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ストーリー代表・CEO

障害者の仕事・教育に おける課題を解決し、 「誰もが挑戦できる」 社会を創造する

代表_D&I

就職・転職総合サイト
『BABナビ』を軸に
年間5000人をサポート

企業が戦略的に雇用できる障害者人材の育成を図る。
将来的な自立を支援するシェアハウス事業も展開へ

株式会社D&I
代表取締役社長
杉本 大祐 / Daisuke Sugimoto

「義務」ではなく「戦力」としての障害者雇用を支援

障害者雇用促進法により、従業員数45.5名以上の企業には2.2%に当たる障害者雇用が義務付けられている。しかし、企業側には「どんな仕事を任せればよいのか」「きちんと仕事をこなせるのか」「定着するのか」といった不安がつきまとう。

そんな課題を解決するサービスを提供しているのが株式会社D&I。企業と障害者の雇用マッチングを行う公的機関や企業は多いが、あっせんだけで終わるケースも多い。D&Iの特徴は「長期視点から見た活躍」にこだわっているところにある。

「障害のある方々が10年後、20年後の未来を見すえて、ワクワクしながら働き続けてもらうことが私たちの一番の願い。障害者のポテンシャルを引き出す環境、仕組みづくりを通じて、彼らが『どうすれば一番活躍できるのか』を考え、追求しています」

こう語るのは、株式会社D&I、代表取締役の杉本大祐。2009年の創業以来、一貫して障害者雇用促進事業に取り組んでいる。人材コンサルティングサービスの他、障害者向けの就職・転職総合サイト『BABナビ』、ビジネススクール『BABスクール』、就労移行支援事業所『ワークイズ』を運営。そのサポート実績は年間約5000人に上る。

主力サービス『BABナビ』の掲載求人数は2000件以上と業界No.1を誇り、求人への自由応募に加え、専任スタッフによる就職・転職サポートが好評。通院の都合や勤務時間、障害の特性が考慮された仕事を相談しながら選ぶことができる。在宅雇用も推進し、今後は「100万人の雇用を生み出すシステム」を目標に、さらに発展させていく。

2017年には、定期面談などを通じて就業の定着をサポートする『ワクサポ』事業をスタート。障害者と企業の間に立ち、双方にとってより良い環境づくりを目指す。

D&Iでは、障害者がその企業で「どんな戦力になれるか」を考えて提案する。

ある大手流通企業では、9名の採用からスタートした。当初はバックヤード業務がメインだったが、「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」「少々お待ちくださいませ」の3つを言うことができれば、接客業務などの店舗採用が可能ではないかと杉本は提案。特に「少々お待ちください」が言えれば、他のスタッフにつなぐことができる。この提案は見事に成功し、彼らの働きぶりに感嘆した店側からほどなくして増員の依頼があり、今では500名が就業している。レジ打ちや商品の受発注など仕事の幅を広げたスタッフも多い。

大手飲食チェーンでは、開店前の準備スタッフとして250名を採用。都心部などパートが集まりにくい地域のため、企業からは「助かっている」とよろこびの声が届いた。

また、オフィスサポートとして5名を採用した金融系企業は、当初「できる仕事がないのではないか」と懸念していた。しかし、仕事ぶりを見ているうちに、「あれもこれも任せたい」と次々に仕事が増え、現在は20名体制を敷いている。

「これまで、障害者の仕事は限定されていました。しかし、産業構造も変化している中、あらゆる仕事の選択肢があっていい。彼らができることは、もっとたくさんある。私はそれを実感してきました。労働人口の減少が問題となっている今、障害者の雇用を『義務の遂行』にとどめず、いかに『戦略』として活かすか。それを考えながら『一戦力として障害者を積極的に雇いたい』と企業側から言われる社会を創りたいと思います」

 

障害があっても、将来の選択肢を広げられるように

障害者の就労の選択肢を広げるためには、障害者自身やその親が抱いている「できない」という意識を変え、能力を高めることで自信を持てるようにすることも大切だ。D&Iは、勉強や発達に遅れのある子どもに向けた教育事業にも注力している。

社会性を学ぶソーシャルスキルトレーニングや個別学習指導を行う『情熱!テラコヤ塾』では、基礎学力と社会性の向上を目的に、個々の認知特性に合わせた個別・少人数の指導を行う。生きる力を育むことを目的とした自然合宿や農業、プログラミングなどの体験企画も実施している。

放課後デイサービス『テラコヤキッズ』は、発達の遅れやコミュニケーションに不安を抱える子どもたちが、放課後や休日に通える療育の場だ。個別の支援計画を作成し、日常生活動作の指導、集団生活への適応訓練などを行う。自立するために必要な力を遊びながら学び、子どもたちの将来の可能性を広げることを目指している。提携企業内で飲食業やオフィスワークを体験できるプログラム『テラジョブ』の他、特例子会社(障害者の雇用促進、安定を図ることを目的とした企業)での企業見学会や障害年金、ソーシャルスキルに関するセミナーなどを開催し、保護者の理解を促す活動も行っている。

「保護者の多くは、お子様が幼いうちから『就職は無理』とあきらめてしまう傾向にある。教育も特別支援学校から施設か就職かという進路がほとんど。だからこそ、幅広いことに挑戦して、得手・不得手を理解することが大切。自分で就職や生き方を選択することで責任感が生まれ、頑張る力が湧いてくる。お子様と離れられない保護者の方もおられますが、将来の姿をイメージしてもらうことで自立の必要性を考えていただくようにしています」



