
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社マケレボ
管理本部 業務管理課
マネージャー
嶋﨑 綾香 / Ayaka Shimazaki
総務やコールシステムの構築など、マケレボの裏方全般を担っているのが、業務管理課の嶋﨑綾香だ。嶋﨑は2011年5月に入社後、営業職、オペレーターのフォロー、組織運営を裏方で支える事務などを経験し、現在は管理本部で管理職に就いている。
「営業だったとき、この業務は自分に向いていないと感じていて、実は会社を辞めようと考えていました。ただ、そのときに社長や当時の役員が私の適性を考慮して、今の部署に転属してくれたんです。そのおかげで、ここまで続けてくることができました」
会社が設立されて2年目で入社した嶋﨑は、マケレボ初の女性社員として入社。当時、社員がほとんどいない状態だったマケレボが、この9年間で社員数を増やし、業績と組織体制ともに成長していく様を見てきた。その成長のひとつに、産休育休制度がある。入社当時は平均年齢20代前半だった女性社員たちの多くが、出産適齢期に入ることになり、この制度を活用するようになったのだ。
「私も2018年3月から産休を取得しました。当時、私が社内で経験年数がいちばん長く、人事・総務全般を任されていました。そのため、これまでの経験をすべて引き継げるように、誰にでも分かるマニュアルを作成したんです。今はそのマニュアルが新入社員にも活用されているので、体制強化にも役立っています」
嶋﨑は2020年7月に現場復帰。出産後もマケレボで働こうと思ったのは「必要とされている実感があったから」だと言う。経理や人事、システム構築、総務など、ありとあらゆる経験をしてきたからこそ、対応できる業務範囲は広い。この9年間で、他部署からの質問や相談にも応じられるほどのスキルが身についた。実務経験から得られた自信により、産後もマケレボで働いてみようと思えた。
「今は時短勤務で4時半に退社していますが、そのあとはチームのメンバーがフォローしてくれるおかげで仕事がスムーズに回っています。子育て中は自分の時間がまったく取れないので、時間をうまく使って仕事をすることが重要だなと痛感しています。そのためにも、仕事の優先順位付けをするだけではなく、チームメンバーに仕事のやり方を教えて、任せられる状態にすることに注力しています」
メンバーを育成するときには、これまで裏方の仕事で培ってきた経験を活かして、適切なアドバイスを送っている。嶋﨑がほかの誰よりも詳しく知っている業務もあるため、産休中に入社した社員からは「嶋﨑さんが産休から戻ってくるまで、詳しいことを質問できる人がいなかった」と言われたこともあるという。嶋﨑はそういうメンバーの役に立ちたいと考えており、復帰後は改善できそうな業務を積極的に整理してきた。
「裏方の大黒柱として、社内のメンバーから『いてくれてありがとう』と思ってもらえるような仕事をしていきたいと思っています。社外のお客様からは見えない部分ですが、私がいないとできない仕事がたくさんあります。その強みを活かしていきたいです」と話す。
さらに、これから産育休制度を利用する社員のために、次のようなことも考えているという。「私自身も実際に育児をして感じたことですが、子育てとの両立が大変すぎて、仕事を辞めたいと考える人は少なくないと思っています。その気持ちがよくわかるからこそ、何でも話せる『ママ会』をいずれ開きたいです。悩みを分かち合える場所をつくることで、ママ社員の働きやすい会社作りにつながればと思っています」
インタビュー・執筆:流石香織/編集:佐々木久枝/撮影:石本文子
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