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ストーリー代表・CEO

通訳・翻訳を通じて 国と国、人と人との 懸け橋になる

代表_インジェスター

2021年度までに
中期ビジョン「VISION555」を実現

コンテンツの海外輸出、販売支援など
日本のいいものを世界に送り出す

株式会社インジェスター
代表取締役社長
呉 希昌 / Hichang Oh

多言語サービスを通じて、世界の多文化交流・相互理解に貢献を

ビジネスのグローバル化に訪日外国人客の急増――こうした社会の変化に伴い、ニーズが高まっているのが通訳・翻訳サービスだ。

通訳・翻訳事業を手がける株式会社インジェスターは、代表取締役社長・呉希昌(オ・ヒチャン)が「国と国、人と人との懸け橋になる」という想いで立ち上げた会社だ。

同社の通訳・翻訳サービスは、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語など約10言語に対応。現在は「VISION555」と呼ぶ、 500社以上のお客様へのサービス提供や5000人のパートナー・スタッフと共に働く環境を構築すること、さらに柱となる商品サービスを新たに提供することなど、2021年度までの中期ビジョン実現に向けて邁進している。

インジェスターがカバーする領域は幅広い。翻訳部門では、映画・ドキュメンタリー・ドラマなどの映像作品から、企業のPR・IR、教育ビデオといったツールまで、字幕翻訳・吹き替え(音声)制作・映像編集などを行っている。このノウハウを活かし、聴覚障害者や高齢者向けのクローズドキャプションも手がける。会社案内、マニュアル、契約書、企画書、Webサイトなどのテキスト翻訳にも長けている。

通訳部門においては、スポーツイベント、国際会議・展示会、商談などでの一般通訳のほか、化粧品やジュエリーなど、ブランド商品を扱う販売現場で外国語を用いて売上アップを促進する「通訳プロモーション」のサービスも提供している。

外国語を日本語にすることと、日本語を外国語にすることは、似て非なるものがあると、呉は言う。日本語を、細かいニュアンスまで正確に表現するには、やはりネイティブの人でないと難しい。インジェスターは、ネイティブの外国人を採用して、自社でオペレーション、品質管理を行っている。受注したら海外の提携先に任せきり、という企業も多い中、ワンストップで高い品質を実現できるという意味で、国内に競合らしい競合は見当たらない。インドネシアのジャカルタと中国の大連に拠点を置き、日本の事業をサポートする体制も整えている。

 

日本のコンテンツの海外輸出、訪日観光客向けの販売促進を支援

最近増えているオファーは、「日本のコンテンツを海外に発信したい」というものだ。日本のアニメやドラマ、ドキュメンタリー、バラエティ番組などを現地の言葉に翻訳し、海外に輸出するのだ。インジェスターは、日本の国民的アニメ『ドラえもん』を、カンボジアのクメール語、モンゴル語に吹き替え制作した実績を持っている。

しかも、単なる吹き替え制作だけでなく、実際に放送する現地のテレビ局の開拓まで手がける。ここまでサポートできる企業も、やはり他には見られない。

「以前は、海外コンテンツを日本語に翻訳する仕事が中心でした。4~5年前から日本のコンテンツを海外に発信するにあたっての翻訳や吹き替え制作を手がけるようになり、ここ1~2年でぐんと増えましたね。日本の文化や魅力的なコンテンツを世界に発信していけることは、この上なくうれしく、やりがいがあります」

また、「通訳プロモーション」のニーズも増えている。

日本を訪れる外国人旅行者の数は、2017年に過去最高となる2869万人を記録した。政府は、2020年には4000万人まで増やす目標を掲げている。

訪日外国人の旅行スタイルは変わりつつある。かつては、観光ガイドが団体旅行客を率いて観光地やお店をまわるスタイルが主流だった。中国人観光客による「爆買い」が話題になったのも記憶に新しい。しかし最近では、個人旅行客がスマホを片手に、自由に旅をするようになっている。

インジェスターは、言葉の壁に不自由を感じることのない旅をサポートするため、空港に拠点を置き、通訳を常駐させている。また、ジュエリーや化粧品など、ブランド商品を扱う店舗にスタッフを派遣し、外国語で商品説明をしてプロモーションを行うことで、売上に貢献している。今後もさまざまな商業施設・観光施設で通訳サポートを行うことで、外国人客にとって快適に旅を楽しめる、施設にとっては売上が上がるという、両者にとっての利益を高めたいと考えている。

そして、2020年に開催される東京オリンピックでも、同社のノウハウが活かされそうだ。

呉は、もともとJリーグチーム専属の通訳として活躍していた。その後もWBCの日本代表をサポートした経験を持つ。つまり、国際スポーツイベントにおけるVIP対応、審判団、コーチ陣、選手たちに対するケアについてのノウハウに明るいのだ。

今後、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックと、呉の強みを活かすチャンスが続く。これを機に、よりいっそうの成長を目指している。


