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本を出すにはどうすればいいの?出版社が『出版方法』をわかりやすく解説

2023/04/18

「本を出すにはどうすればいいの?」「本を出したいんだけど、出版方法について教えてくれる人が周りにいない」とお悩みの人は多いでしょう。
「本を出すには出版企画書を作って出版社に持ち込めばいいだけ」と簡単に言う人もいますが、相当な実績のある人でもない限り、企画書が採用される確率は相当低いです。

私が書いた別記事「出版企画書|テンプレート無料配布|出版社に企画を持ち込みする前に読みたい記事」を参考にすれば出版社が読みたくなる企画書は作成できますが、そこから何個もの高いハードルがあるのが現実。
また、ひとくくりに「本を出したい」と言っても、大きく分けると2つのパターンがあります。

  • 無料で本を出したい人
  • 有料で本を出したい人

これらは各パターンによって適切な出版方法は大きく異なります。

そこで今回の記事では、パターン別に出版方法をわかりやすく解説していきます。
ぜひご参考ください。

1.出版方法は「有料」「無料」の2種類

出版方法はつぎの2つです。

  • 有料で本を出したい人・・・「自費出版」
  • 無料で本を出したい人・・・「商業出版」

それぞれ詳しく説明していきます。

1-1.有料で本を出す「自費出版」

著者が自らお金を出して出版することを自費出版と言います。
また、自費出版には、大別すると

①『著者が制作から販売に至るまですべて自ら行うもの(自己完結型自費出版)』
②『著者がお金を出版社に支払い、制作から流通(一部の場合もあり)まで代行してもらうもの(代行型自費出版)』

の2種類があります。

自己完結型は、主に『同人イベントで販売される同人誌』や『格安で作成できる電子書籍』で選ばれます。作るまでに手間はかかりますが、費用が格安におさえられることがメリットです。
代行型は、主に『自社ブランディングのためにつくる企業出版』で選ばれます。企業出版の場合、『リアル書店』や『ウェブ書店』などで一般的な本と同じように流通します。

企業出版での出版方法について詳しく知りたい方は別記事『企業出版とは?本を出して「大損する会社」と「成功する会社」の決定的な違い』をご覧になることをオススメします。

1-2.無料で本を出す「商業出版」

出版社が利益を出すために費用を負担して出版することを『商業出版』と言います。
商業出版には2つのパターンがあり、

  • 出版社が本を出すために必要な費用をすべて負担するもの(完全無料)
  • 著者が売れなかった在庫の買取費用や宣伝費を負担するもの(一部有料)

があります。

商業出版は、あくまで出版社が利益を出す目的で作られるので、

  • 多く売れることが事前予測できる(完全無料)
  • 売れない場合でも出版社はリスクを回避できる(一部有料)

というモデルになっています。
なお、このような仕組みで書籍が流通されているため、読者には『企業出版』も『商業出版(完全無料か一部有料なのか)』を見分けることは難しいです。

商業出版を詳しく知りたい方は、別記事『商業出版とは?本が売れずに不幸にならないための基礎知識|メリット、デメリットを徹底解説』をご覧になることをオススメします。

また、出版社に企画書を持ち込みたい方は、別記事『出版企画書|テンプレート無料配布|出版社に企画を持ち込みする前に読みたい記事』もオススメです。

2.本を出版するために知っておきたい基礎知識

本を出版するにあたって、必要最低限おさえておきたいのは、

  • 発売されるまでの期間
  • 本を作るための費用
  • 本が売れるかどうかの最重要ポイント

の3つです。詳しく解説していきます。

2-1.本はどれくらいの期間で発売されるのか?

自費出版では、制作者の『制作能力×制作時間』によって大きく異なります。最低1ヶ月で作り上げてしまう人もいれば、半年でギリギリの人もいます。
商業出版(企業出版)でビジネス書を作る場合、企画から販売まではおおよそ半年から1年になります。

2-2.本を作るにはどれくらいの費用がかかるのか?

