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【#コロナに負けるな】LISTENx KGF online Vol.6 中国で活躍する建築家・ヘアスタイリストに訊く 過去・現在とコロナ時代の未来

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中国の建築・美容業界を作り上げてきた二人の著名日本人が語る 建築・美容業界のこれまでとこれから

世界で注目される二人の日本人が中国で活躍するようになった理由とは コロナショックによる変化、それをどう乗り越えるか

主催:LISTENx KGF online

北京朝倉時尚形象設計有限会社
COO
朝倉 禅 / Zen Asakura


SAKO建設設計工社
代表
迫 慶一郎 / Keiichiro Sako

※Vol.5は登壇者の希望により、記事化しておりません。ご了承ください。

イントロダクション

第6回目となるLISTEN x KGF online主催のオンラインイベント。今回は、中国で活躍されているお二人の過去、現在、そしてwith コロナ時代 の展望をお聞きしました。

お二人の現在の活動とそこに至るまでの経緯について教えてください。

迫氏:
私は2000年に北京で建外SOHO*1のプロジェクトのコンペに参加しまして、これを勝ち取ったことをきっかけに北京での活動を始めました。その後2004年に独立し、現在は東京、福岡を含めた3か所に事務所を構えています。

本業は建築家ですが、現在はインテリアデザインやトーンモバイル*2のデザインディレクターなどもしています。

朝倉氏:
2002年頃、地元香川の美容室にいた私は「将来どのような場所で美容業に携わっていくのがベストなのか」を考えアジア各国を周りました。そして、当時もっとも将来性がありそうだと感じた中国をその場所として選び、北京に進出したのが2004年のことです。

そこからヘアサロンをオープンし、現地の人とスクラムを組んで、中国のヘア文化をいかに変えていけるかを追求しながら美容業に携わってきました。

その中で、メディアやインフルエンサーの方とつながりを持つようになり、日本のインバウンド、アウトバウンド発信のお手伝いやイベントプロデュースの依頼を受けるように。

そして、広告会社Reflections general officeを設立しました。現在はこのほかに美容教育事業、美容器具開発などにも取り組んでいます。


*1 建外SOHOは北京にある大型複合施設。アパート、オフィスビル、テナントが集まっている。

*2 トーンモバイルとはシニア・小中学生を対象とした格安スマホである。

活動の場として中国を選んだ理由は何でしょうか?

迫氏:
私が中国で活動するようになったのは偶然でしかありません。著明な建築家である山本理顕さんの建築事務所で働いていた時、担当したプロジェクトが北京の建外SOHOプロジェクトだったのです。当時の日本が閉塞感に包まれていた中、「海を渡ればチャンスがある!」そんな風に中国が見え始めていた時のことでした。

日本の設計では、大開発になればなるほど自分の関与できる割合が減っていきます。全体の一部として参加するだけになってしまうのです。

しかし、このプロジェクトは大きなプロジェクトであるにも関わらず、一設計事務所に全てを任せてもらえました。そこでは、自分が考えていたものを全て実現できてしまう。これが中国で建築をする醍醐味だと感じましたし、取り組む中で大きなモチベーションとなっていました。

ただ、それだけで中国に残ることを決めたわけではありません。実はその後は中国を離れてニューヨークに渡る予定でした。しかしそんな時、別の良いプロジェクトを紹介してもらうことができ、それがきっかけとなって中国に根付くようになりました。

朝倉氏:
私が美容業を始めた当時、日本ではカリスマ美容師がブームでしたが、それがずっと続くことはないだろうと感じていました。

そこで、自分たちの時代では何をしようかと考え、アジアを周って歩いたのですが、中国、とくに北京や上海を見た時、街中におしゃれな人があふれている訳ではないものの、テレビや雑誌などでは欧米や日本のファッションを取り入れている人が数多くいることがわかりました。

ここに中国の美容に対するエネルギーを感じ、自分たちが参入することで中国の美容業界をリードできたら面白いのではないかと思った訳です。

ヘアサロンのオープン場所を北京にしたことにも理由があります。流行の先端にいるのは北京より上海の方でしょう。しかし、北京は情報発信の中心であるという点で、自分たちのブランディングにはより良いと考えました。

ただサロンを作るだけではなく、人に来たいと思ってもらえる、実際に来てもらえるサロンにする。それを実現するため、テレビや雑誌などメディアの仕事をもらえるよう交渉したり、イベントを開催したりして多くのつながりを作っていきました。

一番苦労したことは何でしょうか?

迫氏:
中国でのビジネスで一番大変なのが、設計料が決まった通りにもらえないことです。こちらに来てからしばらく経ちますが、未だにもらい損ねることがあります。

信じられないことですが、中国では「支払いをいかに先延ばしにできるか」が経理の評価につながるという習慣があり、これが原因のようです。

朝倉氏:
手ごたえを感じられるようになるまでのトライアルが非常に大変でした。

もちろん言葉の壁もありますし、私達にも自分のスタイルがある中で中国の方々が求めているものをくみ取ることは難しく、最初の一年くらいはなかなか手ごたえを感じることができませんでした。自分ではうまくいったと思っても、お客様の表情をみると満足してもらえていなかったりして…。

中国の方が求めているものに合わせていかに自分たちのスタイルの形を変えていくか、リメイクしていくかというローカライズ化に時間がかかりました。

ただ、中国での感覚、常識、やり方というものがあるので、未だに苦労は尽きません。

中国から撤退する日本企業、日本人も多い中でお二人が活動を続けられている理由は何でしょうか?

