
真面目におもしろいことをしよう!企業のビジネスが輝くような“世界観(ストーリー)”を世に展開し、顧客とのコミュニケーションを力強く後押しする
資金調達からコロナショックまで
怒涛の半年間を緊急取材
日本人が持つ禅の精神で
アフターコロナの新世界を担え!
株式会社ZENKIGEN
代表取締役 CEO
野澤 比日樹/Hibiki Nozawa
皆さんは『HARUTAKA(ハルタカ)』というサービスをご存知でしょうか。株式会社 ZENKIGENが提供しているWEB面接/動画面接プラットフォームを表したサービス名なのですが、社名も含めて、ちょっと変わってますよね。
2年前のサービス開始以来、認知にかなり苦労していたそうですが、このコロナショックで、対面の採用面接が出来なくなった企業から問合せが殺到。対前年同月比800%以上という状況は天国か、地獄か・・・野澤代表に垣畑初の「オンラインLISTEN」をさせて頂きました。
垣畑さんとお会いしたのは確か2月中旬ですか…今となっては遠い昔のような気持ちになりますね。まさかここまで事態が深刻化するとは、夢にも思いませんでした。
今(取材は2020年4月2日)の状況からお話しすると、1年前の同月と比べて受注は800%を超えて、リソースは逼迫した状況になっています。
急増するお問合せに何とかお応えしようと社員一丸となって頑張っていたんですが、つい先日、アクセスが昨年末の20倍近くなり、サービス開始から2年経って初めての障害に見舞われてしまいました。
復旧には2時間かかり、その間に面接を予定していた企業様には大変なご迷惑をお掛けしました。原因を解明し、改善策を講じるまで受注もストップさせていますが、あと2週間程度で格段にバージョンアップします。
お問い合わせが目に見えて増えたのは2月中旬、ちょうどイタリア の感染拡大が爆発し始めたくらいからです。これまでは、コンタクトしたくても縁遠かった大手企業からもお問い合わせが入るようになって…。でも、その頃はあくまでオンライン面接の導入は決定していても、業者はあいみつで決めるというお話がほとんどでした。
それが3月以降ともなると、「HARUTAKAの導入を決めたので、すぐに使えるようにしてほしい」と、かなり焦ってご連絡を頂くケースが急増しました。ちなみに、HARUTAKAはライブ面接なら、最短3日で準備が可能です。
さらに3月25日に小池都知事が会見を行った直後からは、様子見だった企業も一気に第二波となって押し寄せてきた感があります。
元々競合は、2004年にアメリカで開発され、2年前に日本に入ってきた「HireVue」くらいだったのですが、そこは日本支店のない販売代理店方式を採っています。また最近では、株式会社スタジアム様の提供する「インタビューメーカー」など、数社が参入しています。
それから、「ZoomやSkypeと何が違うの?」といった質問もしばしばお受けするのですが、これはオンライン商談システム「ベルフェイス」様が営業マンにとって使い易い機能が搭載されているのと同様に、HARUTAKAは採用担当者の生産性を高める機能が満載なんです。
人事担当者の間では、採用に関する業務を一元化することで採用を効率的に進めることのできるシステムATS(Applicant Tracking System)が広く使われています。
HARUTAKAはそれらと連携することで、普段使っているアプリケーションで面接のライブ録画が見れたり、そこで合否判定ができたりします。月額10~15万円で、多忙をきわめる採用担当者様の生産性があがるなら投資効果は高いというわけです。
オンライン説明会やオンライン面接の普及で、感染の心配や、移動の時間的・金銭的コストが解消された点は歓迎される反面、「家にWi-Fi環境がなくて、結局学校に行っている」というように、通信環境がネックになっている人も少なくありません。
また、この時世にも関わらず、対面での面接しか受け付けないと来社を迫る企業もあり、感染リスクを伴う公共交通機関の移動を躊躇してしまう学生もいるそうです。
そもそも、企業も就活生も、圧倒的な情報不足に陥っているのは間違いありません。突然、今までのやり方と全然違う採用方法を強いられ、リクナビもマイナビもイベントは中止。選考は中止なのか、延期なのかもわからないという戸惑いが蔓延しています。
オンラインを使った説明会や面接など、新たな取り組みを始める企業の情報が一元化されていないんですよね。
その解決の一助ということで、2月上旬に、新卒オファー型就活サイト「オファーボックス」を運営する株式会社<i-plug様からのお声掛けで、ウェビナーサービス「コクリポウェビナー」を運営する株式会社コクリポ様と3社で『Webシューカツ推進委員会』を立ち上げ、既に700以上からご賛同を頂いています。
※LISTENでも【 新卒/21卒 】オンライン/ウェブ会社説明会・Web説明会の情報|企業まとめ【 2020年/2021年 】を掲載中です。
創業以来、私は「必ず時代が追い付いてくる。それまでにこの市場で確固たる地位を築いておこう」とメンバーに発破をかけ続けてきたのですが、今となっては、それが2年くらい前倒しになった感じです。
それまでは、とにかくオンライン面接への認知がまったく進まなかった。その苦労が一気に吹き飛んで、向こうからお問い合わせが来るようになった。「なんだ、面接もオンラインで何ら問題ないのか」と意識が変わったのが大きいです。
