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ストーリー代表・CEO

探求しつづけることで学び新しいテクノロジーで次の社会変革を起こす

代表_トリプルアイズ

囲碁AIの研究開発で磨いた、
独自のテクノロジーが第3の眼を生んだ。


画像解析プラットフォームAIZE(アイズ)が。
人に優しい社会の未来を見通す。

株式会社トリプルアイズ
代表取締役
福原 智 / Satoshi Fukuhara

囲碁AIが示す未来

「大きな社会変革の時代が近づいています。AI(人工知能)分野の技術力の差がそのまま産業力、国力の差になりえます。本腰を入れる外国に比べ、日本ではAIを一過性のブームのように見て取り返しのつかない誤解が広がっています。私たちは2008年の創立以来、独自の研究開発を通して、ずっとAIが持つ本当の意味を追い求めてきました」

こう話すのは、株式会社トリプルアイズ代表取締役の福原智だ。同社は現在AI、ブロックチェーン、IoTなど、次世代産業のコアテクノロジーの研究開発に取り組んでいる。先進IT分野に強いベンチャー企業として存在感をますます強めているトリプルアイズが、特に力を入れている取り組みがある。
 それが囲碁AIだ。研究開発に本格的に着手したのは2014年。「モンテカルロ木探索」といわれるシミュレーション手法に着目し、これをベースに独自の囲碁AIプログラムを開発した。コンピュータ囲碁大会にもたびたび参加し、世界でも上位の成績を誇る。

こうした実績から、囲碁AI世界一を目指す『GLOBIS-AQZ』プロジェクトの一翼を担うことになる。株式会社グロービス、囲碁AI開発者の山口祐氏と組み、世界最大級のスーパーコンピュータを有する産業技術総合研究所と日本棋院の協力を得て、オールジャパン体制で研究開発を行うプロジェクトで、2019年8月に中国で開催される世界大会で囲碁AI世界一の座に挑む。
 それに先立ち、『GLOBIS-AQZ』プロジェクトの一環として行われた、仲邑菫初段(10歳)、芝野虎丸七段(19歳)との記念対局では、学習時間の短さからは考えられない強さで注目の若手プロ棋士を圧倒した。特に7時間の学習で仲邑初段に勝った対局は、アルファ碁のグーグルが算定する囲碁AIの評価値と一致する実力を示した。

「囲碁AIでは対局の優劣評価を盤面の画像で行います。この技術が実を結んだのが、画像解析プラットフォーム『AIZE(アイズ)』です。AIZEは、従来の画像認識技術では判別が困難だった人の顔認証を実現しました。性別や年齢、感情までも判別できます。若いAIエンジニアが先頭に立ち、海外の最新論文などから技術を学んだ成果も大きいです」

2019年3月にローンチしたばかりのAIZEだが、既に大手飲食チェーンなど100店舗に導入されている。顧客の属性や来店時間、頻度を分析しデータ化することで、リテールマーケティングに活用されている。今後は、リテールマーケティングにとどまらず画像認識プラットフォームとしてのサービスを充実させていく。

「今後、さらにICTが世の中に浸透し、ICTの利用がどんどん当たり前なことになっていきます。言い換えれば人の生活とともに社会を変えていくということです。そんなICTは絶対に『人に優しい』ものでなければなりません」




同志がいることこそがモチベーション

横浜生まれの福原は、休みがあれば釣り好きの父親に連れられ磯釣りに出かける、そんな子供だった。
 一見、仲のいい親子の遊びのなかに、エンジニアである福原の原点がある。
 少年・福原にとって、世界は謎に満ちていた。たとえば海で波の動きや干渉、潮の満ち引きに法則があるとおぼろげに感じたり、釣った魚を飼う水槽の水の交換で水位と流れに関係があることを体感したり、福原の物事を探求する姿勢は培われていった。

 ファミコンが登場するとコンピュータに興味を持った。ゲームのプログラマーになることを本気で夢見ていたが、相変わらず自然現象に潜む物理法則にも強く惹かれていた。結局、進路はそちらに向く。宇宙科学の第一人者がいる山形大学理学部に入学したのだ。自宅を離れたことで一気に自由な時間を得た福原は、物理学科の実験にのめり込む一方で、再びコンピュータプログラムにのめり込む。ゼロから独学でプログラムを学び、すぐにネット掲示板を構築できるようにまでなった。

 メカトロニクス、エレクトロニクスにも興味を持った。大企業がどのようなものづくりをしているのか自分の目で確かめてみたくなる。そこで大学卒業後は幅広い分野の製品を手がける大手メーカーに就職する。しかし、仕事をしていくうちに疑問がもたげるようになる。考えることを不要とされたのだ。子供の頃から培った探求心を見失った。

「仕事自体は苦ではなかったのですが、言われたことをただやるだけだったり、規則だからと押し付けられたり。仕事の意味がわからなくなってしまった。自然の法則のように合理的じゃないことばかりだったんです。1年も経たずに辞めることにしました」

