20代に成功体験は要らない
ユナイトアンドグロウ株式会社 代表取締役社長 須田 騎一朗

ユナイトアンドグロウ株式会社

須田 騎一朗Kiichiro Suda

代表取締役社長

2015.03.24

このままだと大企業に就職する! という恐怖

私は少年時代からすでに、弱者の視点に立って社会の問題を是正したいという思いを強く持っていました。社会をフラットにしたい、差別やいじめをなくして誰もが活躍できるようにしたい。だから高校生の時には、将来はジャーナリストになろうと思っていました。そのために一番いい大学と考え、早稲田大学を目指しました。 しかし、実際に入学してみたら話が合う学生は一人もいませんでした。私がイメージしていた、社会に抗う学生がいたのは30年前の話だったのです。心底がっかりしました。 当時の学生の就職事情といえば、空前の売り手市場です。先輩に可愛がられていたこともあり、試しにある大手企業の一次面接に行ってみました。すると、その職場はとても勢いがあり、明るく楽しげでした。そして、大学の先輩にあたる社員さんが寿司屋でごちそうしてくれました。 寿司を食いながら、私は恐怖を感じました。その会社を「いいな」と思った自分が怖かったのです。こんな勝ち組の会社に就職したら、社会を変えたいとか弱者の視点に立って活動したいという思いなど、あっという間に消えてなくなってしまうに違いありません。 そこで、その先輩に「大学を中退しても入社できますか?」と聞いてみました。すると「それはダメだ」と。それなら大学を卒業しなければいい、中退しようと決めました。 親にも相談しないまま、3年生の時に勝手に退学しました。両親に報告した時は、絶句された記憶があります。私はその場で話をすぐに切り上げて、すでに決めてあった新聞販売所に行きました。今風に言えば「大学中退のフリーター」になったのです。

理想のプロジェクトを請け負う

新聞販売所に始まり、販売店を回るトラックの運転、引っ越し屋の助手などのバイトもやりました。 中小企業の社長の運転手をしていた時のことです。その男性は社長と名乗っていましたが、その正体は詐欺師でした。ある上場したばかりの企業に赴き、学習塾の事業部を立ち上げて架空の外注費を計上し、数千万円も騙し取って姿をくらましたのです。私は約半年間、その「社長」の下で仕事を手伝っていたので、事業のコンセプトは理解していました。皆が騙されたくらいですから、社会的に意義のある素晴らしい事業でした。「社長」が姿を消して詐欺が判明してから、私は2週間ほどかけてこの半年間のリポートを書きました。改善すべき点や展望も添えて提出し、この会社を離れたのです。 すると1週間ほど経ってから、その会社の役員に呼び戻され、この事業をお前に任せる、と言われたのです。ウソの事業をリアルにしてほしいと。会社としては、上場したばかりで新規事業を頓挫 させられないから、失敗しても構わないというつもりで私に託したのです。私はやるからには絶対にやる! と決めて必死で働きました。そんな流れで23歳の私は、大学の同窓生と同じ時期に会社員になったのです。 結果、約1年半で事業を拡大し、63店舗まで展開、生徒も300人を超えました。途中から会社の事業に正式に組み込まれ、新規採用の社員も入ってきたので、後を引き渡して辞職しました。


Profile

1966年埼玉県生まれ。 早稲田大学第一文学部を経て、出版社・マーケティングリサーチ会社・パソコン 通信会社・広告代理店などで経験を積む。 1997年、個人ユーザー向けのテクニ カルサポート代行サービス会社を創業。Eメール/電話/全国訪問のサービスを 組み合わせることで、大手メーカーや通信会社からの受注拡大に成功。2005年、 株式会社テクネット(現:ユナイトアンドグロウ株式会社)を創業。 前職時代に「難しい」と判断して撤退した事業のやり直しが創業のきっかけ。中堅・中小企業の情報システム部門やバックオフィス部門を支える「レンタル社員サービス(現名称:シェアード社員)」の開発に成功し、同社を成長させている。

Contact

ユナイトアンドグロウ株式会社

〒169-0074 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー4F TEL:03-6866-4501 URL:http://www.ug-inc.net/

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