藤が目指す社会とは、デジタルが誰にとっても身近で便利なやさしい社会。自身も時代とともに成長・進化を続けているが、この志はブレることなく持ち続けているのだという。そして、これからトライベック・ストラテジーで一緒に働く仲間にも、そうした強い志を持っている人でいてほしいと願っている。それさえあれば、特別なスキルは後からついてくる。むしろ、あっという間にテクノロジーが進化していくこの業界では、一つのスキルにしがみついても意味がない。幅広いもの・人・ことに好奇心を持ち、世の中の不便に敏感である人こそ、同社で活躍・成長できる人材だという。
「私たちは“つなぐデジタル”を掲げている通り、本質的に目指しているのはあらゆるコミュニケーション活動のプロなんです。だからこそ、社内のチームワークはもちろん、お客様との協調体制を重視することが働き方の大前提。一人ひとりが持続的・長期的なお付き合いのなかでお客様を幸せにできるような存在でありたいです」
創業期のトライベック・ストラテジーは、個の力が際立つ集団という印象の会社だったそう。そこからチームの連携を重視する会社にシフトさせた立役者こそ後藤社長。「個よりもチームプレーを尊重し、お客様との長期的なお付き合いで信頼関係を作ることを大事にしたい」そうしたコメントが出るのも、何より人と人との関係性を重視されている後藤社長ならではです。
慶應義塾大学法学部卒業後、ソフトバンクに入社。幅広いクライアントの広告営業に従事。また新規事業立ち上げのマーケティング全般を担当し、新たなビジネスモデルによる収益を追求した。2002年、トライベック・ストラテジーに参画。同社のデジタルマーケティングコンサルティング事業を一手に担い、幅広い業界のデジタルマーケティング戦略、ブランド戦略、ロイヤリティ戦略プロジェクトなどに多数従事。2014年、同社代表取締役社長に就任。現在、子会社のブランドコンサルティング会社、Web制作会社の2社の社長も務め、トライベックグループのCEOでもある。マーケティング関連の執筆活動から、教育講座講師、大学での特別講演など、幅広く活動している。
インタビュー・編集/森田 大理 撮影/後藤 敦司
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