「ワーケーション」という
新たな働き方を提供し
日本のビジネスシーンに
変革を起こす

株式会社東急シェアリング

金山 明煥Akinori Kanayama

代表取締役社長/工学博士(都市計画)

米国留学で視野を広げ、東急グループの構造改革に手腕を発揮

東京都出身の金山は、5人兄妹で唯一の男子として育った。幼少期より模型作りに熱中し、大学進学時には「自分が考えたことを具現化し、社会にインパクトを残せる大きな物を作りたい」と考え、建築学を専攻した。また、「知らないことがあるのがおもしろい」と感じ、特に未知の環境である外国への関心を高めていった。建築家を目指して学ぶ中、海外旅行で米国へ行き、知人に会うためにボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪れた。このとき、金山は、「自分もいつかここに来る」と予感めいた不思議な気持ちに駆られた。この旅行をきっかけに「海外で学びたい」という意欲が高まり、就職活動では「ゼネコンで留学制度がある会社」に目標を定めた。

1984年、東急建設株式会社に入社し、設計業務を担当。3年目に念願だった留学のチャンスに恵まれた。行先はボストンのMIT。大学時代に描いた夢が叶い、意欲に満ち溢れて日本を後にした。MITでは、先進的な考えを持つ仲間に刺激を受けながら、都市計画や不動産開発を中心にファイナンスや戦略論など、ビジネスに必要な知識を学び、さまざまな分野におけるグローバルスタンダードを身に付けた。

3年後に帰国した金山は、東急電鉄の都市開発部門に出向となり、同社の事業収益の中核だった多摩田園都市開発事業の21世紀に向けた戦略転換の企画を担当することに。その後、同社の社長室に配属され、政策担当として経営に携わり、東急電鉄へ転籍することとなった。そのミッションとは、バブルで400社以上に膨れ上がった東急グループ事業ポートフォリオの再構築。当時、鉄道事業に付帯していた広告や売店事業をスピンアウトさせ、広告と流通を中心とした流通事業部を創設するなど、グループ全体の収益性を高める施策を次々に実行した。この間に、業務の合間を縫って、東京大学の博士課程に通い、都市計画の工学博士を取得。その知識を活かして、2006年には東急電鉄の都市開発及び不動産関連事業の大規模な事業構造転換プロジェクトのリーダーに抜擢された。

その後、ICTやケーブルテレビなど新しいデジタルインフラサービス事業の統合や組織編制、ロケーションベース(立地情報)サービスの開発などに携わり、それらを軌道に乗せた後、2011年、東急グループのタイムシェアリゾート事業を手掛ける株式会社東急ビッグウィークステーション(現・株式会社東急シェアリング)の社長に就任した。

しかし、経営を任されたものの、当時のビッグウィーク(現・東急バケーションズ)は赤字続き、事業撤退も視野に入っていたものだった。大きな投資は望めない中、「知恵とネットワークで立て直すしかない」と、覚悟を決めた。

「赤字事業を黒字にする。これは自分にとってチャレンジでした。一方で、自分がやりやすいのではないか?とも感じていましたね。守るべき軸足を定めて、チェンジを実行すれば、必ずチャンスはあると思っていました」

金山は、それまで単なる赤字幅縮小に意識を向けていた経営方針を転換し、商品性を高めるために施設ネットワークの拡大を進めた。個人的に親交のあった大手観光企業の社長に提携を申し込んだり、伝手をたどって、未開拓だった沖縄地区に出店したりするなど、会社、個人を含めたすべてのリソースを注ぎ込んだ。このネットワーク拡大にあたっては大規模な投資を伴わないような新たなスキームを導入した。さらに、それまで1週間単位で販売していたリゾート利用権を、1泊単位で好きな時に使えるポイント制に商品を抜本的に変更。利用する施設、季節、曜日によって必要なポイント数を変えることで、オンシーズンや休日に集中する施設の稼働の平準化に成功した。こうした戦略が奏功し、会社は単年度で黒字転換を果たした。以降、同社は増収増益を続け、2017年、社名を東急シェアリングに変更。日本におけるシェアリング事業のリーディングカンパニーとして、業界をけん引する企業に成長を遂げた。

Profile

東京都生まれ。工学博士(都市計画)。早稲田大学卒業後、1984年、東急建設株式会社入社。1990年、マサチューセッツ工科大学修士課程修了、1999年、東京大学博士(工学)課程修了。東急電鉄を中核とする東急グループにおいて、多様な事業分野における事業開発やグループ企業を対象にした連結経営に携わった後、2011年、株式会社東急ビッグウィーク代表取締役社長に就任。2016年、株式会社東急シェアリングに商号を変更。現在全国16ヵ所のシェアリングリゾートを運営。

Contact

株式会社東急シェアリング

東京都渋谷区渋谷1-16-14渋谷地下鉄ビル3F

https://www.tokyu-vacations.com