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【#コロナに負けるな】LISTENx KGF online Vol.4 イスラエル在住女性日本人起業家2人の語る 本当のイスラエル

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近年にわかに注目を浴びる中東のスタートアップ大国の姿に迫る

日本と「真反対」の国民性、90年代からのIT戦略 資源量や国土の小さい国で、スタートアップが発展してきたその鍵とは

主催:LISTENx KGF online

TripJunction
共同代表
Miho Beck


ツォメット・ナカシマ
代表
中島直美 /Naomi Nakashima

 

イントロダクション

LISTEN×KGF onlineイベントの第4回。中東のシリコンバレーと呼ばれ、日本のベンチャー界隈でも注目の高まっているイスラエル、その知られざる姿を現地で活躍する2人の女性起業家にお聞きした。

自己紹介と近況についてお聞かせください。

Miho Beck氏:
私自身はイスラエルに定住して16年になります。現在TripJunctionというプラットフォームを運営しており、日本在住のガイドが提供する、土地やガイドの個性を生かした体験などを訪日旅行者の方々に予約していただけるようなサービスを提供しています。

コロナの影響を真正面から被りましたので、現在は市場の回復を見据えながら、少し方向性を変えたビジネスモデルへ移行をしている最中です。今後はゲストハウスや民泊とのコラボレーションをしていくほか、弊社の戦略パートナーであるイスラエルのトラベルテック企業が日本市場に参入する際のPRなども手がけていきます。

TripJunctionを起業したきっかけは20年程前に遡ります。私は学生時代から旅行が好きで、同時にヘヴィメタルの熱烈なファンでもあったため、ロックの聖地であるイギリスで本場のメタルシーンを体験したいと思い立ちました。

しかし当時はネットが普及しておらず情報を得るのも難しかったため、現地のファンと知り合いたくても手段が少なかったのです。そんな中、なんとか手を尽くしてイギリス人の友人を得まして、共通の趣味を持つローカルの方と交流して特別な時間を過ごせたその旅は、今でも鮮明に思い出せるくらいに印象深いものとなりました。

そして、こういった体験をもっと気軽に、安全に、みんなができるようになったらいいなと思ったことが、私の起業の原点です。実現させるまでには長い時間がかかりましたが。

イスラエルに来たきっかけは、仕事を辞めて長期で旅をしている途中、イスラエル人である今の夫に出会ったことです。当時はどんな国かもほとんど知りませんでした。

そうして初めて足を踏み入れたのが1999年、ちょうどインターネットバブルの真っ最中でした。私自身、こちらに来て最初に決まった職場が、世界初のインターネットブラウザのツールバーを開発している会社でした。

その後いくつかのスタートアップ企業で、日本人向けの製品のローカリゼーションや製品開発、マーケティングに関わってきました。

さて、イスラエルがこのようなスタートアップ大国になったのには、大きく2つの理由があると思っています。

1つは、人口も少なく資源にも乏しい、かつ非友好国に囲まれている地理条件で、軍事をはじめとした技術開発が必須であったことです。そこからテクノロジーが重要な産業の1つとして発展していきました。

多くのスタートアップ企業が最初から世界を見据えており、他国からのイスラエル企業への投資も増えてきています。

コミュニティもたくさんあって、私たちも市が運営する起業支援施設に入居しています。かなり安価でコワーキングスペースを借りることができるほか、法務や財務などの専門知識を持ったメンターが登録されており、いつでも無料で相談することができます。

スタートアップ大国となったもう1つの理由、私はこちらの方が大きいと感じているのですが、それは人の気質、イスラエル人のメンタリティです。

彼らの気質を表す言葉として、「Chutzpa」があります。端的に言ってしまえば図々しいとか厚かましいといった意味の言葉ですが、ポジティブな側面に光を当てれば、周囲の反対意見や逆風を物ともせずに自分の意思を貫くという意味もあります。この精神が、イスラエル人の起業家が多いことにつながっているのではないでしょうか。


中島 直美氏:
私は、日本とイスラエルをつなぐような仕事を色々とした後に、3年前から個人コンサル業務をおこなっています。日本の会社の中においても、イスラエルのスタートアップへの注目度が高まっているため、そうした事業へのお手伝いができればということで始めました。

それから、イスラエルの気質を日本に持ち込みたいということも考えています。イスラエルの方と日本の方はある種正反対の気質を持っていると感じているので、お互いに補完しあうことができれば何か素敵なことができるのではないかと思って。

国土の6割が砂漠で水も少ない、石油も出ない。そんな土地にやってきたユダヤ人がどうやって暮らしていくのか、その工夫がイスラエル発展の鍵なのではないかと考えています。

90年代後半には政府が、コンピュータサイエンスやインターネットの方面、エンジニアの育成に注力する方向へ舵を切りました。当時は現在のように通信機器が発展していくことは想像すらされていませんでしたが、今日こうやってほとんどの物事が手の中に収まるようになって、水や国土、資源の少ないことは国にとってもはやたいした弱点ではなくなりました。

マイナス面のカバーよりも、未来を見据え国を挙げて経済や技術を発展させ、外国からの投資を引っ張ることを優先しました。その結果がスタートアップ大国に上り詰めた 現状であると言えます。時代の先端をうまく掴んだのですね。

