
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社秋葉牧場
取締役 施設管理部 部長
橋本 大助 / Daisuke Hashimoto
牧場内での営業や八千代市にある本社での勤務などを経て、現在は2021年秋に新設された施設管理部で仕事をしています。会社の組織図が大きく変わり、これまでほかの部署の社員が兼務していた仕事を体系化、統括した部署として施設管理部が誕生しました。業務は建物や浄化槽の管理から牧場内の樹木の剪定までと、ハード面で幅広く施設を管理しています。
2022年で成田ゆめ牧場が誕生して35年になります。時間の経過とともに施設が傷んだり、メンテナンスも必要になってくるので、そこを計画的に行うのが施設管理部の役割です。今までの仕事の延長線上でありながら、ある意味チャレンジングな部署だとも受け止めています。
入社当時に感じた「成田ゆめ牧場特有のベクトルや文化」を大切にしていきたいという想いがあります。時代の流れによって変化することや新しいものを取り入れることも、もちろん必要だと思いますが、成田ゆめ牧場の初期を知っている数少ない人間として、後世に継承する役目を少しでも果たしたいと考えています。
また、お客様には「田舎の牧歌的な牧場」というイメージを持って楽しんでいただきたいです。お客様の期待に応えるためにも、私たちはしっかりと環境を整えていく必要があります。接客や商品、サービスなどを通して、牧場で働く我々の頑張りが伝わってくれたらうれしいですね。
実は酪農を軸にした6次産業が成り立っているところは、業界内ではとても少ないんです。弊社もまだまだではありますが、早い時期から6次産業に舵を切り、こうして今に至っていることには自信を持っています。これからも酪農が主体の観光農園として成長していきたいです。
成田ゆめ牧場と出合ったのは、牧場が10周年を迎えて観光施設として発展し始めていた時期でした。ふと目に入った秋葉牧場の求人が忘れられず、プライベートで牧場を訪れた時は宝物を見つけたような気持ちになりました。
それまでは、田舎で仕事をする発想がまるでなかったので、「これはいいものを見つけた」と新しい価値観に触れたことがとても新鮮でした。
面接の際に会社の今後のビジョンについて聞き、「ここで働きたい」と心底感じました。ちょうどその頃、秋葉牧場が急成長するタイミングでしたので、会社の成長を実感しながら仕事ができたのは本当に幸運で楽しかったです。
以前勤めていた会社では自分の仕事が会社にどのように影響を与えているのか、正直あまり分かりませんでした。しかし秋葉牧場では、自分の仕事がダイレクトに会社の成果とつながる手応えがあり、仕事の面白さが初めて分かった気がします。
成田ゆめ牧場には、隠し味的な要素がたくさんあります。訪れるお客様が実体験を通して何かを感じてくれたり、家族間のコミュニケーションの機会になるといいですね。
牧場では子牛が生まれた時に、お母さん牛の初乳を無理やりにでも飲ませます。それは、子牛が免疫力を付けてこれから丈夫に育っていくために必要なことだからです。こういった場面では、お客様にお乳を子牛に飲ませる理由をきちんと説明しています。
ご存知かもしれませんが、生まれたばかりの子牛がお母さん牛のお乳を飲めるのは、実は牧場ではたった一回だけなんです。授乳後、お母さん牛は搾乳舎へ移動して、人が飲むためのお乳を出し、それが牛乳となって私たちの口に入ります。このようなエピソード一つとっても、お客様へ体験として伝えていく価値があると私は信じています。
公開日:2022年3月11日
インタビュー・執筆:大曽根桃子/編集:山田富美
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