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ストーリー代表・CEO

「ワーケーション」という新たな働き方を提供し日本のビジネスシーンに変革を起こす

代表_東急シェアリング

東急グループの一翼を担う
シェアリング事業の
リーディングカンパニー

新たな「ライフスタイル」と
「ワークスタイル」を創造し続ける

株式会社東急シェアリング
代表取締役社長/工学博士(都市計画)
金山 明煥 / Akinori Kanayama

ワーク×バケーションで「働き方」に新たな選択肢を

東京から新幹線に飛び乗り、席についてPCを開く。メール対応や資料の確認をしながら、ふと顔をあげると、窓の外には軽井沢の美しい山並みと木々の緑が広がっている。駅に降り立ち、高原の風を感じながら、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。「よし、高原を散歩してから新しい企画を考えよう。いいアイデアが湧きそうだ」―。

オフィスでも自宅でもない場所で、余暇を楽しみながら仕事を進める。こうした「ワーケーション」と呼ばれる働き方は、近年、さまざまな企業やフリーランス、専門職の人々から注目を浴びている。「ワーケーション」とは「Work」と「Vacation」を組み合わせた造語で、2000年代に米国から発祥した新たなワーキングスタイルだ。

この「ワーケーション」に着目し、商品としてをいち早く日本で販売を始めたのが株式会社東急シェアリング。代表取締役社長を務める金山明煥(あきのり)は、「ワーケーション」に注力する理由をこう語る。

「AIやRPAなどIT技術が目覚ましい進化を遂げる中、人には、より想像力を活かした仕事やイノベーションにつながる新たな発想が求められています。クラウドで働ける時代になった今、都会の喧騒から離れ、ゆったりと自分のペースで仕事ができる環境は、ビジネスパーソンの創造性を刺激し、生産性の向上につながると考えています」

同社は1999年の設立以来、全国の自社リゾート施設を“シェア”して使う独自の会員制シェアリングリゾート事業を展開してきた。別荘のように不動産を持つのではなく、利用権をポイントとして購入する仕組みで、会員は1泊から長期滞在まで、ポイントを使っていつでも自由なスタイルで利用することができる。

6名まで宿泊可能な広々とした居室には、フルキッチンと調理器具、カトラリーが揃えられ、地元の食材を使って自分で料理をすることも可能。手厚いコンシェルジュサービスも敢えて行わないため、プライベート空間を大切にしながら家族や仲間とゆったり過ごせる。日常の延長のようなスタイルでバケーションを楽しめることが、シェアリングリゾートの最大の魅力だ。主な会員は50~60代のアッパー層だが、近年では、その子ども世代が両親を招き、3世代に渡って利用するケースも増えている。

金山は、こうした“シェアリング”の発想をビジネスシーンまで広げ、2018年「ワーケーション」商品をスタート。全国16ヵ所にある施設のうち、東京近郊のリゾートをメインにシェアリングオフィスを兼ねたリゾート施設としての利用を推進している。

大手企業の社員を招いた体験イベントのほか、総務省と軽井沢地区と連携し、「ワーケーション」がもたらす効果についての実証実験も行う。効果検証を終えた後は、そのベネフィットを数値化し可視化させることで、ビジネスに与える好影響をより明確にアピールしていく予定だ。

「ワーケーションは一言で表すと『リゾートテレワーク』。都会のサテライトオフィスと大きく違うのは、人と人とのコミュニケーションが活性化するという点にあります。例えば、都内のオフィスでスーツを着てミーティングをしていても、堅い雰囲気で緊張が続くこともある。でも、場所を変え、ネクタイを外し、豊かな自然環境の中で会議をすれば、議論も弾みアイデアも出てくる。また、こうした環境は、部署の違う人や異なる会社の人同士を近づけてくれます。そこに新たなコミュニティが生まれ、化学反応が起き、イノベーションにつながる発想が生まれる。1人で仕事を進めるときも、ほどよく発散できるので効率も上がるでしょう。それこそがワーケーションならではの価値だと考えています」

米国留学で視野を広げ、東急グループの構造改革に手腕を発揮

東京都出身の金山は、5人兄妹で唯一の男子として育った。幼少期より模型作りに熱中し、大学進学時には「自分が考えたことを具現化し、社会にインパクトを残せる大きな物を作りたい」と考え、建築学を専攻した。また、「知らないことがあるのがおもしろい」と感じ、特に未知の環境である外国への関心を高めていった。建築家を目指して学ぶ中、海外旅行で米国へ行き、知人に会うためにボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪れた。このとき、金山は、「自分もいつかここに来る」と予感めいた不思議な気持ちに駆られた。この旅行をきっかけに「海外で学びたい」という意欲が高まり、就職活動では「ゼネコンで留学制度がある会社」に目標を定めた。

1984年、東急建設株式会社に入社し、設計業務を担当。3年目に念願だった留学のチャンスに恵まれた。行先はボストンのMIT。大学時代に描いた夢が叶い、意欲に満ち溢れて日本を後にした。MITでは、先進的な考えを持つ仲間に刺激を受けながら、都市計画や不動産開発を中心にファイナンスや戦略論など、ビジネスに必要な知識を学び、さまざまな分野におけるグローバルスタンダードを身に付けた。