 その後、紆余曲折はあったものの、やがてウェブ・エンジニアとして独立。大型プロジェクトに参加するなど経験を積んだ。徐々に自分の考えで実行できる仕事が増え、自由度は増していったが、それでも福原には不満があった。それは志を同じくする仲間と継続して仕事ができるわけではないことだった。その思いは日増しに大きくなっていく。

「独立したとはいえ、得意先の会社もでき、腰を落ち着けて大きなプロジェクトに携わることもできるようになっていました。チームを組んでプロジェクトを進めていくと、多くの仲間に出会いました。でも、プロジェクトが終了するとチームは解散してしまいます。思いや志を共有する仲間と仕事を続けるには、会社という組織が必要だと考えるようになりました。AIにも興味を持ったのも同じ頃で、オリジナルのAIを開発したいとも思っていました」

 3人の仲間とともにトリプルアイズを創業した2008年9月3日、福原の胸にあったのは、より多くの人と、より大きな夢を実現しようという決意だった。社長に就任したのはリーマンショック直後のことだった。創業したばかりの会社の仕事の大半は下請け業務。売上は伸びようもなかった。福原はいきなり崖っぷちに立たされる。エンジニアを雇う資金は限られ、福原自身もプログラマーとしてシステム構築に加わった。だが、それだけでは会社を継続させるだけの利益にはならない。福原は日中、別の会社でエンジニアとして働き、それが終わる夕方からやっと出社。ともかく働き続けた。納期が重なる月末は、徹夜が続いたこともある。心身ともにギリギリの状態であったが、それでも仲間といたいと思った。トリプルアイズは自分の居場所だった。

「正直、心身ともに限界が来ていましたが、『オリジナルのAIを開発したい』という強い思いがずっとありましたからね。あきらめずに続けていれば、いつか叶うだろうと思っていました。突き進んだ道の先に、やりたいことをやれる時が来ると信じていました。それに自分を慕って入社してくれたエンジニアもいましたから、彼らのことを考えたら前を向いて突き進むしかありませんでした」



人にやさしいICTサービスをつくるのが夢

 低迷していた業績が徐々に回復しはじめたのは、創業から4、5年経った頃だ。トンネルを抜けてしまえば、業績は成長軌道を描くようになる。社員数は年々増え、案件規模は大型化した。気がつけば、現在のトリプルアイズは180名を超える組織となった。

 創業時、あるいはフリーエンジニアだった頃、どんなに手を伸ばしても届きそうになかった地点まで近づいていると福原は感じている。社会を変えるイノベーション、テクノロジーを実現する。その志と思いを共有してくれる多くの仲間もいる。

 福原がよく社員に向けて話す言葉に「ブルーカラーな仕事ではなく、ホワイトカラーな仕事を」という言葉がある。この言葉には、「与えられた仕事をただこなすのではなく自ら発想し動くことで毎日が充実し、良いサービスが生まれる」という信念が込められている。

「最終的にはドラえもんのような人にやさしいICTサービスを生みだすのが夢です。人間の困りごとを解決するため、さまざまな道具をポケットから出すのがドラえもんですよね。そんな人に寄り添うICTサービスの実現を目指しています」

 「人にやさしいICTの実現」という理念は、ドラえもんを夢のままで終わらせないだろう。そして「トリプルアイズ」という社名は「Realize、Customize、Maximize」の意味と同時に、「3つの目」という意味が込められている。AIこそ人間のもう一つの目だ。

「これから先の未来は、まさにドラえもんがいるような未来。AIが当たり前の世の中になるでしょう。現時点でそのようなプロジェクトは具体化していませんが、いずれ進められるよう、今はAIの研究開発に全力で臨みつづけます」



リスナーの目線

「企画ありきからサービスが生まれるのではなく、テクノロジーが第一。そこからどうサービスに応用していくかが当社のフローです」と、テクノロジー・ファーストを何度も強調していた福原代表。今後は経営層にエンジニアを多く抜擢していきたいとの想いもあるようで、最近の潮流であるビジネスサイドとテクノロジーサイドの融合ならびに同スキルの獲得も、実現できる環境だと感じました。

インタビュー・編集/杉山忠義 撮影/大西知宏

Profile

1975年、神奈川県横浜市生まれ。山形大学理学部物理学科卒。大手通信基幹システムにメイン開発プログラマーとして参画したのち、2008年トリプルアイズを創立。技術者集団を率いて独自のAI研究開発に取り組み、囲碁AI世界大会では4位入賞。著作『テクノロジー・ファースト-なぜ日本企業はAI、ブロックチェーン、IoTを牽引できないのか?』(2018年/朝日新聞出版)は業界内外の好評を得ている。近年は、若手エンジニアに向けた講演活動も精力的に行っている。BCCC(ブロックチェーン推進協会)理事。

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