
会社説明会のアンケート|無料テンプレート(フォーマット/サンプル)を有効活用する方法
採用活動に『効果のある』採用パンフレットと『効果のない』採用パンフレットは、何が違うのでしょうか?
答えはシンプルです。
「読者のことを徹底的に考え、寄り添っているかどうか」
これに他なりません。
採用パンフレット制作でよくある間違いとして、
「最近の若者(学生)は活字嫌いで文字を読まない。だから、画像やイラストばかりで、文字は少なめにしておいて」
とのリクエストする人がいます。
あえて厳しいことを言いますが、このようなリクエストをしてしまう人は、読者のことをまったく考えていないに等しいです。
そして、おそらくその会社の採用活動は『うまくいっていない』ことでしょう。
今回の記事では、計500社の採用ブランディングを手がけてきたリスナーズが、『採用パンフレット制作』のノウハウの一部をご紹介します。
前半は初心者の方にも、後半は上級者の方にも、役に立つ内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
採用パンフレットを制作する目的と役割は、大別すると2種類しかありません。
・読者の状態を変える
・認知を拡大する
それぞれ詳しく解説します。
読者の状態には、4つの段階があると考えられています。
あなたの会社について詳しくない読者の状態は、
「どんな会社なんだろう?(1.不理解)」
となっているか、もしくは、
「この会社はきっと〇×な会社だと思う(1.誤解)」
となっている場合があります。
すべての読者が最初は「1.不理解/誤解」の状態から始まりますが、人の状態は、新しいコンテンツを受け取ることによって変わります。
たとえば、採用パンフレットを読んだ後に、
「へーっ、こんな事業をしている会社なんだ(理解)」
「なるほど、だからこの新規事業を取り組んでいるのか(納得)」
「わたしもこの会社の一員として世界をより良くしていきたい(共感)」
と読者の状態が変わる。
これが採用パンフレットの役割なのです。
次に、「認知を拡大する」は、自社のことを知らない人に採用パンフレットを届けることによって実現できます。
具体的なアクションで言うと、たとえば合同説明会でブースの前を通り過ぎる人に採用パンフレットを渡すことです。
そして、採用パンフレットを読んでもらうことによって、自社のことを認知してもらう。
これも採用パンフレットの役割です。
人は忘れる生き物です。
有名なドイツの心理学者・エビングハウスの臨床実験によると、人がインプットした記憶は、4時間後には50%まで減少し、2日(48時間)後には20%まで減少します。
これは就活生も例外ではありません。人事担当者が会社説明会で熱く語りかけた話も、事細かに説明した話も同じく忘れてしまいます。
もっとシビアに現実を考えると、就活生は一定期間に何社の会社説明会にも訪れていますから2日後には、記憶は綺麗さっぱりなくなっていると考えても良いでしょう。
しかし、忘れられないようにするための最強の方法があります。
それは「復習」です。
人の記憶は、すぐに思い出せない記憶でも、最低1ヵ月間は潜在的に記憶していると考えられています。
そして、1ヵ月の間に繰り返し記憶を思い出すことで、脳が「何度も思い出している情報は大事な情報だ」と認識し、『長期的に思い出せる記憶として定着する』と言われています。
ここで、就活生に置き換えて考えてみましょう。
就活生は選考中に「採用サイト」、「配布資料(採用パンフレット)」、「メモ」を何度も見て復習します。
なぜなら「筆記試験」や「面接」の前に事前準備をするからです。
事前準備をする過程で、伝えた情報が記憶として定着していくのです。
しかし、もし事前準備の際に復習するための情報が少ない場合、就活生は情報を忘れてしまいます。
最終的に、就活生が複数社から内定をもらう際に、次の会社のうち、どちらの会社を選びますか?
たくさん記憶が残っている会社と、そうでない会社。
おそらく前者ですよね。
つまり、採用パンフレットは、最終的にあなたの会社を選んでもらうためのツールでもあるのです。
ここまで「採用パンフレット」の有効性ばかりを解説してきましたが、内容(コンテンツ)が悪ければ、まるで効果はありません。
そこで採用パンフレットの内容を磨くためのテクニックとして、
の3つを紹介します。
記事の冒頭にも書きましたが、
「若者(学生)は活字が嫌いだから、採用パンフレットは文章を減らして、写真ばかりにしてあげて」
とリクエストをする人がいますが、それは大きな間違いです。
決して学生は活字が嫌いなわけではありません。むしろ毎日スマホで浴びるように活字を読んでいる学生に対して失礼です。
本当に嫌いなのは活字ではなく、自分たちが「知らない言葉」がたくさん出てくる文章なのです。
この事実は説明するよりも、実際に試したほうが早いので具体的な事例を紹介します。
Wikipediaの『釣り用語』の解説記事から、次の文章を引用してみました。ざっと読んでみてください。
トップウォーター(topwater)はルアーフィッシングにおいて、特にバスフィッシングで使われる用語で、水面および極めて浅い水中で使用されるルアー群であるトップウォータープラグ、もしくはこれらのルアーを使用する釣りのスタイルトップウォーターバスフィッシングのこと。
初期のプラグは木片を削って作った浮力の高いもので、すべて水に浮くトップウォータープラグであった。技術の進化に伴ってミノーやクランクベイトに代表される引くと潜るルアーや、バイブレーションのように重く沈むルアーが多くなると、比較的釣れにくいトップウォータープラグは、条件の揃ったときにしか出番のない難しいルアーとして陰に隠れていた。
しかしフッキングの瞬間が目で見られる魅力と、懐古趣味のようなものが混ざり合って、一部のバサーの間で人気が再燃し、トップウォーター専門の本や雑誌が発売されるに至った(このようなアングラーをトッパーという)。さらに専用のタックル(リールや竿)も開発され、専門店も登場するなど、現在では新たなジャンルとして完成されている。ただしトップウォータープラグのみにこだわり、潜るルアーやワームを一切使わないという徹底した志向は、日本独特の現象である。
いかがでしょうか?
