
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社マケレボ
第4営業部 ディレクター
佐田尾 文登 / Fumito Sadao
「『最近、どう?』が口グセになっていますね」
マケレボでマネージャーを務めている佐田尾文登。メンバーのマネジメントにおいて常に心がけているのは、「個人の考えを尊重すること」だという。
しかし、メンバー一人ひとりの考えを尊重しようにも、まずは話してもらわなければ始まらない。だから、メンバーが話しやすいように、自分からこまめに声をかける。
「『最近、どう?』と、あえてふわっとした聞き方をしているんです。そうすると、その人が今もっとも気にかかっている話題がぽろっと出てきやすいから。それは仕事上の悩みであったり、プライベートで起きている問題であったり。その人が抱えている課題に一緒に向き合うことがスタートだと思っています」
メンバーからは、仕事への不満やグチが出てくることもある。そんなとき、「そんなこと言うな。我慢しろ」と押さえつけることはしない。かといって、「こうしなさい」と指示することもしない。「君はどうしたいのか?」と聞くようにしているという。
佐田尾自身の中に解決策が浮かんでいたとしても、まずは相手の考えを理解することを意識している。
「メンバーの考えが明らかに間違っていたら修正しますが、実際には間違っていることってあまりない。でも、自信がなくて行動に移せていないことも多いので、そのときは一歩を踏み出せるように背中を押します。具体策がなくて動けていないのであれば、自分の実体験をもとにヒントを提供します。仕事に関しては、メンバーが悩むことはほとんど僕自身も経験してきたことですから」
佐田尾は、部下であるメンバーの存在をこんなふうに捉えている。
「自分1人では何もできない。自分の代わりにメンバーにやっていただいている」
このマインドは前々職で身に付いたものだ。佐田尾は大学卒業後、アルバイトしていた焼き鳥店にそのまま就職。常時10名~15名いるスタッフを店長として束ねていた。20代前半にして40代~60代の職人もマネジメントする立場。その頃、社長から叩きこまれたのが、この思想だった。
「『やれ』ではなく『自分ができないことをやってくれてありがとう』という感謝の気持ちを持つ。そうすれば信頼が生まれ、組織としての目標に早く辿り着けるようになる、と。それを社長から学び、実践することでその大切さを実感しました」
28歳の頃、佐田尾は新たな経験を求めて携帯電話ショップに転職。入社半年後には、責任者として100名のスタッフを3名でマネジメントするポジションに就いたが、このスタンスを守り続けた。もちろん今も変わらない。
メンバーを尊重すれば、メンバーは自身で考えて行動しやすくなり、結果、早く成長を遂げる。
佐田尾の部下たちには、アルバイトから正社員に登用されたメンバー、コールセンターのマネジメント職であるスーパーバイザーに昇格を果たしたメンバーが大勢いる。
そして、メンバーのマネジメント以外にも、マネージャーの役割がある。クライアント企業に対する実績報告や提案だ。佐田尾はクライアントとの信頼関係構築にも力を入れる。
「クライアントの信頼を得ることで、新たな受注につながり、業務を拡大できる。そうして組織を成長させれば、新たなポストができ、頑張って成果を挙げているメンバーを昇格させられるんです。実際、昨年、そうした形でメンバーを昇格させることができた。すごくうれしかったですね。だからもっと組織を拡大させ、メンバーのキャリアアップを後押ししていきたいと思います。そして、メンバーの成長を支援すると同時に、僕自身も新たな目標を追いかけてチャレンジを続けていきます」
インタビュー・編集:青木典子/撮影:石本文子
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