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「人」「食」「社会貢献」を起点にビジネス総合力を身に付け、即戦力として活躍
企業が抱える経営課題を
PR活動を通じて解決
継続して企業のPR活動を支える
数々のプログラムも用意し
認知度拡大や採用につなげる
株式会社ネタもと
代表取締役社長
本村 衆 / Atsumu Motomura
自社の商品やサービスの魅力を社会に広く伝えたい──。そう考える企業は多いが、その情報をどう発信するか、どの媒体を選べばいいのかなど、PRのノウハウを持たない企業にとっては悩みのタネとなっている。株式会社ネタもとはそんな企業にとっての救世主だ。「すべての人にPRを!」をミッションに、企業と数多あるメディア(報道関係者)とのマッチングをサポート。効果的なPRのためのノウハウまで企業に低価格で提供する、日本初・PR業界初の会社である。
PRとは「パブリックリレーションズ(Public Relations)」の略で、組織と社会との望ましい関係をつくり出すための考え方や行動のあり方を指す。企業が望む形で作られる広告とは異なり、メディアが価値を見出した情報しか記事や番組に取り上げられない。その分、受け手にとってその情報に対する信頼感は高く、中長期的に企業のイメージアップを図ることができる。企業とその商品・サービスに対する認知度を高め、採用にも好影響を及ぼすPRを経営戦略の一つに位置付ける企業も増えてきた。株式会社ネタもとの代表取締役社長である本村衆は、自社のPR事業の特長をこう語る。
「PR会社は通常、PRのノウハウを社外に提供しません。クライアント企業とメディアの間に立ち、メディアに情報を売り込むのが一般的です。私たちはノウハウを企業に提供し、メディアとの接点もつくる。そのサービスを相場の10分の1ほどの価格で提供しています。中小企業やベンチャーはPRに人員や予算を割きづらいため、これまであまりメディアに露出できませんでした。PRはBtoC企業には必要で、BtoB企業には不要と考える向きもあった。しかし私に言わせれば中小やベンチャー、BtoB企業こそ、PRに力を入れる価値があります。メディアは手に入りづらい情報に価値を見出す。PRをしてこなかった企業がPRを始めれば、その効果はより大きいものになるのです」
いわゆるPR会社は年間1000万〜2000万円という費用でクライアント企業のPRをサポートする。大手企業が主な顧客であり、年間にいくつもリリースされる新商品・サービスのPRに長けている。一方、ネタもとのサービスは年間100万円ほど。中小企業やベンチャー企業の利用が約7割を占める。新商品リリースはそう頻繁ではないため、中小企業やベンチャーのPRには、既存の商品やサービスを魅力的な切り口で発信するノウハウが求められる。ネタもとはこの点に長けているのだ。
ネタもとの中核事業は、社名と同じく「ネタもと」である。メディアに情報を出したい企業と、情報を効率的に収集したいメディアのためのクローズドのお見合いサイト「ネタもと」を利用できるサービスだ。企業はメディアに取り上げてほしい情報(ネタ)をサイトに公開する。公開数に制限はなく、正式なプレスリリースでも、小ネタレベルの情報でもよい。アップされた情報は登録しているメディアの担当者個人に毎日メール送信。「取材したい」と思う情報があればメディアから連絡が行き、マッチングが成立する仕組みとなっている。
サイトの最大の特長は「リクエスト機能」だ。メディアから「こういうネタがほしい」という取材リクエストが月60本ほどアップされる。それに合致すると思う企業が、われこそはとエントリーするのだ。マッチングが成立すればやはりメディアに取り上げられる。
現在、「ネタもと」の会員企業は約600社で、企業だけでなく観光客や移住者を呼び込みたい地方自治体、学生を集めたい大学も会員となっている。メディアの登録数は約900媒体、3600名で、名だたる新聞、雑誌、テレビ局、ウェブメディアなどの報道関係者が個人で登録している。ネタもとのメディア専門営業チーム「メディアキャラバン隊」が日々、メディアにサイトを紹介。在籍確認も行い、登録数を増やす活動を進めている。
サイトに加え、さまざまなプログラムで会員企業のPRをより強固にする支援も行う。開催実績150回以上を誇る「メディアセミナー」では、現役のプロデューサーや編集長といったメディアのキーマンから、媒体の編集方針や情報収集を踏まえた最適なアプローチ方法を学べる。終了後の名刺交換はメディアとの接点を持つ機会となっており、セミナーを機に多くの企業がメディアに取り上げられている。セミナー内容を文字起こしし、PRに役立つ情報とともにまとめた「マンスリーレポート」提供のサービスもある。
毎月12講座以上開催される「勉強会」では、広報担当者が知っておくべき基礎知識やメディア関係者の注目を集めるためのコツ、ネタの作り方、プレスリリースの書き方等を学ぶことができる。ここで学んだことを採用に活かしたあるIT企業は、人事担当者がユニークな運動会を企画し、その模様をサイトにアップ。するとYahoo!トピックスなどの有名メディアに取り上げられ、採用難といわれるエンジニアの新卒採用数を3倍に伸ばした。他にも会員企業の経営者向けPR勉強会、ビジネスマッチングを目的とした交流会もあり、サイトの会員企業はこれらのプログラムに何度でも参加できる。