おそらく、釣りに詳しくない人にとっては、非常にわかりにくい内容でしょう。
人は、知らない言葉がたくさん出てくると、理解ができず『不快』な気持ちになります。
これは学生だけでなく、誰でも同じです。
そして残念ながら、このような問題は「採用の現場」でも起きているのです。
よって、採用パンフレットに限らず、情報発信は次のことを心がけるとよいでしょう。
・学生が知らない言葉は極力減らす
・学生が知っている言葉に置き換えて表現する
これが初歩的なテクニックです。
採用パンフレットの内容について、
「とにかく学生の心を動かしたいんです!」
「もっと伝わる文章にしたいんです!」
とのリクエストがありますが、それなら簡単です。
「説明」ではなく、「エピソード」を効果的に使ってください。
たとえば「部下想いの上司がいる会社」であることを伝えたいときに、そのまま
リスナーズは、部下想いの上司がいる会社です
と伝えるのはただの「説明」です。そして『つまらなく、何も伝わらない最悪の文章』です。
しかし、エピソードにすると劇的に変わります。
「おたくの会社とは、もう取引をやめます!」
リスナーズの吉田は入社してから半年後、自らのミスでお客様を失った。
最初は小さなミスだった。吉田はそのことに気づいていたが、
「まあ、なんとかなるだろう…」
と誰にも相談せずに放置しているうちに、問題が大きくなっていたのだ。
お客様への謝罪の帰り道、一緒に訪問していた上司の松嶋が、吉田に頭を下げてこう言った。
「すまなかった。今回の件は、すべて俺のミスだ。吉田からの報告を拾ってあげられなかった俺が悪かった」
実際には、松嶋からは何度も「あの案件どう? 困ったことがあったら何でも言ってね」と聞かれていたが、初めて自分に任せてもらった仕事でミスがばれて、がっかりされるのを怖がっていた吉田は、無謀にも「大丈夫です!」と答え続けていたのだ。
「――あの日から、私は変わりました。『これ以上、松嶋さんの顔に泥は塗れない』と思い、それからは自分がミスをしたときは恥ずかしくても隠さずに報告するようになったんです」
かなり省略して表現しましたが、このような『エピソード』があるだけで、「部下想いの上司がいる」の伝わり方が全然違いませんか?
ただし、エピソードは『文章が長くなる』というデメリットもあるので、伝えたいポイントに絞って効果的に使うことをオススメします。
前述の「エピソード」をさらに臨場感のあるための上級テクニックです。
これもわかりやすいよう事例を使って解説します。
「貯金が底を尽き、恩師がなくなったときにも香典を出すことができず、お葬式に参列できなかった」
この文章を臨場感のあるものにするために、「お葬式に参列できなかった」との文を次のように変更します。
「貯金が底を尽き、恩師がなくなったときにも香典を出すことができず、葬儀場の外から手を合わせるしかできなかった」
「参列できなかった」という表現では、そのときに「どんな行動だったのか」は伝わりません。
その一方で、「葬儀場の外から手を合わせるしかできなかった」だと、恩師のために葬儀場の近くまで行きながら、お金がないために参列できないことへの無念、悔しさのような臨場感が伝わってきませんか?
かなり高度なテクニックですが、ぜひ制作の参考にしてもらえれば幸いです。
今回、記事の制作にあたって、採用パンフレット制作が得意な制作会社を調査しました。
インターネットで開示されている『制作事例』の「コンテンツの質」で審査したところ、「1社だけ」は高いクオリティだったので、ご紹介します。
本当はもっとたくさん紹介したいのですが、この記事の読者さんのお役に立つことが最優先なので、省略しました。
※「我こそは!」と思う制作会社さまは、事例を送っていただけますと審査の上、こちらの記事に反映いたします。
こちらの制作会社さんの制作実績をいくつか見たときに
「この制作会社さんのコンテンツレベルは高いな…」
と率直に感じました。
ブランディング、コンセプト、デザイン、コンテンツの細部に至るまで、一本筋が通っているような『匠の業』ですね。
次に紹介するのが、この記事を書いているリスナーズ株式会社です。
採用パンフレット(ブックレット)500社以上の導入実績のある「LISTEN」の運営会社。
もともとはパンフレット制作などを得意としている会社でしたが、現在は『書籍の出版』や『メディア運営』をインとしており、「コンテンツ制作」の歴史は17年以上あります。
手前味噌ながら、「ストーリー/エピソードの構成」「文章力」は『出版品質』です。
特に『共感する』採用パンフレットを作りたいなら、弊社リスナーズにお任せください。
また、リスナーズで作成している採用パンフレットのサンプルを見てみたい方は「採用パンフレット」からダウンロードできますのご参考ください。
<合わせて読みたい>
・【リスナーズ流】求める人物像・人材像の決め方/書き方(例文あり)
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<文・編集:リスナーズ/吉田>
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