善意に隠された“偏見”に疑問を抱き、独立起業

福井県の海沿いにある田舎町に生まれた杉本は、幼少期から中学生まで同じ仲間と育ってきた。中には、障害があったかもしれないと思う子どももいたが、当たり前のように一緒に過ごしてきたため、特別視することはなかった。小さなコミュニティだったからこそ、誰に対しても分け隔てなく、正直に接する姿勢が身に付いた。気心知れた友人と育ってきたことで、今の飾らない人柄が形成されたようだ。

高校まで福井で過ごし、大学進学を機に上京。大学時代はアルバイトに明け暮れた。やりたいことが見つからないまま卒業が迫り、当時大量募集していた企業に就職を決めた。ハードな営業活動が有名だった出版社で2年間、教材販売に従事。退職後、1年間フリーター生活を送った。

地方の商店でアルバイト中、店の非効率な採用活動に疑問を感じたことがきっかけで、人材業界に興味が湧いた。そして、人材派遣業の株式会社グッドウィル・キャリアに入社。その後、当時の代表が新たに設立した株式会社ジェイブレインに移った。

そこで任されたのが、新規事業の障害者雇用支援サービスだった。杉本は早速、営業活動を開始したが、思わぬ壁にぶち当たった。企業、行政機関、福祉施設、どこへ行っても「障害者をビジネスにするのか」と非難され、取り合ってもらえない。

「こんな時代錯誤の市場があるのか、と驚きました。まさに“腫物に触る”感じ。誰にとっても働くことは当たり前なのに、何かと理由をつけて行動に移さない。『障害者にできるわけがない』と決めつけることこそ、偏見ではないか。ある種の気持ち悪さを覚え、憤りを感じました。それ故に、一生かけてでも自分がやらねばならない、と思ったのです」

粘り強く営業を続け、1人で始めた事業は、気付けば10人の組織になっていた。そして障害者自立支援法の施行を機に、障害者雇用の潮流が変わると、杉本たちのサービスが少しずつ受け入れられるようになってきた。すぐの雇用には結びつかなかったが、「サービスをきちんと体系化すれば、雇用はもっと進むはず」。そんな希望を見出すことができた。

ところが、3年後、リーマンショックが発生し、人材サービスを本業とする会社本体が影響を受け、縮小を余儀なくされた。

「この事業は上手くいかないことだらけ。だからこそ、面白みとやりがいを感じていました。世の中がまだ追い付いていない分野に市場を創ることができれば、もっと障害者雇用が活性化する。この事業を続けたい。そう考え、D&Iの設立に踏み切りました」

障害者雇用促進事業と教育事業を成長させながら、杉本が次に目指すのは、障害者の真の「自立」だ。これまで「就職」を出口として経済面での自立を一つのゴールととらえていた。しかし、障害者も親が先立った後は、独りで生きていかなければならない。

そこで現在、実現に向け計画を進めているのが、障害者対象のシェアハウス事業だ。経済、精神、生活面のバランスを整えるための支援を目的とし、独り暮らしのためのトレーニングの場としてサービスを提供していく予定だ。

杉本はいつも、社員には「普通って何?」と問いかける。自分自身が持っている『普通』という概念が、時には自分の成長を阻むことがあるからだ。既成概念や偏見、思い込みを一度捨て去ることで、豊かな発想が生まれ、新しいことに挑戦できると考えている。D&Iは、経験や社歴に関係なく、意欲のあるメンバーにはどんどん仕事を任せる風土だ。

「創業時に決めた企業理念、『BEYOND ALL BORDERS』には“壁を乗り越える”という意味を込めています。私は『障害者』という一括りにされた言葉が好きではありません。障害者である前に僕らは同じ人。同じ人なのに障害や病気という壁があるなら、それを越えられる社会をつくりたい。『挑戦したい』と思う人には、その壁を越えていけるよう『人と人』として向き合いながら、全力でサポートしていきます。また、働き方改革の一環で推奨されているテレワークは、障害者の在宅雇用と親和性が高く、今後の需要と拡大が見込めます。まだまだ可能性を秘めたこの業界で、『壁を乗り越え、誰もが挑戦できる社会』を目指し、これからもたくさんの挑戦をしていきます」


 

リスナーの目線

はにかんだ笑顔と穏やかな語り口で、人をホッとさせる雰囲気を持つ杉本社長。誰に対しても「腹を割って話をするほうが心地良い」と仰います。デリケートな事業分野だからこそ、杉本社長の正直で率直な姿勢が多くの企業や保護者の方、社員の皆さんから信頼を集めるのでしょう。一方でビジネスパーティーなど、多くの人と交流する場は苦手なのだとか。遠慮なく意見を交わせる社員の皆さんと過ごす時間を一番大切にしているそうです。

インタビュー・編集/青木典子、高橋奈巳 撮影/平山諭

Profile

1974年生まれ。福井県出身。大学卒業後、人材サービス会社で人材派遣、人材紹介、他アウトソーシング事業を経験。2005年より株式会社ジェイブレインで障害者雇用支援事業を立ち上げ、2009年に株式会社D&Iを創業。障害者が「当たり前に挑戦できる社会」を創出するため、障害者の雇用支援、教育事業を展開中。

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