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ストーリー代表・CEO

「自らつくり、育てると仕事は面白い」

代表_スターティアグループ

スターティアグループ

代表取締役社長 兼 最高経営責任者 
本郷 秀之 / Hideyuki Hongo

会社が潰れ、有望なビジネスが残った

私は、経営者になりたくてなったわけではありません。前職の会社が倒産してしまったため、やむなく自分で会社を立ち上げたというのが、正直なところです。振り返れば18歳のとき、ホテルの専門学校に通うために熊本から上京したものの、ホテルでベルボーイのアルバイトをするうちに「この仕事は向いてない」と断念。卒業しても就職せず、自動車免許を取るといって母親から送ってもらったお金で毎日パチンコに通うような体たらくでした。

そんな生活もさすがにお金がなくなって立ち行かなくなり、布団の訪問販売をしている会社に飛び込みました。当時としては破格の初任給に釣られて入社したのですが、営業経験もない自分には、まったく売れません。いまでいう「ブラック」に超が付くような会社でしたから、怒鳴られるのは当たり前。殴る蹴けるの愛のムチは日常茶飯事で、土日もなし。それでも食べていくためには、なんとか状況を打破しなければなりませんでした。

人に「教えて」といえない性格であった私は、成績のよかった営業マンについて行き、トークを必死で盗んで鏡の前で練習しました。驚いたことに、トップセールスは商品の話をほとんどしないのです。ともかく奥さんと仲良くなって、笑わせる。しまいには相手から「ところで何しにきたの?」と切り出され、そのタイミングを見計らって「実は」と本題に入るわけです。おかげでそれから6年半、私も営業で何度もトップになることができました。

自信がついた営業力を試してみたくなり、次に飛び込んだのは、当時自由化で活況を呈していた通信業界でした。ところが大手系列の代理店に入社し、順調に成績を上げていった矢先、経営陣の乱脈経営により、1年で倒産の憂き目に遭うことになります。職を失い、明日からやることもないというとき、当時の部下から「ビジネスそのものは有望なのだから、本郷さんに社長をやってほしい」といわれ、29歳のときに立ち上げたのが、スターティアでした。

ターニングポイントはお客様から教えられた大切なこと

創業当初の事業は、倒産した前の会社と同様、電話回線の乗り換えを勧める営業でした。当時は通信自由化で電電公社(現NTT)の独占が崩れ、格安の長距離通話料金を謳うたうキャリアが続々と登場してきた時代です。電話料金が安くなるうえ、キャリアの乗り換えにもお金がかからないので、営業すれば、誰でも簡単に契約が取れました。50万〜100万円もする布団を飛び込みで売るのと比べたら楽なものです。

けれども、経験もないまま社長になった当時の私は、至らないことだらけでした。たとえば、成績の悪い営業マンを見ると、社長である私が雑務もこなしながら契約を取っているのに、こいつは何をやっているんだと思って、それを口にしていました。いま考えると、ものすごくダメな経営者の見本です。社員には平気で「辞めてしまえ」と言い放つものだから、新規採用してはすぐに辞めていくという繰り返し。

あるお客様からお叱しかりの電話を受けたのはそんなときのことです。私がたまたま電話に出ると、相手は先日退社した社員が担当していたお客様でした。担当の退職をお伝えすると、「ちょっと待て。おれはアイツが好きで、アイツを信じて契約したのに、引き継ぎもなしに辞めさせるとはどういう会社だ。社長を出せ!」とすごい剣幕です。でもその言葉にハッとしました。そのときの私は数字ばかりを追いかけていて、社員を育てることやその社員の人生、また社員の先にいるお客様のことを、まったく考えていなかったのです。

そう思った途端に「社員はうちのことをどう思っているのか。この会社で頑張ろうという者が何人いるのか」と急に不安になりました。社員が、自分の仕事や会社が好きで、誇りを持てなければ、お客様だって振り向いてくれるはずがない。顧客満足度を高めるためには、いつもお客様と接している社員の会社への満足度を上げることが先だと気付いたのです。




会社経営はチームスポーツのようなもの

このことを契機に、会社は大きく変わっていきました。具体的に何を変えたかといえば、「社員を大切にする」という気持ちを常に持ち、言動で表すようにしました。社員とのコ ミュニケーションを増やし、「辞めるな」「一緒に頑張ってくれよな」「ありがとう」などと、思いを口にすることで、私が社員を大事にしている気持ちをダイレクトに伝えました。昔は以心伝心でわかるだろうとか、照れもあって、それができなかったのです。