でも、あまりにもいきなり売れ出したことで、先ほどもお話ししたシステムトラブルを始め、様々な問題も噴出しています。
これがさらに半年前だったら、人員もシステムも間違いなくパンクしていました。虫の知らせではないですが、ちょうどエンジニアや営業、特にカスタマーサクセス部門を増強していたことで、まだ持ちこたえていられるのだと思います。
しかし、本当に雪崩を打ったように押し寄せる受注の波で現在は崩壊寸前、社員がもうパツパツな状況です。資金調達が完了していたのは、本当に運が良いとしか、言いようがありません。
プレスリリースの通りですが、WiL, LLC.をリードインベスターとして、株式会社デライト・ベンチャーズ、PKSHA SPARXアルゴリズム1号投資事業有限責任組合等を引受先とした第三者割当増資により8億円の資金調達が3月に完了しました。これで、シードラウンドと合わせると総額10億円の調達となります。
昨年8月から動きはじめたのですが、やはり紆余曲折がありました。当初は5億円くらいのつもりが、年末に向かうにつれ、VCの出し渋りを肌で感じたんです。アメリカの投資環境を聞いてもどうも芳しくありませんでした。
これは…と思い、目標額を8億円に上げて交渉に臨み、何とか12月末に契約は済ませることができて、無事年を越せた形です。
社員にはすべての情報をオープンにしているので、キャッシュがどんどん減っていくのも全員が知っていました。
でも、危機感を共有していたことで、みんなが自発的に前受け金を増やしたり、売り上げを伸ばしたり、それぞれに踏ん張ってくれて、結局は危機的状況までには陥らずに済んだんです。
ある先輩経営者も仰っていましたが、「経営危機の際、ネガティブな情報を社員に小出しすると猜疑心が生まれ、始めからフルオープンにすると団結が生まれる」そうです。
私は元々オープンな性格なのでフルオープンにしたまでですが、みんなもヒリヒリしながら、一枚岩になれたのだと思います。
これまでの日本は、働き方改革にしろ、リモートワークにしろ、上層部のオジさん達がネックとなって、すべて絵にかいた餅に終始していました。
そこへ今回のコロナショックが強制力となって、ブームがトレンドになり、オンライン説明会やオンライン面接が当たり前になった。この「意識のアップデート」は、日本にもようやく大きな変革をもたらすと思っています。
“全機現”とは、「人の持つ能力の全てを発揮する」という意味の禅の言葉です。私たちはテクノロジーを活用したプロダクトやサービスを通じて、多くの人が“全機現”する新世界に貢献していきたいですね。
あとはですね、コロナもヤバいけど、地球環境問題はもっとヤバい。人類はこのまま10年間環境破壊を続けると後戻り出来ないティッピングポイントを越すと言われています。(ホットハウス・アース理論)そうなれば人類は滅亡するんだと、私は声を大にして言ってきたんです。しかし、皆さんご存知のように、米国も中国も経済は止められないと主張するばかりだったわけです。
それが…です、今回のコロナが経済を止めたんです。これって、世界が一つになれた瞬間だと思うんですよね。
先日は、英国のブレア元首相が世界の主要国の指導者に対し、一時的に「世界政府」を設立するよう呼び掛けました。経済や効率ばかりを追求してきた世界が、いよいよ一つになる方向に向かっているのかも知れません。
私たちZENKIGENでは、これからAIが感情を理解する世界でも最先端のプロダクトに挑戦しています。AIといえば、欧米人は効率化・合理化への活用しか考えないものですが、私たちは面接というコミュニケションの場を最良にしたいのです。
新たなプロダクトは『ZIGAN』、人を慈しみの眼で見る「慈眼」という禅の思想を込めた名称です。和をもって尊しと為す、そんな日本人だからこそ作れるAIが世界に求められている。任天堂さんのように、世界に通用するAIをつくって、人類の未来にも貢献できたら本望です。
1998年株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)に新卒入社。
1999年創業期の社員数10人未満のサイバーエージェントに入社。大阪支社立ち上げ、社長室、事業責任者としてマザーズ上場を含む会社の急成長に貢献。
個人最高賞の社長賞、組織最高賞のCAJJ賞受賞。事業責任者として当時最短での営業利益1億円を突破。
2011年ソフトバンクアカデミアに外部1期生として参加する中で孫正義会長から声がかかりソフトバンクグループの社長室に入社。
電力事業であるSB Power株式会社の設立、事業立ち上げに営業責任者として電力小売事業を立ち上げる。
電力完全自由化となり個人向けの日本初の森林寄付型の「自然でんき」を発案から販売まで事業責任者として従事。
2017年10月当社創業現在に至る。
インタビュー・編集:垣畑 光哉
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フリーランスを活用する企業のリアルな声を、事業開発に活かす新しい営業職
2年間で4つの新規事業を担当。「ゼロから創る」へのチャレンジを続ける
自らの成功法則を惜しみなく伝え 結果の出せる営業部隊を創造する
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