
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社秋葉牧場
園芸リーダー
大坪 愼太郎 / Shintaro Otsubo
広報グループ長
落合 沙也佳 / Sayaka Ochiai
大坪「ゆめ牧場全体ではファミリーのお客様が多いのですが、ひまわりイベントでいえばカップルや若い方の来場が目立ちます。今年はカップルでいらっしゃった方が、翌々年にお子さんと一緒にいらっしゃることも多い。そういう意味では、未来のファミリー層にまで楽しんでもらえるイベントだと思っていますね」
こう語るのは、ゆめ牧場を運営する株式会社秋葉牧場で、園芸チームのリーダーを務める大坪愼太郎(写真、右側)と広報グループ長の落合沙也佳(写真、左側)だ。ゆめ牧場では、毎年背丈2m超えの巨大ひまわりで作る「ひまわり迷路」というイベントを開催しているが、このイベントの運営を任されているのがこの2人だ。
ゆめ牧場の夏の風物詩『ひまわり迷路』の歴史は長い。約20年前、あるスタッフが「ひまわりで迷路を作ってみたい」と提案したのがきっかけだ。だが、当時小さな背丈のひまわりで作られた迷路は他施設でもおこなわれていた。そのため、「ゆめ牧場でしか見られないひまわり迷路を作り楽しんでもらおう」と背丈2mを超える巨大ひまわりの迷路を作ることになったのだ。また、通常ひまわりは1週間ほどで見ごろが終わってしまうため、長く楽しんでもらえるように時期をずらして開花するよう畑を複数用意している。現在は7つまで数を増やし、それぞれの畑にテーマを設け、何度来ても楽しんでもらえるよう工夫を凝らしている。
落合「実は、最初にひまわりイベントのことを口にしたスタッフは、園芸や花の担当とはまったく違った部署のスタッフでした。まったく違う部署の人間でも、案を出しそれが価値のあるものであれば、任せてもらえます」
大坪もまさにその一人。入社2年目のときに「ひまわり迷路に携わりたい!」と社長に直談判し、ひまわり迷路の担当者になった。畑に関わる仕事をしたいと秋葉牧場に入社した大坪。牧場内の畑の植付けや収穫体験をおこなう中で、お客様から生の反応をもらえることにやりがいを感じ人気のひまわりを担当したいと申し出たという。
大坪「ひまわり畑で作業中、『写真を撮影してほしいです』とお客様から声をかけられることが多々あります。そうお声がけいただき写真撮影をしたお客様に『あれ、去年もここで写真を撮ってくれた方ですか?』と言われたことがあって。なんとその方は、前回来られたときに僕が写真撮影をした方だったんですね。覚えてくださっていてうれしかったです。畑仕事にとどまらない、お客様との交流がゆめ牧場の魅力だと思います」
落合「ゆめ牧場ではどの部署の社員も、お客様と接する機会が多いことが特徴です。『お客様目線』を大事にしているので、お客様から勉強させていただくことも多いですね」
その言葉通り、お客様目線を大事にすることでひまわり迷路は人気イベントになっていった。ひまわり畑に白いワンピースと麦わら帽子を着用したインフルエンサーが訪れた際には、同じような服装で来場する人が続出。天候に恵まれたのも相まって、その年は例年より1万人以上も来場者数が増えたという。
落合「大坪はひまわりのことを自分の子どものように大切にしています。ひまわりから吹く風、黄色一面が東を向くさま、毎年パワーアップしているのでぜひ実際に見ていただきたいですね」
大坪「『ひまわり迷路に来年も来たい』とお客様に思ってもらえるイベントにしていきたいです。そのためにも、お客様が何を求めておられるのか日々考えながら仕事をしていきたいと思っています」
インタビュー・編集:入江あゆみ、西野愛菜/撮影:新見和美
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