至れり尽くせりの「ネタもと」だが、業務が多忙でサイトやプログラムを十分に活用しきれていない会員企業もある。これらの企業を対象に、「広報担当者サポートサービス」のオプションも用意。サイトにネタを頻繁にアップしなければマッチングの確率は下がる。またアップしても必ず取り上げられるとは限らない。そのため、ネタもとのPRアドバイザーが契約企業の継続的なPRを代行するのだ。年間360万円の利用料がプラスされるが、PR会社に依頼するよりはるかに安価で効果的なPRが可能になる。
同サービスでは1回60分、月2回のヒアリングを基に、ネタもとがメディア受けする報道向けの資料作成や公開を担う。リクエスト機能へのエントリー作業、メディア対応、月初のヒアリング時に前月ヒアリングした情報をまとめた月次報告書の提出も行う。本村は、会員企業がこのオプションを活用してネタもとのPRノウハウを「盗み」、会員企業が自社でPR担当者を育成することを推奨している。現在、同サービスを契約するのは約100社で、そのうち4割が完全なPR機能のアウトソーシング。残り6割は自社でPR担当者を育てようと、社員をヒアリングやミーティングに同席させている。
「中小企業やベンチャーがPR担当者を募集しても応募はまれですし、経験者を月30万円で雇用するのは難しいのです。それだけに、経験者が低価格で会員企業を効果的にPRする、このサービスへのニーズは高い。PR専任として育てたい社員をヒアリングに同席させ、資料作成や公開作業を間近で見てPRのノウハウを盗んでもらう会員企業もあります。基本の「ネタもと」サービスだけでもセミナーや勉強会で学びは得られますが、あちらはいわば『塾』。こちらはマンツーマンの『家庭教師』ですから、より深くじっくり学ぶことができます」
アイディアを次々と出し、事業を軌道に乗せている本村だが、そのルーツは大学時代にある。当時はディスコ全盛期で、イベントの企画にのめり込んだ。人を集めるのが得意で、イベントを次々と成功させる。企業と取引するため、必要に駆られて大学2年の時に起業。ビジネスはどんどん成長し、大学を中退して事業に専念することにした。
その後は企業のセールスプロモーションをメイン事業としていたが、ネタもとの原型である「インターネット上の記者クラブ」のコンセプトを発案。PR事業にも乗り出した。ある大手企業の広報担当者から「素晴らしいサービス」と褒められ、この分野に注力することを決意する。企業とメディアのマッチングサイトにセミナーや勉強会のプログラムも追加してより付加価値を高め、業績を順調に伸ばしてきた。
ネタもとは地方展開、グローバル展開を含め、さまざまな事業を考えている。その一つが、2018年12月にスタートした広報PR職に特化した人材紹介サービス「未来広報室」だ。「ネタもと」の会員企業の中にはPR経験者を業務委託ではなく自社で正社員として採用したいというニーズがある。そこでPR職に憧れをいだく未経験者をネタもとで募集し、PRの基礎を教育していく。知識を身につけた後に会員企業とマッチングを行い、双方のニーズが合えば入社。入社後は実地でPRの仕事ができているかを確認し、必要に応じてオプションとして事後研修も行う。
PR職の経験者は、大手企業の元広報担当か、PR会社の元社員であることがほとんど。彼らは有能だが、既存の商品やサービスに新しいテーマや切り口を与えてメディアに売り込むのに慣れておらず、中小企業のPRでは力を発揮できないこともある。未来広報室で採用する人材は未経験者だが、ネタもとのノウハウをしっかり教え込むため即戦力となる。
「かつての広告のようにインパクトで物が売れる時代ではなくなりました。今後はPRという中長期的なファンづくり活動を通して会社や商品に対するファンを増やし、信頼性を高めていくことが重要です。そのため、第三者であるメディアを通して自社の魅力を発信できるPRは、経営戦略としてますます重要視されていくはず。ネタもとは、そんなPRを経営戦略に取り入れる企業をより強固にサポートするサービスを充実させていきます」
大きな笑顔とエネルギッシュでテンポの良い語り口調から、本村社長のネタもと事業に懸ける熱い想いが伝わってきました。PRと広告の違いなど、誰もが理解しているようで実はそうではないことをズバリと指摘し、そこにビジネスチャンスを見出された発想力には驚かされるばかりでした。PR活動の成功により中小企業がもっと発展すれば、日本企業の活性化につながるー。PRはそんな希望に溢れた仕事だと実感することができました。
1961年、東京都出身。幼少時代は自由奔放に育つ。中学から全寮制の中高一貫校に入学。上下関係が厳しく、地獄の下級生生活、天国の上級生生活を経験。ここで、生きていく上での「強さ」「太さ」「要領の良さ」を身に付ける。
高校卒業後、青山学院大学経済学部に入学。高校時代の仲間とパーティーの運営を始める。当時はディスコ全盛期であり、毎月六本木で300名規模のパーティーを開催。船上パーティや、3,000名動員した六本木フェスティバル等を行う。そうした中、優勝すると映画に出演できるコンテストを企画。TV・新聞・雑誌等のメディアに大々的に取り上げられ、このことが本村にとって大きなインパクトとなった。学生時代には信販会社と提携し、大学生にクレジット・キャッシング機能付きカードの普及も行った。その後、JJ等の雑誌に大学生モデルを派遣していた仲間とセールスプロモーション会社を設立。業務内容は、イベント・各種キャンペーンの制作、大手料理学校とのネットワークの構築と商品化等。
40歳に近づいた時、夢・目標を明確に持つ必要性を感じ、ゼロからスタートするため、2000年に株式会社リアライズを設立。2018年に「株式会社ネタもと」に社名変更。
インタビュー・編集:高橋奈巳、横山瑠美/撮影:平山諭
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