自費出版の場合、『印刷代』以外は著者の人件費のみになる場合もあります。電子書籍の場合は、販売手数料だけで済ませることも可能です。
商業出版(企業出版)でビジネス書を作る場合、200万円からスタートであるケースがほとんどで、高額なものでは大規模な宣伝費用込みで2500万円のケースもあります。

「2500万円って元取れるの?」

と思う方もいるかもしれませんが、書籍をきっかけにテレビなどのマスメディアを巻き込んで意図的に『ブーム』をしかける場合はさらに大規模な金額を動して、世の中を変えていきます。

2-3.本が売れるかどうかは「著者」×「企画書」で決まる

本が売れるかどうかを見極めるなら

  • 著者
  • 企画書

の2つで事足ります。

読者が本を選ぶときに重視するポイントが、この2つに集約されるからです。
人が本を買う純粋な動機というは、実は、次の3パターンしかありません。

  • 『著者指名』で買う
  • 『悩み解決』のために買う
  • 『感情報酬』のために買う

著者指名で買うのは、説明しなくても良いくらいわかりやすいですね。「この著者は面白いから」「この著者が好きだから」「この著者は前の本も良かったから」と著者と読者の間で構築されている信頼関係で購入されるケースです。

では次に、「悩み解決」のために買うのは、どのようなケースでしょうか。
たとえば「太っている」と悩んでいる人は、その解決をするためにダイエット本を買います。「料理のレパートリーを増やしたい」と悩んでいる人は、その悩みを解決するために料理本を買います。これはわかりやすいと思います。

では最後に「感情報酬」のために買うとは、どのようなケースでしょうか。
たとえば、「恋愛小説」を買う人は、何を求めて買うのかを考えてみましょう。
恋愛小説は物語に登場する主人公に感情移入をすることで、「ときめく」「恋をする」という感情(=報酬)を得ることができます。

日常ではありえない状況であっても、物語であれば、あなたは夢のような感情を味わうことができます。そう、つまり自分が求める感情(感情報酬)を得るために買っているのです。
おさらいになりますが、私たちは

  • 『著者指名』で買う
  • 『悩み解決』のために買う
  • 『感情報酬』のために買う

のいずれかの理由で買うので、「著者」と「企画書」を見れば、

  • 著者が信頼されている人の数
  • 「悩み解決」or「感情報酬」を求める人の数

がざっくりと読めるため、
「この本は売れるな」「この本は売れないな」
と大まかに判断することができるのです。

3.本を出版するための『企画書』を作るポイント

本を出す上で最も大事な『企画書』について、シンプルかつ強力なフォーマットを公開します。
詳しくは別記事『出版企画書|テンプレート無料配布|出版社に企画を持ち込みする前に読みたい記事』をご参考ください。
これから本を出そうと考えている方は、ぜひご参考ください。

3-1.本を出す目的は?

あなたが世に本を出すことは『何を実現するため(目的)』ですか?
目的は人によってバラバラでしょう。目的が複数ある場合もあるでしょう。
いずれも構いません。

あなたが本を出すことで何を実現したいのですか?
まずはその問いに向き合い、答えを書き出してみましょう。

3-2.本を読んでほしい人は?

あなたの本は『どんな人たち(ターゲット)』に読んでほしいですか?
本は出すことが目的ではなく、読んでもらえることが目的なはずです。
どんな人たちに書くのかを定義してみましょう。

3-3.本を読んだ人はどう変わるのか?

あなたの本を読んだ人たちは、書籍を通して何を得られるのでしょうか?

  • どんな悩みを解決できるのか?
  • どんな感情報酬を得られるのか?

の2つの視点で思いつく限り書き出してみましょう。

3-4.本のタイトルは?

タイトルは『3-1~3-3』で決めたことに沿ったものがよいです。
なお、企画書の段階では、タイトルはあくまでも仮としておきましょう。
本を作っていく家庭で、読者にとって最もインパクトのある言葉が思いつき、それがタイトルになることもあるからです。

3-5.本の目次は?

目次はタイトルと同じく仮として、まずは

  • 書きたいこと
  • 読者が読みたいこと

をベースに考えいくことをオススメします。

目次の内容や順番は後から変わることもありますので、そこまで深く考えず、思いつくままに書いてみることをオススメします。

4.まとめ

出版方法について広く解説してまいりましたが、参考になりましたでしょうか。

まずは出版企画書を書いてみようという方は別記事『出版企画書|テンプレート無料配布|出版社に企画を持ち込みする前に読みたい記事』も参考になりますので、オススメです。