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ストーリー代表・CEO

デジタル化が進み、変わり続ける世界の中で、新しい時代のUI・UXを創造する

最新ストーリー代表_株式会社サードスコープ

歴史を重んじ、トレンドが集まる都市ロンドンが拠点

河合 彩乃 / Ayano Kawai
ThirdScope Europe
代表取締役

海外拠点を持ち、新たな時代のデザインをつくる

歴史や伝統、文化が重んじられ、歴史的建造物が今もなお数多く残るヨーロッパの国々。イギリスもそうした歴史ある国の一つだが、一方で公用語が英語であることから、首都ロンドンは世界中から多様な人々や企業が集まり、世界のトレンドが自然に追える場所でもある。

ロンドンで2022年11月に設立された「ThirdScope Europe」は、東京・渋谷に本社を置く株式会社サードスコープ(2018年2月設立)の子会社だ。サードスコープグループにとっては初の海外拠点となる。

「弊社は、『ITの力でクリエイティブ業界にイノベーションを起こす』をコンセプトにITサービスを提供、主に二つの事業を展開しています。一つはDX関連のクライアントワーク事業で、ICT分野における技術力や知識、経験などを活かし、新規事業開発や組織改善などで企業のデジタルシフトを推進・サポートしています。IT業界以外のクライアントが新たにIT関連のサービスを立ち上げる際のプロダクト開発など、DX支援を数多く手掛けています。

もう一つは、ブランディングやクリエイティブ領域の自社ITサービス事業です。企業のブランド情報などを取り扱うガイドラインやデザインシステムなどをオンライン上で作成・管理できる「Spirally(スパイラリー)」、インターネット上のユーザーの興味関心を可視化する「AutoLand(オートランド)」、社内研修のEラーニングシステムにマーケティング・オートメーション(MA)の概念を組み合わせたMakelearnなど、コンセプトに沿ったクラウドサービスを開発、運営しています」

サードスコープ ヨーロッパ代表取締役の河合彩乃は、サードスコープ創立メンバーの一人。サードスコープ代表取締役の伊藤辰也とは、高校卒業後に学んだWebの学校の同期で、2010年に知り合った。卒業後はデザイナーとして経験を積んでいたが、伊藤から声を掛けられ、サードスコープの前身となるプロジェクトに参加。設立後は主にクリエイティブの分野で会社の発展に貢献してきた。

「サードスコープはエンジニアが多く、技術力がある会社ですが、創立当初からクリエイティブ、デザインにも力を入れてきました。コロナ禍によって世界的にデジタル化が進み、新たな時代のデザインのニーズが高まっています。そこで、さらなるクリエイティブの力を発揮していこうと、次世代に向けたUI・UXを生み出すための拠点として、サードスコープ ヨーロッパを立ち上げました」

UI(ユーザーインターフェース)は、ユーザーとサービスの接点、パソコンやスマートフォンの画面で目にするデザインであり、UX(ユーザーエクスペリエンス)は、そのサービスを通じてユーザーが得る体験を指すという。

日本人のデザイナーだからつくれるデザインを。そのニーズに応えたい

サードスコープ ヨーロッパは「歴史を尊重し、新たなUI・UXを創造する」をパーパスに掲げる。

「コロナ禍の2年ほどの間に、イギリスに住む人々の暮らしの中でデジタル化が急速に進み、利用されるサービスやデバイスが一気に変わりました。サービスが変われば、新しいデザインが生まれます。この流れがコロナ禍とともに終わることはなく、さらに進んでいくと私たちは考えています」

歴史に高い価値を置き、古いものを大事にする文化を持つイギリス社会。だがコロナ禍によって、日本と同様にリモートワークが広く普及した。また、政府や金融機関のデジタル化も急速に進み、アプリを利用したコロナ対策やワクチンパスが導入され、各銀行では24時間365日の即時送金が可能になったという。例えば、レストランで食事の代金を割り勘にしたいときは、その場でネットバンキングのアプリで支払う人に即時送金し、まとめて支払ってもらうことができる。日本とは異なる利便性の高いサービスが普及し始め、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている。

「世界的にデジタル化の波が訪れている影響で、IT系企業が海を渡るケースは多いですが、デザイン会社が海外に進出することは少ないのではないでしょうか。デザインをつくるうえで、その国の文化を理解していることはとても重要ですし、歴史的な背景や文化の違いが、デザインに対する考え方や評価を変えることもあります」

しかし、ヨーロッパに進出したい日本の企業や、逆に日本に進出したいヨーロッパの企業には、日本の歴史や文化を知る日本人にデザインを頼みたいと考える人も多い。このニーズは確実に存在すると河合は話す。

日本企業にとっては、言語の壁がなく、しかも現地のトレンドを知る日本人に依頼できれば大きな安心感があるだろう。またヨーロッパ発の企業にとっては、遥か遠くにあるアジアの中の日本を正確にイメージして、デザインに落とし込むことは容易ではない。日本に進出しようという時に頼れるのは、やはり日本人のデザイナーだ。

