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LISTEN × KGF online Vol.14 -途上国のドラゴン桜- アジアの途上国に最高の教育を届ける日本人起業家

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世界の果てまで教育を届けたい
NPOとしての途上国教育支援の心構えとは

主催:LISTENx KGF online

e-Education
代表
三輪 開人 / Kaito Miwa

イントロダクション

2020年9月18日、LISTENと学生フォーラム(略称:KGF)のコラボレーション、LISTEN x KGF onlineによるオンラインイベントが開催されました。14回目となった今回は、バングラデシュを中心に、4ヵ国でオンラインによる教育を提供する、三輪開人氏をお呼びし、途上国の教育に対する思いや、日本の学生に対する思いを話していただきました。

e Educationで行っていることを教えてください

e Educationは、「最高の教育を、世界の果てまで届けたい」というコンセプトの下、運営されているNPO法人です。10年前に活動を始めまして、途上国で農村に暮らしているような子たちに対して、オンラインによる最高の教育を、低い価格や無償で提供しています。運営モデルとしては、東進衛星予備校さんや、スタディサプリさんが近いですね。撮影した映像授業を、オンラインで配信するという形式をとっています。

逆境にある人が、現地の最高大学に受かるという『ドラゴン桜』のようなモデルを10年前に思いつきまして。バングラデシュの人にただただ教育を提供するだけでなく、現地の最高学府であるダッカ大学に合格させるという目的でやっており、現在10年連続で合格者を出しています。

ただ、大学受験というのは限られたシートの奪い合いになりますよね。そのためだけに教育を施すのは疑問に思ったので、良い起業家や経営者との出会いを、学生に届ける活動も行っています。また、生徒の中に日本で働きたいという子もいますので、そのような子が日本へ行くための支援もやってきました。

現在、バングラデシュ、ネパール、ミャンマー、フィリピンという4つの国で、上記のような活動をしています。各国でパートナーとなる団体がありまして、ネパールではNPO,フィリピンでは教育委員会、バングラデシュでは株式会社とNPO、二つの法人を持つところ。このように各国様々な団体からのサポートの下で、運営しています。

この提携先は、実は過去に日本の大学生が見つけてくれたものなんですね。最初、e Educationは日本の大学生を1ヵ国1人で現地に送り、現地でパートナーと先生を探し、教育を届けるという活動もしていました。

今考えるとあまりにも無茶なことですが、それでも途上国で教育支援がしたい、という子が当時はたくさん来てくれたんですよ。その子たちは、原体験としてDVDやスマホで教育を受けた世代で、それを途上国の子にも届けたいという強い式がありました。テクノロジーで国際協力を行うという考えは、若い人にしかできないところもあるので、そうやって開拓を行っていく若者は日本の希望だと思いますね。

教育を届ける仕組みを教えてください

10年前に開始した時は、明かりの内容な村で教育を届けていました。なので、DVDに授業を録画し、寄付でもらったPCとソーラーパネルという必要最低限の装置があれば授業が受けられるようにしていましたね。

これが2015年から大きな変化が生まれました。貧しい村の高校生たちがスマホを持ち始めたんです。バングラデシュは国土の9割が盆地だったので3G電波がいち早く普及しました。ですので、2017年からスマホで見られるコンテンツに切り替えてゆき、今では全国で授業が受けられるようになっています。

日本でいう東大レベルの、ダッカ大学に受かるような教育をオンラインで提供できるのか、という声をよくいただきます。これに関しては、映像授業をただ受けるだけでは合格できないというのが正直なところです。

なので、生徒のモチベーションを維持したり、スケジュールを管理したりするチューターが必要になってくるんですね。村でサービスを届ける時には、村ごとに難関大学出身のチューターが入るようにしています。これは創業時からずっと意識していることですね。

これに、アセスメントという学力を測るテストが組み合わさることで、授業を本当に生徒が理解しているのか、次は何をするべきかをチューターがアドバイスし、成績の向上を目指します。

コロナが始まる前は、その村出身の子たちにオフラインでチューターをすることにこだわっていました。ですが、バングラデシュでもデイリーで4000人ぐらい感染者が出るようになってしまったんですね。なので、首都圏の大学生が、オンラインのチューターができるように新しく仕向けました。

すると、面白い変化がありまして。バングラデシュはイスラム教の国なので、女子大生の子たちが、夜に外出してアルバイトができなかったんです。ですが、オンラインのチューターサービスを始めたことで、これらの女の子が参加できるようになったんですよ。

今までは、女性の高校生が村から大学に行くロールモデルを探すのは難しかったんですね。ですが、今はかっこいいお姉さんたちからアドバイスをもらえるようになり、やる気を出す子が増えてきています。このような男女間格差の是正が、自分たちが現在出せる最高の価値だと思っています。

以上のように、オンラインで教育を届けるというベンチャーが増えてくる中で、農村の一番厳しい環境の子にも届けられるサービスを作ることにこだわっていますね。他の工夫としては、高画質ではなく、あえて画質を落としたり、動画をストリーミングでなく、ダウンロードに対応させたりしています。電波状況がまだまだ悪い地域に住む子も多いので、そのような子たちを中心に添えたサービスを作っています

途上国の教育にNPOとして関わるようになった経緯を教えてください

出身は静岡県の掛川市という、非常にのどかな田舎町です。そこから東京の大学へと行くことができたのですが、その際にお世話になったのが東進ハイスクールだったんですよ。なかでも一番お世話になったのが、「今でしょ」で有名な林修先生でして。その授業内容とカリスマ的オーラに感動し、上京後は東進でアシスタントをしていました。

