
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社メディケアー
営業部
西川 弘樹 /Hiroki Nishikawa
「リフォーム営業」を務める西川弘樹は、2012年、株式会社メディケアーに中途入社した。
西川の仕事は、自宅での介護が必要な利用者にとって住みやすい住環境を整備する「介護リフォーム」のコーディネートだ。
そのために現地調査やリフォーム工事の提案、見積り作成などの業務をおこなっている。
前職は、20歳から働いていた住宅メーカーのリフォーム営業。
26歳でメディケアーに転職したのは、拡大し続ける業界で前職の経験を活かしながら、業界トップシェアを誇るメディケアーとともに「成長したい」と感じたからだ。
それだけではなく、「生活に不可欠な介護リフォームに価値を感じました」と言う。
西川自身、介護が必要になった祖母のための介護リフォームを経験し、祖母と介助する母親の負担が減ったことを間近で見ていた。
「この仕事の1番のやりがいは感謝されること。『リフォームした手すりを見るたびに西川さんを思い出す。日々、感謝していますよ』と言われたこともあり、うれしかったです。泣いて喜んでくださる方もいました。そのお客様は、ご高齢のご夫婦ふたり暮らし。奥様がご主人から介助されていたので、夜中にお手洗いに行くのも、ご主人に気を遣っていたそうです。そこで壁に手すりを設置したところ、奥様が『一人で動けるようになった』と泣きながら喜んでくださって。『人の役に立てる良い仕事だな』と改めて思いました」
ただ、どの仕事でも大変なことは必ずある。
いくら介護のためのリフォームといえども、「隅々までこだわって建てた家」に手を加えることになると、抵抗を感じる利用者は少なくない。
その利用者の気持ちを汲み取りながら、リフォームを促さなければならない。時には、お客様に内装のこだわりを確認し、そこになるべく手を加えないリフォームをご提案するときもある。
工事内容を理解するのが難しいお客様の場合は、手書きで詳しく書いた書類を作った上で、『今日の打ち合わせはここですよ』と確認するなどして、理解しやすい提案を心がけている。
そのような工夫をしながらお客様と向き合った結果、「人生の最期まで寄り添えるリフォームを経験したことがあります」と言う。
その利用者は30代で「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」という、筋力がだんだんと低下する進行性の難病を患っていた。
最初は歩ける状態だったが、病気の進行が早く、身体の状態に合わせたリフォームが次々に必要となった。
「先走りすぎた提案は、ご本人のやる気を奪ってしまいます。そこで、状況を詳しく聞き取りながら、『今は手すりを使えば動けるので、手すりだけ取り付けましょう』などと段階を経て進めていきました。残念ながらお亡くなりになってしまったのですが、お母様が『快適に過ごせたので本人も悔いがないと思います』と感謝してくださり、『お客様の人生に少しでも役立てたのかもしれない』と自分の仕事を誇りに思いましたね」
入社から8年が経ち、介護や介護リフォーム商品などの知識量が増えたことで、さまざまなケースに対応できるようになった。
その結果、3年前からはリフォームグループの主任を任されている。
「お客様にとって介護にまつわるサービスは、継続的に続くものです。そのなかで『あの人に相談したい』と顔を思い浮かべてもらえる『頼れる存在』になっていきたいです。また、これからもグループのみんなと成長していきながら、どのメンバーが対応しても、お客様に100%満足していただけるサービスを提供したいですね。そして、介護リフォームの分野でも、メディケアーを盛り上げていけたらと思っています」
インタビュー・編集/流石香織、西野愛菜 撮影/森モーリー鷹博
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