国籍も性別も関係ない、大切なのは「人となり」を見ること

呉は、在日韓国人として東京都台東区で生まれた。家族・親戚は韓国、住んでいる社会は日本、という環境で育ち、国籍や民族の違いによる葛藤を小学生の頃から抱えていた。

「『この国はこうだ』『この国の人はこういう人だ』と決めつけることに、幼い頃からとても抵抗がありました。コミュニケーションをとってみれば、国籍、民族、性別、年齢なんてものは関係なく、人それぞれだということがよくわかります。属性にとらわれず、個々人を見ていくべきだと思っています」

大学卒業直後は、ボランティアに近い形で、韓国語を話せない在日韓国人に言葉を教えることもした。その後、日本の貿易会社に勤務。社長秘書の仕事をしながら、通訳としてのキャリアをスタートしたのはこの時期だ。元官僚の会長の元で働き、官僚たちの考え方や社会の仕組みを学ぶ機会もたくさんあった。世の中はこうして動いているのか、と実感すると共に、学歴や属性のようなコネクションがモノをいう世界を見て、「自分が進むべきはこの道じゃない」と考えた。

転機となったのは、1993年のJリーグ発足だった。自身もサッカー経験があった呉に、「サッカーを通じて日本と韓国をつなげられれば」という想いが芽生えた。

韓国はサッカーが強い国だが、当時はトップレベルの選手でも、年俸は日本の5分の1程度。そこで、エージェントと協力し、韓国の優秀な選手を日本に紹介するようになった。そんな中、「現場の通訳がいないからやってくれないか」とJリーグのとあるチームから声がかかったのだ。最初こそ勝手がわからずに苦労したものの、やがてチーム専属通訳として重宝されるようになった。

サッカーの国際大会となると、各国からVIPが訪れる。本来、VIPにはトップレベルの通訳がつくはずだが、英語以外の通訳のクオリティは低かった。「希少言語の通訳はまだまだ層が薄い」と肌で感じた呉は、通訳・翻訳会社の立ち上げを決意する。

社名の「インジェスター」は、韓国語で「人材」を意味する「インジェ」と、英語の「スター」を組み合わせた造語だ。「人材を輝かせてこそ会社の成長がある」という、呉と立ち上げに参加した仲間の想いが込められている。

企業理念にも明確に掲げているように、多様性を受け入れ、相互理解を深め、区別や不必要な線引きを行わないことが、インジェスターの原理原則。同社内では、日本人のメンバーと外国人のメンバーがフラットな立場で意見やアイデアを交わし合っている。社内コミュニケーションは、時折外国語も混じるものの、基本的には日本語だ。

「人生は一度きり。自分の人生の主人は、自分です。やりたいことを追求し、自分の頭で考えて動けるようになってほしいですね。社員が目指す目標は人それぞれです。『新規事業を企画、立案したい』『提案力、課題解決力を活かしてコンサルティング営業を行いたい』『戸田奈津子さんのような字幕翻訳家になりたい』『オリンピック決勝のグラウンドで仕事をしていたい』など。ですが、国籍問わず多くのメンバーに共通する思いは、『日本と世界の懸け橋になりたい』ということ。同じ志を持つ者同士、高め合っていってほしいと思います」

オリンピックは一つの山だが、その先にも需要はあり続けると踏んでいる。ネットの進化により、今ではコンテンツの流通に国境はない。優れたコンテンツは、世界中に届くようになっている。Google、Apple、Facebookなどの大手企業も、言語サービスを強化している。インジェスターでも、今後、AI(人工知能)技術なども取り込み、多様なニーズに対応していく方針だ。それと同時に、財務基盤の強化にも力を入れる。

「東日本大震災の発生後、経済が冷え込んで、外国人観光客もぱったり来なくなった時期がありました。インバウンドマーケットは、社会情勢や国際関係の変化に影響を受けやすいといえます。社員にはそんな不安を感じさせたくない。大きなアクシデントがあったとしても、社員の安定した生活を守れるよう、組織の地盤を固めていきます」

言葉の壁を取り払うだけにとどまらず、国を越えて理解を深め、尊重し合える真の国際化へ――インジェスターが担う役割は、ますます重要度を増していくだろう。

 

リスナーの目線

あらゆる企業が「ダイバーシティ」を謳ってはいるものの、中身は女性活用のみにとどまっていることも多い中、「本当の意味でのダイバーシティとは、こういうものだ」と感銘を受けました。呉社長は、投げかけられた問いを正面から受け止め、咀嚼しながら、自分の言葉を穏やかに紡いでいく方。ご自身の経験に根差した哲学は揺らぐことなく、この会社ならば「自分らしく」成長できそうだと感じました。

インタビュー・編集/青木典子、天田有美 撮影/田中振一

Profile

1965年1月東京生まれ。1987年大学卒業後、貿易商社、語学教育関連会社勤務を経て、Jリーグ・横浜Fマリノスにてプロの通訳として活躍。2002年2月、株式会社インジェスター設立。現在に至る。

趣味は、ランニング、登山など。

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