
飲食が担うのは「心を繋ぐ」場所づくり 街コミュニティの中心となるレストランを目指す
株式会社秋葉牧場
商品販売課 課長
遠藤 亘 / Wataru Endo
乳製品製造1課 課長
富田 晃次/ Koji Tomita
遠藤「ホエイは使い道がなくて捨てられていました。その廃棄量は月に300kg以上。しかし、せっかくなら牧場でとれた生乳を余すところなく使いたい、そんな想いで開発したのがこの『ヘイ!ヘイ!ホエイ!』です」
こう語るのは、株式会社秋葉牧場で商品販売課の課長を務める遠藤亘(写真、右)と乳製品製造1課の課長である富田晃次(写真、左)。「さわやか」「夏にもごくごく飲める」とゆめ牧場で人気を博しているホエイサイダー、「ヘイ!ヘイ!ホエイ!」の担当者である。富田が作り、遠藤が売る。シンプルだがその連係プレーは絶妙だ。
ホエイとは、チーズやヨーグルトを作る際に副次的にできる水溶液のこと。市販されているヨーグルトでいえば、上に溜まる水分のことだ。しかし、生乳からチーズを作る際は全体の1割しか製品として使うことができず、残りの9割がホエイとなり捨てられてしまう。「ヘイ!ヘイ!ホエイ!」は、そんなホエイに甘味と微炭酸を加えた、ゆめ牧場オリジナルの炭酸飲料である。
富田「ホエイは、高タンパク・低脂肪で健康維持に高い効果があります。しかし味が薄いため加工品としてのオリジナリティが出しにくく、その味を活かした商品を作り出すのは難しいといわれていました。しかし、弊社では同じ敷地内で搾られた生乳で乳製品を製造していることから、ホエイの味にもコクがある。そのため、ホエイの味を殺さずに美味しいサイダーを作り出すことができました」
北海道の大学で乳製品の製造を学んだ富田。「乳製品を作りたい」とゆめ牧場に就職し、念願の乳製品の製造に配属。しかしその後キャンプ場の運営に異動になり、そこで出会ったのが遠藤だった。寡黙で職人気質な富田に対し、営業経験が長く社交的な遠藤。学生時代から牧場に親しんだ富田とは違い、遠藤は秋葉牧場に入社するまで牧場という業界に関わったことがなかった。しかし、遠藤は「それが良かった」と言う。正反対に見える2人だが、年齢も近いせいか不思議と馬があった。
遠藤「富田もそうですが、ゆめ牧場の社員はいい人が多いです。そのため、僕のような異業種からの転職でも、わからないことがあればすぐに質問できる環境でした。また、弊社では会社として部署や年次を超えて関わることを推奨しています。ホエイサイダーに限らず、商品開発のためにクリスマスやお正月などテーマを決めて、部署を超えたチームでアイデアを出し合ったこともありました。そして、強制ではなく自ら手を挙げた人同士が集まっているので、活気がありますね。常に他部署と連絡を取り、企画を進めています」
富田「入社前から希望していた製造だけでなく、開発にも広く携われているのはうれしいですね。部署の異動もこうして人脈の構築に活きていますし、年次や部署を超えた人たちが関わり合って一つのものを作る環境が弊社にはあります」
現在は違う部署にいる2人だが、互いをサポートし合いながら仕事をしている遠藤と富田。目下の目標は、ホエイの製造量を増やし、ホエイサイダーの流通を安定させることだと言う。
遠藤「新しい仲間が増えれば、ホエイサイダーの可能性はさらに広がるでしょう。そして、ホエイの認知度を高めていくことで、乳製品をより一般に浸透させていきたいです」
インタビュー・編集:入江あゆみ、西野愛菜/撮影:新見和美
飲食が担うのは「心を繋ぐ」場所づくり 街コミュニティの中心となるレストランを目指す
お母さんと子どもが安心して通えて笑顔になれる場所を作りたい
幅広いスキルが身についたことで、産後も復帰してみようと思えた
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