「地理的、文化的に近いアジア圏の国であれば、ある程度正確な日本像を描くことができるでしょう。しかし、一般的なヨーロッパの人たちの日本のイメージは、今も、昔の映画に出てくるような間違ったステレオタイプのままです。そういう人たちに、正しい日本を知ってもらいたいと考える日系企業は多いと感じています。また、『日本ではないもの』が日本のようなふりをして売られ、消費されて悔しい思いをする。そういうこともなくしたいと考えています」

海を越えて進出するデザイン会社が少ない中、あえて海外に出て行く。日本のことをもっと知ってもらいたいという強い想いがそこにはある。

さまざまな文化を知り、デザインの“引き出し”を増やす

「海外に長期で住んでみよう」というシンプルな理由から、河合はイギリスに移住した。当初は、会社設立が目的ではなかったという。だが、イギリスに住んでみて、日本で経験を積んだ日本人のデザイナーがイギリスに一定数住んでいることを知った。なおかつ、営業活動がうまくできず、せっかくの高いスキルが仕事とマッチングできていないデザイナーたちがいることも見えてきた。

「それなら自分たちがデザインの会社をつくろう。文化的な水準の高いロンドンにクリエイティブオフィスがあったら格好いい。そんなライトな感覚で会社を立ち上げました」

移民が多いロンドンでは、英語だけでなくさまざまな言語が飛び交う。日本とは街の光景もまったく違い、それは新型コロナウイルスに対する市民の姿勢にも表れる。

「とても自由で、何をしていても干渉せずに放っておいてもらえますね。『あなたの文化はそういう文化なんだね。いいね』と、お互いが違っていても許される空気感があります。例えば、日本では外を歩く時にいまだマスクをする人が大半ですが、イギリスではほとんどの人がマスクを外しています。マスクをする自由もしない自由もある。ワクチンを打たない自由もある。メリットデメリットを考えて自分が選んだ結果ならそれでいいと、個人が尊重されています」

多様性があり、ほかの文化を尊重する面は、生み出されるデザインにも反映される。サードスコープ ヨーロッパにも、日本、アメリカ、東南アジアなど、さまざまな国出身のメンバーが集まっており、それは制作物の完成度にも生きている。

「いろいろな文化に触れてデザインの引き出しが増えていけば、それはデザイナーとしての財産になります。親会社のサードスコープも20代の若いメンバーが多いので、どんどん新しい場所に出ていって多様な文化に触れることで、さまざまな視点を持てるデザイナーに成長してほしいと思ってます」

「良いデザイン」は「正しく情報を伝えるデザイン」である

コロナ禍の約2年間を経て、ヨーロッパには、以前のように国を越えて行き来できる状態に戻していこうという意欲が社会に満ちている。

国際化により、インターネットを活用した国を超えるビジネスは、今後さらに一般的になっていく。自国だけでなく、国外へ自社の製品を販売したり告知したりする機会が、世界的に増えていくだろう。海を越えてビジネスを展開するうえでは、「情報を正しく伝えること」がこれまで以上に重要になってくると河合は言う。

「ユーザーが触れる画面の小さなボタン一つであっても、正しくデザインされていなければ伝えたいことを正しく伝えることはできません。それは発信する人、受け取る人、どちらにとっても不幸なことです。正しくデザインすることで、正しい情報が伝えられる。つまり、正しい情報が伝わるデザインが良いデザインであるといえます。サードスコープの一番の目的は、テクノロジーとデザインの力で世の中の生産性を上げていくこと。サードスコープ ヨーロッパは、その中のデザインの実務を担い、新しい時代のデザインをつくっていきたいと考えています」

例えば、大きな企業になればなるほどコミュニケーションを取る頻度が増え、仕事におけるコミュニケーションの占める割合が大きくなっていく。そこでデザインの力を使い、コミュニケーションコストを下げることができれば、それは生産性の向上にも結びつく。物理的に生産性を高める手段としてITが注目されているが、デザイン技術はそこに大きく貢献することができる。

「私たちは特殊なビジネス展開を考えているわけではなく、より良い成果物、デザインをつくることを大事にしています。海外に出て多様性に触れること、新しい価値観をつくっていくことは、新しい価値を持つ、良い品質のデザインをつくるうえで非常に重要です。クオリティをしっかり保てれば、自然と仕事は発生してくる。何かビジネス展開を狙っていくというよりは、どうしたら目の前にあるデザインの仕事をいいものにできるかを考えたい。それを極めることこそが、このイギリスの地に拠点を置いた意味としてつながってくると信じています」

公開日:2022年12月26日

Profile

1991年、愛知県生まれ。ロンドン在住。名古屋のデザイン制作会社でデザイン業務の経験を積んだのち独立。母体である株式会社サードスコープには2018年2月の創立当初よりメンバーとして参加。2022年にサードスコープグループ初の海外拠点となるThirdScope Europeを立ち上げる。趣味は旅行。流氷の隙間に落ちて骨折したことがある。

Contact
東京都渋谷区渋谷3-10-15 川名ビル8階

Credit

インタビュー・執筆:松井明子/編集:勝木友紀子

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