さらに、長期にわたって会社を成長させていくことこそが、社員にとっても一番の幸せにつながると考え、新卒の採用にも踏み切りました。当時、通信の代理店で新卒を採用す るところはなく、幹部も「名刺の渡し方も知らない若者を入れても役に立たない」と猛反対。でも「名刺の渡し方」は、できないということではなく、ただ知らないだけのことなので、教えればいいだけです。むしろ「スターティアイズムはこうだ」という企業文化を語れる人間を育てていくことこそ重要であり、それが期待できるのは新卒だと思いました。

会社経営はチームスポーツのようなものです。ある部門が利益を出し、ある部門が赤字を出したとしても、それはお互い様。社員一人ひとりは会社というチームの一員であり、 最終的にみんなで勝たなければ経営は成り立ちません。そこにスーパースターは必要ないのです。

この考えに基づいて、当社では毎年、ボーナスとは別に「決算賞与」を渡しています。 純利益の数字は、社員全員が頑張って出した結果であり、全社員一律の金額を支給しています。ほかにもクラブ活動の奨励や運動会、社内旅行の実施など、ここ最近企業が敬遠してきたことを逆張りで実践してきました。よく企業は業績が悪くなると、翌年の新卒採用人数を減らしますが、企業文化を維持するためには、悪いときこそ採用しないと私はダメだと思っています。だから、苦しいときでも新卒採用は続けていきます。

Web上の世界には国境がない

社員に目を向けたことでお客様目線でのサービスを実践でき、会社としては着実に業績を伸ばすことができました。創業当初の電話回線の営業代理というアナログ的な業務から、現在ではOA機器の販売業務、VPN(ヴァーチャルプライベートネットワーク)やホスティングサービスなどインフラ系の構築・サポート業務、そしてWeb製作、電子ブック製作ソフトの開発、という3つのBtoB事業を中心に展開しています。なかでも電子ブックソフトはシェア業界ナンバーワン。現在開発中のARという拡張現実ソフトも大きな伸びが期待できそうです。

今後、スターティアの進むべき方向は、ずばり海外です。これまでにも中国の上海と西安、そして台湾にグループ会社を設立していますが、グローバル化の流れは業界的にもますます進むと感じています。

その理由は2つ。ひとつは少子高齢化による日本経済の衰退です。一方、ASEAN圏は経済も軒並み伸びていて、若者人口が多く将来性も豊かです。明らかにパラダイムシフトが起きているのです。

そしてもうひとつは、Webの世界には国境がないということ。LINEやAmazon は、最初から世界展開を考えて製品やサービスを開発して成功しています。今後は「日本だから」とか「アジアだから」という考え方を捨てないと、グローバルスタンダードにはなれ ません。とくにスターティアの事業はすべてインターネットに関連しているため、顧客で ある企業の海外進出に際し、そのVPNも海外展開が前提になっています。

未来のトヨタやソニーを自分たちで創る醍醐味

学生たちを前に、最近よくこんな問いを投げかけます。「皆さんはトヨタに入りたいのですか?それとも未来のトヨタを創りたいのですか?」。確かハーバード大学の講義からの引用だったかと思いますが、まさに私が学生に問いたい、核心をついた言葉です。

就活の際、多くの学生は年収や事業の成長率といった会社のスペックだけで選びがちです。けれど、前述した布団の訪問販売も初任給は高かったし、ヒット商品のひとつもあれば2〜3年は急成長できるものです。それよりも、本当に見極めなければならないのは、10年、20年先を見据えて成長のロードマップを描けているかどうか、という点です。自己改革を繰り返し、革新的な商品やサービスを生み続けたからこそ、トヨタやソニーはいま、日本を代表する企業となっています。

でも、はじまりは彼らもベンチャーだったのです。すでに他人が作り上げた大企業を選ぶのか、未来のトヨタやソニーを自分たちで創るのか。若者にはぜひ、未来の大企業を創り、育てる醍醐味と歓びを味わってほしいと願っています。

リスナーの目線

会社が上場する前から個人的にも懇意にさせていただいている本郷社長ですが、ちょっと頑固ながら、屈託がなくて人を惹きつけるお人柄は、その頃とまったく変わりません。一方で、すっかり大所帯になった社内を見渡しながら、大企業病に陥ってはならないと自らを戒める姿は、いまだにビジネスの最前線に立つリーダーであることの証だと感じました。

Profile

1966年熊本県生まれ。情報機器販売会社などを経て、1996年2月に独立。2004年、商号をスターティア株式会社に変更。2005年12月、東証マザーズ上場。企業が保有する情報の集約と利益化をサポートするITソリューションベンダーとして、電子ブック作成ソフトを中心としたWebアプリケーションと、クラウドソリューションを始めとしたITインフラを提供。現在はアジアNo.1のサービス展開を目指し、その足がかりとして、上海および西安、台湾においてもサービスの開発・展開を進めている。2018年スターティアホールディングス株式会社に変更

 
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