MihoさんがChutzpaという言葉を挙げてくださいましたが、私も本当にその通りだと感じています。失敗しても全然くじけないどころか、妥協して丸く収まることを是としないような印象さえ受けます。

その点において、調和を重視する日本人とはちょうど真逆の性質を感じます。この気質にもおそらく理由があって、イスラエルには多様な出自、宗教の方々が住んでいるのですね。ですから、主張をしないと生きていけないのです。

各々が言いたいことを言いますし、黙っていたら何も考えていないと思われます。こうした気質がスタートアップを作るのにふさわしいのでしょう。何回失敗してもくじけない、自分がしたいからするんだという精神性が、こうした場所で発揮されてきているのだと感じます。

さて、コロナウイルスによる影響についても少しお話しさせていただこうと思います。

イスラエルにおいても、コロナウイルスの感染はかなり広がりました。現在は第2波が始まるか始まらないかといった状況です。対応自体は国際的な標準と比べると早かった方だと思います。

3月9日、まだ死者が出ていない時点で出入国が全て禁止になり、15日には教育機関も娯楽施設も停止されました。日本と異なるのは、法的に全て定められていた点です。

PCR検査も精力的に実施されました。検査数の多さは人口比で言えば世界で1番です。風評被害を懸念する風土でもないため、感染者の動線に関わる情報は徹底的に公表されました。国民自体も公表に乗り気なところがあり、自らFacebookなどで感染を公言する人もいます。

このように、イスラエルではかなり早めかつ徹底的に感染対策をおこなってきたのですが、規制の解除などもかなり早い段階でおこなわれました。

これは私の感覚と推測になりますが、イスラエルの人たちには1つの問題に全力投球する傾向があるのではないかと思っています。コロナウイルスが問題になったときには他のすべて後回しにしてまず感染対策を徹底し、落ち着いたところで経済が傾きかけているとなればそちらへ駆け出していく。とは言え、検査も研究もかなりおこなわれていますので、バランスの実験をしている最中なのだと思います。

日本人と気質が正反対だというイスラエル人たちの社会で、どのようにそこに適応していったのかについて聞かせてください。

Miho Beck氏:
そうですね。やはり精神性が日本と正反対なので、最初はなかなか馴染めないところもありました。ただ、皆間違いを恐れずに堂々と意見を主張するし、それを周りが当たり前に受け入れるような感覚があることがわかってからは、逆に居心地が良くなりました。日本から来られる方達も、そうした温かい人柄のファンになって帰国されていくように思います。

また、ヘブライ語があまりわからなくても、海外市場を相手にしている企業が多いことから、英語が使えれば仕事の上で困ることはありません。生活する中では少し疎外感を感じることもありますが、それでも、例えば30人の中で言葉がわからないのが自分だけだったとしても、わからないから英語で説明してくれとそう主張することさえできれば、嫌がられずに教えてもらえる、そういった感じです。

イスラエルに入国するのは大変だと言う話が日本人の間では共通の話題になりますが、こういったハードルに関して、どう思われますか。

中島 直美氏:
実は、イスラエルへの入国自体はそこまで難しくありません。それよりも、イスラエル行きの飛行機に乗るまでの出国の方が難しい仕組みになっています。理由はテロ対策です。

イスラエルが戦争開始を宣言するための条件というのがいくつかあって、そのうちの1つが「飛行機を落とされたら」なのです。もちろん旅行者のことは歓迎したいのですが、そのために万が一にでも飛行機が墜ちてしまったら戦争が始まってしまう。だからそれは避けたい。

私も昔はよく出国審査の際に別室に連れて行かれたりしました。本人も知らない間に爆弾などを持たされている恐れがあったからです。とは言え近年では軟化していると聞きます。技術が発達して以前よりも精密な荷物検査が可能になりましたし、最近では別室に連れていかれるといった話もあまり聞かなくなりました。

原則として国民皆兵制の国なので、女性も含むほとんどの人に従軍経験があって、軍事に関する考え方が日本とはまるで違います。そんな中で暮らしていて、戦争が起こってしまうということに関してはこの20年で色々考えさせられてきました。

最後に、イスラエルの魅力について教えていただけますか。

Miho Beck氏:
イスラエルは国土が小さいので、エルサレムから南部の砂漠まで、10日もあれば見所は全て回れると思います。テルアビブは近代的で若者のエネルギーに溢れた街ですし、ビーチも綺麗です。

そこから車で45分程度、エルサレムに行くと空気感はまた全然異なり、大宗教の聖地とあって、重厚な雰囲気が漂っています。色々な世界の人がいて、色々なことを体験できるので、いらしたらきっと好きになってもらえると思います 。

中島 直美氏:

実は、治安に関して言えば非常に安全なんです。私自身、夜に外を出歩くなら日本よりもこちらの方が安心できると感じています。何かあっても声を出せば必ず誰かが来てくれる安心感もありますしね。

それからワインが美味しいですよ。葡萄畑がたくさんあるんです。聖書の時代からの飲みものという意味でも長い歴史があります。食事に関しては、本当にいろいろなルーツの人がいるので、そういった面でも多様です。誰かを案内するときは、相手を見て自由に行き先を選べるくらいにバラエティに富んでいます。

執筆・編集/塚田真悠子、伊野紗里奈、植田沙也加

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