迫氏:
私は中国で初めて日本人建築事務所をオープンしましたので、誰よりも早く中国でのキャリアを始めることができました。そのため、他の方より実績が多いんですよね。これが今も中国で生き残れている理由の一つだと思います。

それから、現地の中国の設計事務所と同じようなことはやらないようにしています。デザインを強く望まれているクライントだけに向けて、全力で良いデザインのものを作る。そうすることで、「中国人に設計できないものを設計してくれ」と言われるようになりました。

建築の良いところは、一度建物が建ってしまえばそれが看板として実績として残ってくれるところです。僕にとっては建外SOHOがそれにあたりますが、それが広告としての役割を担ってくれています。

朝倉氏:
活動の軸はもちろんヘアですが、そこから派生したビジネスを作ることに注力してきました。それが今携わっている美容教育事業、広告、整骨などのビジネスです。

サロン以外の事業があったため、例えサロンが苦しくてもなんとかなりましたし、それによる相乗効果が生まれたこともあります。いかに別のキャッシュポイントを作るか、そして相乗効果を生み出すか。また、いかに他の方に協力してもらい新しいものを作っていくか。これを意識してきました。

新型コロナウイルス 流行後の状況を教えてください。

迫氏:
中国にいた日本人は春節前にちょうど帰国していました。ところが、春節の間にコロナが拡大してしまい、それでなかなか中国に帰ることができないという人が多かったように思います。

私自身はどうだったかというと、もともと春節明けはなかなか仕事が動き出さないこと、リモートで指示を出す体制が出来ていたことから、少し状況が収まってから中国に戻ろうと考えていました。しかし、そうこうしているうちに東京でも感染が拡大し、大変な状況になってしまいましたね。

現在、中国では新規プロジェクトの受注がない状況です。ただ、設計事務所で請け負う仕事は年単位のものなので、仕事が急になくなるということはありません。とは言っても、新規プロジェクトが決まらないため、やはり今後が心配です。

現在の仕事に関しては、これといった大きな変化もなく進めることが出来ています。 コロナ流行前から指示などをリモートで行う体制が出来ていたためです。

日本では、新規プロジェクトの受注がまったくないわけではありませんが、やはり受注は少なくなっていますね。幸いにもコロナが流行する前に決まっていたプロジェクトがあったため、現在も仕事はあります。しかし日本全体で見ると、設計事務所に対する発注は相当少なくなっているでしょう。

朝倉氏:
北京でも春節のころから不安は広がっていました。私自分自身はサロンで働くわけではないので普段はリモートでも問題ありませんでしたが、コロナの不安が広まったこの時はいつでも対応ができるようすぐに北京に戻りました。

実は中国では旧正月明けに髪を切るのは縁起が悪いという風習もあり、それがコロナの影響と合わさってサロンの客の落ち込みは激しかったです。

コロナがある程度収まってからは元に戻りつつあったのですが、第二波の到来でまた落ち込んでしまいました。

今回の件で、中国人のライフスタイルは大きく変わったと思います。これまでは「周りの人からどう見られるか、自分をいかにきらびやかに見せるか」に重きを置く人が多かったのですが、コロナショックを経て「今自分が何をするか、身内や友達に対してどうするのか」に重きを置くようになったようです。それに伴い、お客様が求めているスタイルも変化してきました。今までは、他の人より可愛くして目立つスタイルが求められていましたが、今は自然で長持ちするようなスタイルにといった感じです。

また、私たちの仕事にも変化がありました。美容室は来てくださるお客様がいないことにはビジネスが成り立ちませんので、来客が見込めないとなれば、美容室以外のところでスタッフが仕事に向き合えるようなものを作っていかなければなりません。そこで、私たちは、抖音(ドウイン)*3 と契約を結び、新しい美容やファッションを発信し始めました。現場でお客様と直接やり取りをしなくても、私たちの美容を届けていけるような事業を作っていこうという想いからです。

それから、予定ではアジアの他の地域でも美容器具を作り展開するつもりだったのですが、今回のことで直接現場に出向くのが難しくなってしまったので、これについてはYouTubeチャンネルで配信をするという方法に変えました。配信をしながら見てくれる人を増やし、美容器具や教育をオンラインで届けていけるようにしたいと考えたからです。

まさに新しい時代の美容の在り方を模索しているといったところですね。

最後に、アフターコロナの時代におけるこれからの展望についてお聞かせください。

迫氏:
私は、これまでも長期的な展望はなく、目の前の仕事をひたすらこなしてきました。コロナについてもいずれ元に戻ったときに取り戻せばいいやという感覚でいます。

仕事については、今後も建築設計だけに限らずデザインなども含めて多角的にやっていきたいですね。

また、以前よりも時間が増えたので、これまでできていなかった対外発信にも取り組んでいこうと考えています。実は最近インスタグラムも始めたんですよ。このスタイルのSNSでは、写真をぱっと見るだけでその人のやっていることがわかります。この点で、インスタグラムは建築家の私にとって非常に相性のいいメディアだったんだと今さらながら実感しています。

朝倉氏:
サロンについて言うと、コロナによってこれまでとは違ったビジネスの在り方やリスクが生まれたと感じています。

これまでのように直接来てくれるお客様だけに対応するというスタイルでは、また同じようなことがあったときにスタッフを守ることはできないでしょう。これからは、現場に行かなくてもできるようなやり方、動画による発信などをいち早く作っていくべきです。

実は今配信している動画は22ほどの言語に翻訳していて、今まで行ったことのない地域の方にも見てもらうこともできるようにしています。これからはこういったものを活用し、実際にその場所に直接行ってお店を作らなくても私達が発信したい美容を形にできるようなビジネスモデルを作っていきたいよ考えています。

*3抖音は中国版のTikTokである。

執筆・編集/植田沙也加、伊野紗里奈、若松現

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