3年後に帰国した金山は、東急電鉄の都市開発部門に出向となり、同社の事業収益の中核だった多摩田園都市開発事業の21世紀に向けた戦略転換の企画を担当することに。その後、同社の社長室に配属され、政策担当として経営に携わり、東急電鉄へ転籍することとなった。そのミッションとは、バブルで400社以上に膨れ上がった東急グループ事業ポートフォリオの再構築。当時、鉄道事業に付帯していた広告や売店事業をスピンアウトさせ、広告と流通を中心とした流通事業部を創設するなど、グループ全体の収益性を高める施策を次々に実行した。この間に、業務の合間を縫って、東京大学の博士課程に通い、都市計画の工学博士を取得。その知識を活かして、2006年には東急電鉄の都市開発及び不動産関連事業の大規模な事業構造転換プロジェクトのリーダーに抜擢された。

その後、ICTやケーブルテレビなど新しいデジタルインフラサービス事業の統合や組織編制、ロケーションベース(立地情報)サービスの開発などに携わり、それらを軌道に乗せた後、2011年、東急グループのタイムシェアリゾート事業を手掛ける株式会社東急ビッグウィークステーション(現・株式会社東急シェアリング)の社長に就任した。

しかし、経営を任されたものの、当時のビッグウィーク(現・東急バケーションズ)は赤字続き、事業撤退も視野に入っていたものだった。大きな投資は望めない中、「知恵とネットワークで立て直すしかない」と、覚悟を決めた。

「赤字事業を黒字にする。これは自分にとってチャレンジでした。一方で、自分がやりやすいのではないか?とも感じていましたね。守るべき軸足を定めて、チェンジを実行すれば、必ずチャンスはあると思っていました」

金山は、それまで単なる赤字幅縮小に意識を向けていた経営方針を転換し、商品性を高めるために施設ネットワークの拡大を進めた。個人的に親交のあった大手観光企業の社長に提携を申し込んだり、伝手をたどって、未開拓だった沖縄地区に出店したりするなど、会社、個人を含めたすべてのリソースを注ぎ込んだ。このネットワーク拡大にあたっては大規模な投資を伴わないような新たなスキームを導入した。さらに、それまで1週間単位で販売していたリゾート利用権を、1泊単位で好きな時に使えるポイント制に商品を抜本的に変更。利用する施設、季節、曜日によって必要なポイント数を変えることで、オンシーズンや休日に集中する施設の稼働の平準化に成功した。こうした戦略が奏功し、会社は単年度で黒字転換を果たした。以降、同社は増収増益を続け、2017年、社名を東急シェアリングに変更。日本におけるシェアリング事業のリーディングカンパニーとして、業界をけん引する企業に成長を遂げた。

「力」ではないマネジメントで、チームとして成果を出せる組織へ

「ワーケーションをはじめ、今後はインバウンド事業や東急グループらしいBtoC向けのサービスにも取り組んでいきたい」と意欲を見せる金山。ともに働く社員とは、フラットにコミュニケーションをとり、どんな意見でも言い合える関係を築きたいと考えている。

金山が、組織づくりにおいて大切にしているのは、「力ではないマネジメント」だ。

その背景には、20代の頃、留学から戻った直後に出会った1人の上司の存在がある。その上司は、かつて東急電鉄の社長、会長を務め、日本を代表する実業家だった故・五島昇氏の側近だった。しかし、地位や経験を誇示することはなく、部下を押さえつけることもなかった。部下との対話や人間関係を大切にしながら、次々に新しいことに挑戦していく姿を見て、金山は、MITでは学べなかった「力ではないマネジメント」手法に深く感銘を受けた。このときに、「立場や役職の力に頼るマネジメントはしない」と心に決めた。

一方で、社員たちには、多様な経験を通じて自分自身を高めていってほしいと考えている。国内外への営業、施設の運営管理、新規事業開発、バックオフィス業務など、社内で異動を行いながら、社員一人ひとりの可能性を広げ、挑戦の場を広げていく方針だ。

「私たちのミッション“シェアリングを通じて、お客様に新たな生活シーンを創造し続ける”を実現するために、チームとして成果の出せる組織にしていきたい。IT技術の進化が加速する中、私たちはそれらを誘導する位置についていなければなりません。自分の軸を持ちつつ、常に変化することを厭わない人、会社や私に新たな刺激を与えてくれる、そんな人を求めています。変化を楽しみながらともに会社を成長させていきたいですね」

リスナーの目線

グローバルな視点で課題解決に取り組み、東急グループの構造改革の一端を成し遂げた金山社長。最新のIT技術や社会構造についての先進的なお考えに頷かされるばかりでした。そんな金山社長が愛用する携帯は意外にも“ガラケー”。敢えてSNSも一切やらないそう。流されない自分の軸があるからこそ、変化の激しい時代にしなやかに対応できる。社長の“アナログ”な一面にこそ、敏腕経営の秘訣があるのではないかと感じさせられました。

インタビュー・編集/高橋奈巳 撮影/森モーリー鷹博

Profile

東京都生まれ。工学博士(都市計画)。早稲田大学卒業後、1984年、東急建設株式会社入社。1990年、マサチューセッツ工科大学修士課程修了、1999年、東京大学博士(工学)課程修了。東急電鉄を中核とする東急グループにおいて、多様な事業分野における事業開発やグループ企業を対象にした連結経営に携わった後、2011年、株式会社東急ビッグウィーク代表取締役社長に就任。2016年、株式会社東急シェアリングに商号を変更。現在全国16ヵ所のシェアリングリゾートを運営。

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