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ストーリー代表・CEO

主役は社長ではなく社員。 常に新規事業の可能性を 追い求める

代表_株式会社ハロネット

「Webでヒトと企業をつなげる」

幅広い事業展開で、
9年連続増収増益。
さらなる拡大を目指す

株式会社ハロネット
代表取締役
住田悦郎/Etsuro Sumita

途上国を旅して決意した、「選択して生きる」

「Webでヒトと企業をつなげる」を理念に掲げ、Webコンサルティング、Webマーケティング、ホームページ制作、システム企画、アプリ開発など、幅広く手がける株式会社ハロネット。代表取締役の住田悦郎は、「常に新しい挑戦を続ける企業」と自負する。

新たな可能性を模索しては、「いける」と判断した事業に一気に資金と人材を投入することで成長してきた。現在は約4000社のクライアントを抱え、全国に4拠点を展開。毎年のように新しい事業部とサービスを生み出し、9年連続増収増益を果たしている。

今ではグループ全体で300人規模の組織を率いる住田だが、子どもの頃は目立たない存在で、「何にも夢中にならない子だった」という。幼少期も学生時代も、どう過ごしていたか記憶がない。何にもハマらないし得意なこともない、かといって不器用というわけでもない。通知表で言うと「オール3」の子どもだった。集合写真でもあまり目立つポジションにはいなかった。

将来の目標が特にないまま何となく大学の建築学科に進み、「家から近い」という理由だけで建設会社に入社した。

そんな住田に転機が訪れたのは、入社して1年半が経った頃にフィリピンを訪れたとき。現在でこそ経済成長著しいフィリピンだが、当時は国全体が貧しく、大勢のストリートチルドレンたちが「将来を選択しようにも選択できない世界」で生きていた。住田はその光景にカルチャーショックを受け、帰国後、会社を辞める決断を下す

「自分は選択して生きてないな、と思ったんです。せっかく将来を選択できる日本にいるのに、無難に生きている自分が嫌になった。そこで、どうせだったら、自分のやりたいことを全部やろう、と」

会社を辞めた後は、山にこもってスノーボードに明け暮れ、雪が解けるとタイを旅行した。思う存分遊び、貯金が底をついた1年後、再就職活動を開始。「結果主義の会社」で働きたいと考え、大手通信会社に入社した。営業未経験からのスタートだったが、結果を出すことにこだわり、猛勉強を開始。「本を読まなかった日はない」というほどビジネス書を読みあさり、セールスノウハウやマーケティングの知識を付け、それらを実践した。トップセールスの階段を駆け上り、1年半後には営業マネジャーへ昇格、さらに1年半後には200人の部下を抱える営業部長の地位に就いた。

「子どもの頃には何にもハマらず、評価もされなかった僕が、唯一『仕事』にハマった。仕事に打ち込み、高評価も得て、これまでの人生の中で初めて自分が主役になった時期でした。集合写真を撮るときも、堂々と真ん中にいました」

営業部長を務めていた29歳のとき、住田は新規事業企画部門への異動を命じられ、名古屋から東京へ転勤。パートナー開拓や交渉といった場面で勢いのあるベンチャー企業と出会った。多くの刺激を受けて起業へ、2009年、ハロネットを設立する。

 

主役は社長ではなく社員

ハロネットは当初、「若手を優秀な営業パーソンに育て、企業に紹介する」という人材紹介業からスタートした。しかし、リーマンショックの煽りをうけて雇用状況が悪化。そこで、ホームページ作成を中心とするWebサービス事業にシフトした。ここで、住田が大手通信会社で培った営業力が活きることとなる。

「僕の営業スタイルとして、『まずは相手を喜ばせること・楽しませること』に重きを置いていました。前職でも、企業を訪問した際、最初から会社案内や商品カタログは見せなかった。どのようなキャラが気に入られるか、どのような話をしたら『楽しい』『居心地が良い』と思ってもらえるか、初めの5分で相手の心を惹きつける手法、話し方、動作を身に付け、最優先で心地よい時間を作り上げることに徹した。相手の信頼感を得た上で、『ちょっとだけつまんない話をしますね』とコピー機の案内をすると、しっかりと聞いてくれて、スムーズに成約につながりました」

また、独自のマーケティング手法もあみ出した。さまざまな企業を、業種・業歴・地域などさまざまな観点から分析。受注に至る可能性が高い企業に独自の営業手法でピンポイントに営業をかけ、業績を挙げてきた。

これらの手法を応用し、未経験のIT分野でも着々と顧客を獲得。こうした住田の営業スタイルや顧客分析ノウハウは、現在の営業メンバーにも受け継がれている。

また、人材確保に惜しみなく資金を投じたことで、優秀なエンジニアも多数集まった。優秀な人材がそのスキルを活かせる道を開拓してきた結果、事業の多角化が進み、現在に至る。