このアシスタントをする中で、人を志望大学へと送る楽しさに目指しまして。大学受験のゴールは大学に入ることではなく、どれだけ「やりきった」と思えるかなんですね。田舎町出身の自分でも、その様な経験を得られたので、他の子たちにも提供したいと思ったんですよ。そして、途上国の貧しい子たちに、自分たちの環境を理由に夢をあきらめてほしくないと考えるようになりました。それで、途上国で旗を立てることにしたんです。

それで、大学4年の時にe Educationを立てたんですが、その時には実はJICAに行くことを決めていたんですね。JICAに行こうと思ったきっかけは、バックパッカーで東南アジアや南アジアを回った時の経験です。ラオスで一回倒れてしまったのですが、その時に現地の人が助けてくれたんですよ。

その人曰く、昔JICAの青年海外協力隊というボランティアに、すごくよくしてもらったとかで。日本愛がそれで深まったと言ってたんです。それを聞いたときにJICAがめちゃくちゃカッコいい仕事してると思ったんですね。そこで、次の日本の世代の人が、自分と同じように他国で困っていても助けてもらえるような社会を作りたいと考えたんです。

ただ、JICAは国の組織なので、どうしても草の根的な活動をするのには向いていないという側面がありました。ですので、草の根でできる活動をするべく、副業的にe Educationの活動は続けました。

ここで、僕がe Educationでできることは、JICAの経験を生かして事業を1から100にすることでした。0→1の部分に関しては、創業者の税所君が途上国を飛び回ってプロジェクトを立ち上げるという天才的な若者だったので、彼に任せていました。

やがて、彼はNPOでないからこそできる活動があるんじゃないかということで、別のところへ行きまして、僕がe Educationを引き継ぐ形になっています。今の僕のミッションは、税所君や提携先を作ってくれた大学生たちがまいた0→1の種を、1→100にするべく、新しい国へ行くのではなく、しっかり国のインフラにするまで伸ばすことですね。

2016年のバングラデシュでのテロ事件のことを教えてください

直後は、実行者が若者だったということで、若者支援の団体としてすごく申し訳ない気持ちと、何かできたのではないかという思いがありましたね。日本に帰った時にメディアに出る機会がありまして、匿名性のSNSで「テロリストの生みの親」みたいな言葉をもらうことがありました。

スルーしてもよかったのですが、一部当たっているのかもしれないという思いがありまして。自分のやっている活動が教育格差を助長したり、落ちた生徒が自分たちを恨んだりしていてもおかしくないと考えてしまい、うつ状態になってしまいました。

ですが、この時支えてくれたのがバングラデシュの仲間や生徒たちだったんです。現地に行って実際にヒアリングしなければ、自分の教育の効果は実感できないと思い、2017年の2月にふたたびバングラデシュへ向かいました。

すると、落ちた子含めてすごくいい子に育っていまして。さらに、ロヒンギャ問題の時、政府や国際機関は二国にまたがる問題なので、動けないといった状態である中で、最初に動いたのがe Educationを受講していた若者たちだったんです。

この時、僕たちが育てていたのはテロリスト予備軍なんかではなく、何十万人という命を救える未来のリーダーであると認識できました。また、現地にて大学生や高校生と一緒に活動する中で、自分がやっていることは、ただいい大学を目指すということだけでなく、国と国を繋げる温かい仕事であるとも思いました。

大学受験の受かった落ちただけで決めるのではなく、落ちたとしてもそれを逆境として、成長できる可能性がある。このような、様々な子供たちの可能性を信じて、社会を変えるリーダーを作っていけるのだと思わされましたね。

日本の学生へのメッセージや、今後の展望をお願いします

バングラデシュでは、アルバイトで学費を稼ぐような、大学に通い続けられるか微妙な子も多いのが現状です。しかしながら、そういう子でも「村の子たちはもっとひどいので、何かできることはありませんか?」と真剣に聞いてくるんですね。

このような、厳しい環境であっても、もっと厳しい環境にある人たちを助けたいというたくましさからは、日本の大学生は学べることがたくさんあると思います。困難に立ち向かったときの、意識の変え方や視点の向け方。途上国の学生から学べることは本当に多いです。

途上国の学生の姿を見て、日本の学生が新しいことに働きかける、というような連鎖反応が起こると僕は信じていますね。e Educationは遠い国の課題を解決していると思われがちですが、そこから現在苦しい状況にある日本の学生たちの解決策も見つかるのでは、と考えています。

今後の展望としましては、遠くない未来に、国際協力が逆転するのではないかと思います。今までの国際協力は、日本が途上国の課題を解決する、というものでした。ですが、これからは途上国の若者が日本の課題を解決するようになっていくと思います。

e Educationでは、日本の大学生が途上国の教育問題の解決の上で、現地のパートナーを見つけてくれました。これと同様に、途上国の若者が日本の社会課題を解決したいと思って呉れた際に、日本側でもパートナーを作る必要があります。

それは、大人の世代が応援することももちろん大事ですが、同じ目線の日本の若者が、途上国の若者と手を取り合うことができるかどうかが鍵になってくると思います。これから世界を作っていく若者には、途上国の若者と手を取り合って、ともに世界を作っていってほしいし、大人も若者の挑戦を応援し続けるようにしていきたいですね。

Staff

執筆・編集 / 若松現

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