前職時代には苦い経験もした。そこで得た教訓も、現在の経営に反映させている。

当時、営業部長を務めていた住田は、すべての戦略を自らが決め、それをチームに実行させるという典型的な「トップダウン型」のマネジメントを行っていた。そのやり方で高い業績を挙げていたが、東京への異動辞令を受けて自分がそのチームを去ったとたん、業績が落ち込んだという。

「僕は、後継者となる『No.2』の人材をつくれていなかったんです。自分が主役になり、自分を中心に世界が回っていると勘違いしていた。でも、それでは人は育たないことに気付きました。だから、今の会社ではメンバーに裁量権を持たせ、自分たちで考え、自分たちで遂行できるような風土を築いています」

「会社の主役は社長ではなく、社員」。住田は再び、集合写真の目立たない場所に写るようになった。


「自分たちで会社をつくっていく楽しさ」を味わってほしい

社員に「自分が主役だ」という自覚を持ってもらうために、ハロネットでは数々の取り組みを実施している。一つは評価の仕組みだ。結果を評価されるのは、売上を挙げた営業職だけではない。エンジニアや管理部門スタッフなど、成果が明確な数字では見えにくい職種も、独自の工夫や努力によって組織に貢献した成果に注目し、評価する。

また、事業やプロジェクトは基本的に「やりたい」と手を挙げたメンバーに任せる。過去には新卒入社3ヵ月目の社員の「このビジネスに挑戦したい」という声を受け、その事業を行う子会社の社長に抜擢したこともあった。

本人の価値観や志向に応じ、キャリアチェンジの道もある。「人事がやりたい」と申請し、人事部門に転向したエンジニアもいれば、成績がかんばしくなかった営業メンバーが別の商材の営業に移って活躍しているケースもある。

「会社って、社長が中心である必要はまったくないんです。逆に、社員が中心であるべきなんです。今のオフィスを決めたのも社員ですよ。働くのは社員自身ですから、自分たちで働きやすい環境を選んでもらった方がいいですから。僕はあくまで組織の一員。社員が主役として活躍するためのサポート役だと考えています」

また、大手企業と違い、ベンチャーではルールや仕組みが整っていない部分も多い。人事制度や評価制度も自分たちで作ることができ、新規事業を立ち上げるときのスピード感も味わうことができる。完成されていない状態の組織を自分たちで形づくっていけることに魅力を感じ、入社してくる者も多いという。

また、ハロネットではインターンの受け入れにも積極的だ。「若い人は意識的に幅広い人と接点を持ち、コミュニティを広げるべき」と住田はアドバイスを送る。

「人って、それまでとは違うコミュニティに入ることで、ものすごく成長するんです。僕自身、東京に来たことで自分が属するコミュニティが変わり、多くの経営者に会ったことで自分自身が変わった。『夢がない』『目標がない』『やりたいことがない』っていうのは、単純にコミュニティが狭くて、小さな世界でしか生きていない場合が多いんです。だからコミュニティを広げることで視野を広げるといいと思います。ハロネットには、さまざまな年齢層、価値観の人が働いています。インターンという形で、これまで会ったことのないタイプの人とコミュニケーションをとる機会として活用してもらえればうれしいですね」

「興味があるのは成長と拡大。日本のGDPに影響を与えるほどの企業になること」と話す住田は、まだまだ現状に満足していない。目標とするロールモデルを「ソフトバンクの孫正義氏」とし、将来的にソフトバンクと同等規模への拡大を目指すと宣言。AIやWeb広告など、現在も新規分野への進出を画策中だ。

「創業1年から5年目までは手探りで進んできましたが、5年目から10年目にかけては一気に加速して、速いスピードで成長してきました。ここから先はさらに加速し、急成長していくだろうと感じています。一緒に歩んでいく社員たちが『ハロネットで働くことで自信が持てる。次のステップに行ける』と実感できる会社にしていきます」

 

リスナーの目線

果敢なチャレンジで急成長を遂げてきた企業のイメージとは裏腹に、物静かで穏やかな雰囲気をたたえる住田社長。大きな目標を掲げながらも、前だけを見ながら先頭を走るのではなく、一歩下がって全体を見渡し、組織状態を正確につかむことで社員の力を引き出せているのでしょう。「社員旅行の行き先や現地での過ごし方は社員が決める」というエピソードからも、社員を主役として尊重する姿勢が伺えます。
インタビュー・編集/青木典子、宮本理司 撮影/後藤敦司

Profile

1977年、愛知県生まれ。愛知工業大学卒業後、建設会社に就職。2001年に株式会社光通信に転職し、トップセールス、マネジャー、新規事業企画などとして活躍。2009年株式会社ハロネットを設立。趣味は映画、旅行、読書など。

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